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君がうんこを食べるなら

もし


君がうんこを食べるなら、僕はそれを止めることはできないだろう。君がそれを選んだなら、僕はただその選択を受け入れるしかない。ただ、どうしてそんなことをするのか、それが僕には理解できない。


この町では、少し変わった人々が住んでいる。彼らの言動は常に普通から外れていて、どこか奇妙で、しかし彼ら自身はそのことにまったく気づいていない。そんな中で、君の存在はひときわ目立つ。君は他の誰とも違った。ただし、異常にまで達しているわけではない。


だけど、うんこを食べるという話は、まさしく異常だ。僕は君に「それはやめておけ」と言ったけれど、君は顔色ひとつ変えずに答えた。「僕が選んだことだろ?」と。


その日、君は町の広場に座り込んで、僕が思わず目を背けたその瞬間、手に持っていたそれを口に運んだ。周りの人々はすでに君の行動に慣れているようで、誰もが無関心に通り過ぎるだけだった。僕はその光景に目を奪われ、言葉を失った。


それから数日後、君が食べたものは何だったのか、僕には分からなかった。ただ、君は変わらずにその後も街を歩き、誰も君を奇異の目で見たりしなかった。君が他人と異なった選択をしたとしても、それは君の自由だと、町の誰もが思っていたからだ。


僕は次第にそのことに慣れていった。君がうんこを食べることに、恐怖や驚きは消えていった。僕はただ静かに君の後ろを歩き、何も言わずに君を見守るだけだった。君の選んだ道がどんなものであれ、それが君の人生だと受け入れることにした。


しかし、何度も思った。もし君がその道を歩むことで、何かを失っていったとしても、僕はどうすることもできないのだろう。君が幸せであるならば、それでよかった。ただ、心の中で僕はいつも考えていた。


もし、君がうんこを食べ続けることで、何か本当の意味を見つけることができるのなら、僕はそれを信じようと思った。


その後、君は町を出て行った。なぜか分からないが、君の姿はもうここにはなかった。僕はそのことを心の底から寂しく思った。


君が選んだ道は、もしかしたら他の誰には理解できないものだったかもしれない。それでも、僕はそれを否定することなく、君が歩んだ道を尊重したいと思っている。


君がうんこを食べることで、何かを見つけたなら、それが君の幸せなら、僕はそれをただ応援するだけだ。


そして、君が再び現れる日が来るのを、静かに待っている。



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