遊ばせて頂いた! (FK協賛)
江川歩さま宅の「縁側通信(N0852Q)」(http://ncode.syosetu.com/n0852q/)におけるF君への愛が暴走。IF話としてどうぞ。
「遊ばせて頂いた!」 FK協賛(第一期)
とある日のこと。
いつもどおり、イスランのいる魔王城まで遊びに行こうとしたわけだが。
なんかしらんけど、失敗した。
「―――― おい。生きてるか?」
「…………」
泥の匂い漂う沼地に、健やかな成人女性の足が2本生えた。
お土産用の最近値上がりも甚だしい夏野菜を片手に、転移しなれた異世界へ移動する筈だったのだが。
どうやら、間違えたらしい。
―――だって、沼って、沼って!!
いまだ頭から沼地に突っ込んだままで京香は震えた。
魔王城近辺になら沼もどきの腐った沼があった筈だが、このようなドジョウとかメダカとかアメンボウとかヤゴとかが普通に生息してそうな美しい沼は記憶にない。
「…何してんのか知らないが、とりあえず抜いてもいいか?」
何を!?
…通常の京香だったらそう突っ込んだ筈だが、腐葉土のしっとりなめらかこなれた沼底に頭から突っ込んだままの状態ではさすがにその突っ込みは出来なかった。
「よいしょ」
まさに、田圃仕事の途中のじいちゃんばあちゃんのごとき掛け声で、たぶん今までお逢いしたことのない御仁は京香を引き抜いた。
なんだ、今日の畑の収穫物はあたしですか。
熟してないからって、三角コーナーに直行させるのはやめてくださいね。
日本発信の「MOTTAINAI」精神は大事ですから、せめて漬物にしてください。一夜漬けで結構ですから。意地でも発酵かもしてさしあげましょうこんちくしょうめ。
混乱した頭で、ふらふらと座った京香には前が見えなかった。
黒色の泥で頭の半分まで泥に浸っていたためだ。
牛蒡の泥を洗うようにごしごしと服の袖で目元を拭いた京香だったが、袖までしっとりと染みついた泥のおかげで、むしろ汚れは広がっていた。
「……使うか?」
「…ありがとうございます」
綺麗な布(たぶんハンカチ)を貸して頂き、再度目元をごしごし。
「あ~、…こんにちは世界」
見えてきた視界にほっとしつつ、京香は呟いた。
「………( 変な奴だな )」
物珍しげに覗きながら相手がそんなことを思っていることに、京香は気付いていたのかいないのか。
「はっ!! しまった。一宿一飯の恩にも増して、救命の恩義は何よりも勝る!!」
お礼を言わねば。
「……… 変な奴だな、おまえ」
混乱が収まったのか上記のごとく叫んだ京香に、今度は相手も遠慮なく呟いた。
「―――まさかの泥沼強制召喚で、沼地に生える考える葦の気分を味わうことになるとは思ってはおりませんでした。おかげで、ほどよく人身に戻れました。必要なのは二酸化炭素ではなく酸素です。美味しい空気です、幸せです」
「………うん」
おまえ、変。
御仁は京香への第一印象をその一言に決めたらしい。―――逃げてもいいと思うんだ。
「お礼になるかは判りませんが、最近どう見ても底値があがりおって困った夏野菜をよければお礼にさしあげます。ダチ連中へのお土産にしたろうかと思いましたが、よく考えると転移の衝撃で潰れてる可能性が…ってぎゃああああああ、青くさい匂いがするううう。トマ子~! 茄子雄~!! きゅう子~!!!!!」
頑張って買った三大夏野菜がああああああああ。
転移の衝撃で水気の多く含まれていた野菜が潰れたようだった。―――いざ野菜ジュース100%への道。
ちなみに同じ風呂敷に包んでおいたピーマンは無事だったようだ。素晴らしいね。
「……しまった。先にそっちを救済すべきだったか」
見知らぬ相手も救命してくださった心優しい筈の御仁が舌打ちをしたようだった。…ああ、いま幻想が消えた。
「人命ときゅうりのどっちが大事だ、この河童あああああああ!!」
「きゅうりに決まっとるだろうが!! こんなこともわからんのか、貴様は!!」
上高地の高貴なる河童ことフレディと、異界渡りの娘こと篠原京香のファーストコンタクトはこんな感じであったそうな。
どっとはらい。
了 by 御紋
なにがどうしてこうなった。
ということで、江川さんちのFくんに愛がつのったあまりの暴走でした。キャラちがったらさーせん!!(平謝り)
…気になりすぎてたFくんの部分をメッセで頂いたあまり、暴走しました。それこそ「御紋さん、御紋さん、」と呼びかけられるほど。
いやほんとうに、たんたんと5時間は膝詰めて聞き出したい心境だったんで。(どんだけいっぱいいっぱいだったか…わかるよね☆)
で、だ。
ふおおおおおおおおお!と暴走しました。(自重? 北陸の海に捨ててきた)
ここより始まったFK協賛。(フレディ&京香協賛)
………萌えって凄いね。
少しでも笑いのつぼに入っていただけたなら幸いです。(ぺこり)