010
「エンを鍛えて、魔人を倒せるようにまで、実力をあげて欲しいの。モモちゃん」
「わ、わかりました。」
「今日からお願いできるかしら。」
「え、き、急だね。」
「まぁ、やる事が沢山溜まっているから、早く処理をしていこうと思ってね。」
モモはエンに問いかける。
「エ、エンはそれでいいなかな?」
「大丈夫です。よろしくお願いします。」
「そ、そんな、か、かしこまらなくていいよ。」
モモは苦笑いをしながら答えた。
「よし、決まりだね。」
ヘスティアは、答える。
★
「よし、これで、大丈夫だね。凄く良くなったよ。」
「ありがとう。モモ。」
「いや、凄いよ。やはり、潜在能力だね。」
モモは、エンと修行してから、1ヶ月たっていた。ここは、英雄亭の練習場だ。
内装は、凝っていて白で綺麗に統一されている。
モモは英雄の羽織ものと、片刃剣と、マスクをつけて、座りながら、エンと小声で喋っていた。マスクなどを付けている理由は、万が一警備兵などに、姿を見られる事を無くすためだった。まぁ、モモとエンの周りには、白魔法 不可視認結界 が貼ってあって、見ることはできないのだが。
「なにより、魔法や剣を一通り覚えれたのが凄いね。」
「けど。やっぱりモモには及ばないね。」
「まぁ、僕達は次元が違うからね。」
モモは更に小声で聞こえないように、呟いたのだった。
「モモ、ギルドマスターから呼ばれていましたよ。」
「あぁ、それはアテナからも、言ってた?」
「そうだったよ。」
「それなら行かないとね。」
「えっ、何故ギルドマスターの呼び出しがダメなの?」
「んー。そうだね。ヘスティアの場合は私情がはさまっているからね。」
モモの言葉を苦笑いした。
「それじゃあいこうか。」
モモは、立ち上がり、エンに手を伸ばし、立ち上がらせ、白魔法 不可視認結界 をしたまま、ギルドに向った。