不真面目、補習の流儀
チュンチュン…チュンチュン…
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃい〜」
◆
俺はそこら辺に居る男子高校生、寺村
今日は学校に行かないと行けないが、あまり行く気にはなれない…
何故かと言うと…
「よ!寺村」
「鳴沢、元気だな…お前は…」
「そうか?いつも通りだろ、早く行こうぜ」
「お前、なんでそんなテンションでいけるんだよ…今日が何の日か分かってるのか?」
「夏休みの補習!!」
「そうだ…」
そう、「補習」だ…
ファラリスの雄牛のように、夏の熱気に包まれ、灼熱が身体中を焼き尽くす…そんな夏にだ…
「それにしても、お前は何故そんな元気なんだ」
「夏休みに学校行く特別感?」
「ポジティブだな…」
「そうかな?」
◆
「んじゃ俺、別教室だから、また後でな!」
「おう」
ガラガラ…
「…」
えーと…席は…
松久さんの隣…
待て…
この教室…僕と松久さんしか居ねぇ…
くっそ気まずいじゃん??
やばいだろ…
クラス分け下手か!?
「おはよう、寺村くん」
「あ、おはよう、松久さん」
この教室に2人って事に驚きすぎて忘れてたけど…
松久さんって頭良さそうなのに、補習あるんだな…
これって失礼かな…
「松久さんって、頭良さそうなのに、補習なの?」
「げっ…寺村くんまで…」
地雷を踏んだか?
「ご、ごめん…というか、他の子にも言われるの?」
「言われ慣れるぐらい」
「相当だね…」
◆
「2人共おはよう、担当の山田でーす!」
「うっす…」
「おはでーす…」
「元気なさすぎやろがい!」
「先生は良いですよね、暇してるだけだから…」
「うちだって、家に帰りたいよ!!!」
「そうですか…」
「とりあえず勝手にやっといて、私そこら辺散歩してくる」
「ホントに教師か…?」
「うっさい、ほら、そのうち帰ってくるから、わかんないとこは飛ばして」
「うい」
「返事は、はい、でしょ?」
「うい」
ベシッ
「いたい」
ガラガラ…
という事で
静かな教室で男女二人、1時間ただただ勉強する時間です。
「そういえば、寺村くんこそ、頭良いのに、なんで居るの?」
「テストは良い点取るくせに、課題を一つも出さないからです」
「ごめん、意味が分からない」
「うん、僕も」
「…」
「…」
◆
「疲れた」
「私も」
(開始5分)
「何故夏休みにこんな所に居るのか、理由が顕著だね」
「そうだねぇ〜」
「寺村くん、好きな人いる?」
「修学旅行じゃないんですから…」
「居るの?」
「居ないですよ、松久さんこそ、どうなんですか?」
「えぇ〜…?ひ・み・つ〜」
なんなんだこの人
「はぁ…そうですか…」
「嘘だって!居ないよ、私も」
「ふーん…」
「安心した?」
「何が!?」
◆
「まぁまぁ進んだかなぁ」
(開始15分)
「私も〜」
「あんたら意外と真面目なんだね」
「意外ってなんすか先生」
「いや〜、男女2人きりの教室なんだから…見合って照れちゃったりして…その場のノリであんなことや…こんなこと…」
「俺らじゃなかったら教育委員会行きですよ」
「すいません」
「そういえば、先生は結婚してないんですか?指輪してないけど」
「ダメですよ寺村くん、先生がFXで有り金全部溶かした人みたいな顔をしてます」
「あ、ホントだ」
「心が痛いよ、私は」
「すいません先生」
「それにしてもだな、急にそういう事を話すとは…お前…」
「なんですか?」
「私の事でも狙っているのか!?」
「はぁ…」
何を言ってるんだこの人
◆
「嵐が去ってから、一段と作業が進み始めたなぁ…」
「寺村くん、先生の事を嵐っていうのは辞めてあげてね」
「辞めといた方がいいかな」
「うん」
「そういえばさ、俺松久さんの連絡先持ってなかったから、後で貰っていいかな?」
「いいよ!私も欲しかったし」
「じゃあ、この時間終わったら」
「うん!」
それにしても、中々落ち着くな
冷房の効いた教室、適度な会話が出来る友達
補習だけど、こんなんも悪くないな
「意外と楽しいね」
「ん?何が?」
「この時間が」
「あぁ…、楽しい」
「えへへ」
ん?
あれ…なんだろ…
今なんかドキッと…
ジー…
「な、なに?そんなに見て」
「いや…わかんない…」
「そ、そう…」
◆
キーンコーンカーンコーン
「あ…、終わりか」
「あっという間だね」
「あ、お前ら、特に悪い組だから明日明後日もなー」
「え?」 「え?」
「え?って知らなかったのか?」
「…」 「…」
◆
「だぁ…明日もかぁ…」
「明後日もだよぉ…」
「でも…今日楽しかったし…いいかな」
「え?」
「寺村くんと話すの楽しい」
「あぁ…うん…俺も…松久さんと喋るの楽しかった」
「明日も教室で会おっか」
「まぁ…強制的だけど」
「ふふ、それもそうだね」
「んじゃ」
「じゃーね!」(手を振る)
松久さん…あんな人だったんだ
これまで全然喋った事無かったけど、笑顔が綺麗で面白い人だったな
ポコン
あっ…LANE…
『寺村くん、連絡先貰ったから一応!よろしくね』
『こちらこそ、よろしくね』っと
何だか、明日も楽しみって思ってる自分が居る…
なんだ…?恋…恋したのか!?
嘘つけ!まだ1日しかマトモに話してないんだぞ!?
おいおい…
「よ!寺村」
「あ、鳴沢」
「なんか女の子と喋ってたな、彼女か?」
「んな訳ねぇだろ…出来たら言うよ」
「そうか?んじゃ楽しみに待っとくわ」
「まだ分かんねぇだろ…」
「まぁ、それもそうか」
「それで、俺は今日で補習終わりだが、お前は?」
「明日明後日…継続です…」
「おお…そりゃ災難だ…」
「自分が悪いんだけどね…」
「まぁな」
「でも、今日は楽しかったからいいよ」
「へぇ?あの女の子か?」
「あ…まぁ…そうだけど…」
「なんだ図星か、好きな子なのか?」
「分からん」
「ほう?俺は「違う!」と言うと思ったがな」
「今は違う」
「なるほどな、まぁ楽しみなら良いんだ」ニヤ
何ニヤついてんだこいつは…
でもまぁ、明日から…また気合い入れるか…
最後までご覧下さりありがとうございます!
次の更新が明日になるか、来週になるか、来月になるか、来年になるか…
分かりませんが、とにかく頑張っていくので、応援の程お願いいたします!




