013
「英雄亭の紋章?」
ガタイの良い男は、体格に見合わないくらいの小さな声で、唖然としていた。
「だけど、こんな奴はいねぇ。」
男はエンの姿をみて、開き直ったようにそう答えた。
「仲間だから、身は大丈夫だよ。なんなら、僕が保証するよ?」
モモは、エンの後ろからひょっこり出てきてそう答える。
「英雄様!!!!!?????」
「依頼を受けにきたんだけど、通してもらえるかな?」
「はい!!!!!!!!勿論です。」
「その、白い水晶に手を乗せてください。」
モモとエンは手を乗せて、確認をする。
「大丈夫です。異常はありません。」
「あと、ギルドカードも確認させて下さい。」
モモはギルドカードを懐から2枚取り出して渡す。
「確認できました。」
「ありがとう。いくよ。エン」
「うん。」
門を通してもらい、中に入る。男は敬礼をしながら、モモとエンを見送ったのだった。
「モモ、あれは何の意味があるんですか?」
「あぁ、ギルドカードは身元を、水晶は魔人を発見するためだよ。魔人には特殊な魔力が流れているんだよ。だから、もしあの水晶に触れれば、すぐさま、警戒音とともに、僕達にすぐ連絡、そして、「黒魔法 鉄鎖」が発動され、拘束されるんだよ。」
「なるほど、これは誰が作ったのですか?」
<ドカーーーーン>
モモが口を開こうとした時、爆発音が鳴り響いた。
上空を見上げると、ルシファーとはまた違う、枯れきった木の様なそして、目が真っ赤でよだれを垂らして、角がない人間がいた。
「あ、あれは」
「魔族落ちだね。」
今年一年ありがとうございました。
来年も連載する予定なので、よろしくお願いします。