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文字通り気の向くままに書いたものです。今回の主人公は白い猫です。本文は短めですので物足りない方もいらっしゃるかもしれませんが楽しんでよんでくれたなら幸いです。

 薄暗い路地裏の中、ひっそりと佇む白い猫。目に映るのは大通りを行き交う人の群れ。排気ガスの臭いが充満し、不自然な中を自然に歩く人々を不思議そうに見つめるその猫は、やがてそれに飽きたのか、室外機の上からぴょんと飛び降りた。

そうして彼は、気の向くままに歩き始めた。視界の端で喧嘩してるのが目に入ったが、それすらお構いなしにどんどん進んでいく。塀の下にぽっかり空いた穴からビルの敷地の中へ……そしてその先にある門の格子の隙間から道路に出る。何者もいないその道は、まるで世界から自分以外消えてしまったかのように寂しさが漂う。

 たった一匹、孤独に街を流離う。

 暫く一匹で歩いていると、彼は何を思ったのか、茂みの中に入った。草のいい匂いが都会の汚れた空気を忘れさせる。彼はそんな心地よさを感じながら、のんびりと歩いていた。やがて斜面が現れ、登るときに気を付けなければ転んでしまいそうな場所であった。しかし、猫である彼には関係ない。彼は穏やかな川の流れのようにするする上り、頂上に着くと、そのまま目の前の景色に心を奪われた。

 日が水平線に向かって沈んでいく。蝋燭の火が消える直前に弱弱しくも、猛々しく目の前の川を朱く、優しく、くっきりと染めていく。

 やがて、日は沈み、ゆっくりとその姿を消す。彼は最後までそれを眺めていた。

そうして静かに佇んでいると、いつの間にか空には星が浮かんでいた。そして、太陽の代わりと言わんばかりに月が大地をほのかに照らしている。

 寂しげに「にゃあお。」と鳴き、彼はいつの間にかどこかに去っていった。


此処まで読んでいただき、ありがとうございます。

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