東京のセレブ公務員
今日の夢の俺は若かった。で、何と禿てない。禿じゃない俺の夢なんて久しぶりだ。感激した。こんな夢なら毎日見たい。大歓迎だ。
夢の中の俺は社会人1年生の小学校教諭だった。糞弟が小学校教師だから無縁な職業ではない。何回か授業をやったらしいのだが、あまり良い評価は貰えず、このまま生徒の信頼を得ることができなかったら他の部署に配置転換という最後通牒を受けているらしく、切羽詰まってはいた。しかし俺には悲壮感はない。
この辺りは現実世界の俺の職業病、セールスマンの12月の重圧からきてるのかも知れない。でも、公務員だったら、教師不適格の烙印を押されたところで何かしらの仕事は貰えるから飯は食っていける。気楽なものだ。
夢の中の俺には教師のスキルは全くなく、授業をしたらしい記憶だけがある。『夢界の創造主』の主人公の俺だっら、教師としてのスキルは完璧に脳にインストールされる。まぁA界(現実世界)の夢だからこの程度だろう。
それで何と俺は東京に住む小学校教師だった。夢は俺の潜在意識の中にある東京在住願望を叶えてくれていた。その上、セレブな生活を満喫している。俺の母親はまだ40代の有閑マダムで、自宅に戻った俺は毎日ショーケースに並ぶ旨そうなパンに食指を伸ばすが、ふと疑問を持つ。
…こんなに多くのパン食べきれるもんやない。うちはパン屋じゃないし残ったパンはどうなるんやろう…
そのあと登場するのがセレブな伯母、この人どうも猪町(俺が中学1年まで住んだ故郷)の松田の伯母らしい、主人が脳溢血で亡くなったと言っているから。
俺はセレブ母親に零す。
「俺このスーツ1着しかないんよね。買わないかん」
で、セレブ伯母が、「有楽町で待ち合わせて買いに行こうか」
ここまでのやりとりは朝だったらしく、俺は仕事に行こうと玄関に出たはいいが… ここからが俺の夢の落ちだ。
俺はセレブ母親に問い掛ける。
「あれっ俺は東京のどこの駅から乗るんやろう?」
「あれっ俺は東京の何ていう小学校に勤めとんやろ?」
アホか!