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都築彩夏は不運である。  作者: 杏里
能力者編
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お前能力者だろ?

「お前能力者だろ?」


 高校が休みの週末を利用して繁華街を歩いていた都築彩夏は耳を疑った。何故ばれたということではなく、全く心当たりがなかったからだ。しかし、すれ違いざまに都築の耳元で確かにそう言ったのだ。


 うわぁ、すごい人に絡まれちゃったよ。能力者とか言ってるよ。なんなんだよ能力者って。ていうか俺も能力者なのかよ。知らなかったよ。どこまで本気なんだよ。もしかしてドッキリ?ドッキリにしては地味すぎるだろ。だとするとマジで言ってんの?やばいでしょ?でもどうしよう。確実に危ない人だよなぁ。


(こういう時は気づかないふりをして素早く立ち去るのが一番)


と、都築は一切立ち止まることなく、ペースを変えることもなく歩き去っていく。ちなみに都築はこれまでの人生で、気づかないふりをして災難から立ち去りきれたことは1度としてなかった。


「ちょっと待てよ」


 後ろから肩を掴まれる。今回もいつも通り逃げ切ることはできなかった。


「えっと、何かご用でしょうか?」


「そりゃ自分の能力を無闇にさらしたくないっていうのは分かるけどよ、無視はよくないぜ?」


「もしかして人違いじゃありませんか?」


「そんなわけねぇだろ。能力者のオーラを同じ能力者が間違うわけねぇだろ」


 出ているらしい。能力者のオーラが。


「分かったよ。しょうがねえ。俺の能力を見せるからとりあえず話を聞いてくれ。いいな?」


 いったい何が分かったのか、都築には全く分からないが、話は進んでいく。


「よく見てろよ。ほら」


 そう言って出された掌はゆらゆらと燃えていた。都築にはオーラが見えないが、炎は見間違いようがなかった。


「…なんてこった」


 燃える手を見て本気で驚いている都築を見て、手を燃やしている本人も驚いていた。


「…もしかして、マジで能力者じゃねえの?」


「そうですけど…」


 この小さな勘違いによって、都築はいつものようにとんでもない事態に巻き込まれることになる。


 いつも通り、都築彩夏は不運である。

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