愛情の暴走セカンドVr. (FK協賛・第二期)
江川さま宅の「縁側通信(N0852Q)」(http://ncode.syosetu.com/n0852q/)におけるF君への愛が暴走。IF話としてどうぞ。
「愛情の暴走セカンドvr。」 FK協賛(第二期)
ぷちっと。
なんぞかしらんが、緑の相方が潰れた。
ぷちっと。
――――――しなびたきゅうりのごとく、使えん状態になってしまったんだがどうすんべ。
「おーい。フレディ、…死んだ?」
「こ…ろす、な」
みず。……みずを、くれ。
ぜひゅーぜひゅー、と危険な息の音をさせて、某所より連行してきたFくんが呟いた。
「あいあい、水ねー」
水か―。…台所のでいいかなあ。
てとてとと歩く篠原京香は、今日もマイペースであった。
して、結論。
「めんどいので、転移よろひく。イスラン」
「……京香。だから、おまえは何を持ってきた」
頭を抱えているのが黒髪金目の我が親友。魔王城の主であるイスラン=アル=ジェイクだ。いえい。
「え? 河童のFくん」
「フレディ、だ」
ぜひゅーぜひゅーと今だ続く脱水症状のくせに突っ込みは忘れない相手がいた。
どうも、京香を相手にするとしっかりと自己主張をしないといけないと思う輩が多いらしい。
まあ、…そうだろうね。
「河童がなぜここに…。いやいい聞く気はない話すな……転移だな、水があればいいのか?」
「イエス、ザッツラーイト」
古いネタで今日も返事した京香だった。
「………」
無言でそんな友ごと術をかけたのは、魔王でもあるイスランだった。
「――――― …ふむ。胡瓜はあったかな」
B級映画(妖怪モノ)で使用されやすい日本伝来の河童をもてなすために、厨房の主に確認をしてもらわねばとかいそいそしだしたイスランだった。
さすがだ、類友。
「…イヤ嬉しいが。――――せっかくの一張羅が水浸しだどうしてくれる」
友人の部屋からここぞと奪ってきたリクルートスーツを着込んでいた河童が嘆いていた。
「だってさー、まさか転移の衝動でフレディの大事な頭の皿から水がこぼれるとはよもやおもってなかったわけで…いえすいませんごめんなさい全て拙めが悪いのであります」
「わかればよろしい」
きらんとその水かきのついた5本の指で京香の顔を浴室に沈めようとした河童が呟いた。
雉も鳴かずば撃たれまいに。
「……だって、笑って許して下さった喜びで、再度暴走しおったんだもん」
きゃつが。
「何か言ったか?」
「いえなにも」
ぼそりと再び鳴いた京香に、お肌に美味しい風呂場の水を体中に含んでつやつや張り張りのお肌になった上高地出身の河童が狙撃したようだった。
はははは、空気読めよ主人公。
「で、美しい人魚はどこにいるんだ」
「フレディ、意外にも食欲よりもそっちなんだね」
胡瓜がなかったためにメロンを出してきた魔王城での宴会で、もそもそと魚の干物をくってるフレディが確認してきた。
美人との出会いが欲しいとのたまう相手に、つい教えてしまった自分の過去を少しだけ悔んだ京香だった。
「美しきものを求めるのは、生き物の性である」
「いや、どや顔で宣言されてもやってることはただのすけべです」
「節度ある欲望の発散は、犯罪の抑制には必要不可欠なことだぞ?」
「いや、そらそうだけども」
もっそもっそと同じく隣で肉を掴んで貪り喰いつつ京香は言った。
「ところで、どうやって甲羅をスーツのなかに突っ込んだのか聞いてもいいかい? フレディ」
「日本古来の妖怪なめんな。それは企業秘密だ」
もっそもっそと飯を食いつつ喋る一人と一匹を横目で眺めながら酒を呑みつつ、イスランは思った。
こいつらも同類かと。
きょうも馬鹿な物語りが終わる。
了 by 御紋
どうしてこうなった第二弾。
Fくんを「君日」にトリップさせればいいじゃない☆と言われて、脳天に隕石のごとく降ってきたネタ。
人魚の彼女に会いたいために、人間の友人が持ってたと思われるスーツを勝手に引っぱりだしてきたFくん(笑 勝手に人さまのキャラ作るにもほどがある。しってるよwww