015
「やはり効きませんか。」
「魔族落ちは魔人と何ら変わらないからね。」
魔族落ちした人間は魔人と比べると、魔力があまく、人格が失っていて、ツノがないことだろう。
「そうですね。私達も真面目にしないとですね。」
エンとモモは未だ本気を出していなかった。
「3割だからね。それで勝てたら、楽なんだけどね。」
「派生属性も効かないのは、少しきついですけどね。」
「まぁ、だから、上のものが対処するんだけどね。そろそろ聖気魔法を使おうか。」
白魔法 疾風迅雷を維持しながら、指示を出す。
「集中して、聖気を読み取るんだ。」
モモはエンに向けて言った。
聖気魔法とは、地面に魔力が流れている地脈エネルギーを読み取り、質の良い不純物がない、魔力を汲み取った魔法である。
それなら、最初から、それを使えと思うかもしれないが、魔法を熟知した者だけが、そこまでいたり、精神に疲労がみられるため、しんどい。
まず、大抵の人は、聖気の存在に気がつかない。
なので、使う人は限られているが、少なくはない。
モモや、エンは勿論、モモの使い魔や、ギルドランクがBランクのものからは大抵使えるようになる。
「大丈夫です。」
エンは、聖気魔力を取り入れて、自在に使えるようにした。
そして、エンには、先ほどの白魔法 疾風迅雷の雷の衣装を纏うように、聖気な力が滲み出ていた。
聖気には、体外に出すだけで、その場の空気が、綺麗になる。
「早くなったね。2秒くらいかな?」
聖気を取り込む速度が上がっていることを素直に褒める。
「最初に比べればですけどね、モモには勝てません。」
「まぁ、僕の場合は、感受性が豊だからね。」
モモは魔族落ちの鎖を強くしていた。
「エン、とどめは任せたよ。」
「黒魔法 聖斬撃」
エンの剣は、聖気を纏い、斬撃を飛ばす。斬撃自体は見る事は出来ないのだが、モモには分かった。空気が綺麗になっていくからだ。
魔族落ちの人間は縦に割れて、何もかも残らないような形で絶命する。