夏の夜の
勢いだけで描きました。かなり拙い文章になってるかもしれません。
名前とかは完全に響きで決めました。由来も意味も何もありません。
楽しんでいただければ幸いです。
「それでねー、咲子がこういったんよ」
私は彼と腕を組んで歩いていた。
組むというよりはしがみつくというほうが近いかもしれない。
私は夢中で話してた。
笑顔で、今一番幸せだというような表情だった。
彼は曖昧な笑顔を浮かべて相槌ばかりうっていた。
「ちょっとー、聞いてるのー?」
微妙な反応しかくれない彼に私はじれた。
顔を覗き込むようにして、ひときわ強く腕を握った。
はずだった。
「…あれ?」
私の腕は突然感じていたぬくもりを見失った。
より所を失った体は倒れかけた。
どうにか踏みとどまる。
彼がいなくなっていた。
さっきまで確かに私の隣にいたはずなのに、
はじめから誰もいなかったかのように静まり返っている。
初めて私は自分が真っ白で何もない空間にいるのに気づいた。
無限に広がる白。
怖い。
彼はどこ?どこに行ったの?
「ひ、広人ー?どこ? はやくでてきなさいよ。面白くなんかないんだからね!」
不安な気持ちを必死で紛らわすように呼びかけた。
でも返事などなくて、よけいに不安が募っていく。
「あれ、梓じゃん。なにしてんの、こんなところで?」
どこから現れたのか、クラスメイトの男子が立っていた。
涙目ですがりついた私をみて、心配そうにしている。
「ねえ、広人は!?広人見なかった?さっきまで一緒にいたのに突然消えたの!」
気がついたら一気にまくし立てていた。でも止められない。
知ってる人が現れたことで、何かが外れたのかもしれない。
一方でそのクラスメイトは明らかに困惑していた。
それに気づいた私が不安そうな顔をしたのか、彼はいいにくそうに口を開いた。
「あ、あのさ、誰のこと言ってるかわからないんだけど。広人なんて人、知り合いにいた?」
頭を殴られたような衝撃を受けた。
私は何かを叫んだらしい。
クラスメイトが「ちょっ、梓!?」とかいいながら耳を塞いでいる。
なぜ自分の声は聞こえないのに彼の声は聞こえるのだろう。
明らかに場違いなことを考えながら、私は、
目が覚めた。
「な、なんだ…夢か…」
真っ暗な自分の部屋で、私の息は荒かった。
別にこれ特定の季節想像しながら書いたわけじゃないんですけど、なぜだかこのタイトルがしっくりきました。
たぶんシェイクスピアの「夏の夜の夢」があるのと、前回のタイトルが「夏世界」だからです。
っていうか、タイトルのせいでオチわかっちゃいますよね、これ。
楽しみが半減した方がいらしたら申し訳ない。
読んでくださりありがとうございました!