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08 ご本


 アイネちゃんへのおみやげを探しに商店街の本屋へ。


 活発なアイネちゃん向けに冒険もの

 魔法に興味を持ってもらいたいなら実際に遊べる魔法の絵本

 リノアさんと一緒に楽しめる簡単スイーツレシピ集

 おしゃま娘さんたちに人気の王都最新ファッション誌


 残念ながら『収納』魔法使いが大活躍する本は無い。


 考えれば考えるほど分からなくなり結局全部購入。



 リノアさんにも何か、ということで散策すると露店で掘り出し物に遭遇。


 木製ブローチなのだがリノアさんの首飾りと似たような気配を纏っている。


 『鑑定』すると付与こそ掛かっていないがとんでもない樹齢のものだった。


 こういう霊格の高い素材は守護系の付与と大変相性が良い。


 リノアさんに欲しい効果を選んで貰えるし、二人で相談しながらだときっと楽しい。


 他の木製アクセサリーと変わらない値段で購入できたのを申し訳なく思う。



 すでに夕方、わくわくしながら宿屋へ。


 退屈そうにしていたアイネちゃんが本の山を見て歓声を上げた。


 申し訳なさそうにしているリノアさんにこっそり伝える。


「本にはおてんばさんをおとなしくさせる効果があるのです」


 アイネちゃん、ベッドでうつ伏せの足をぱたぱたさせながら読書に夢中。


 リノアさんの笑顔も見ることができて本に感謝。



 夕食を選ぼうとしたがアイネちゃんが読書をやめられない。


 本屋さんからおまけで貰った押し花のしおりをプレゼント。


 喜ぶアイネちゃんだが、本ではさむとお花がつぶれてかわいそうとしおりを使いたがらない。


 結局部屋に備え付けのメモ用紙をしおり代わりに。


 考えてみれば大人でも読み書き計算が出来ない人が多いのに、お土産に本をねだるほどに育て上げたリノアさんがすごい。


 俺も子どもの頃にリノア先生から勉強を教わりたかった。



 夕食をとりながら雑談。


 新居について。


 知り合い頼みだけじゃなく明日からは自分でも探してみますと言うとリノアさんの顔が曇る。


 リノアさんの困った時の顔、八の字の眉毛を見るのがだんだん癖になってきた。


 ここの高額な宿代も気にしているようだ。


「一番に考えるべきは安全だと思います。 普通の宿屋に護衛を頼む手間と費用のことを考えるとむしろこの宿の方が安上がりです」

「明日盗賊討伐の件が片付いて報奨金や情報がもらえますから、それから次のことを考えましょう」



 難しい話ばかりなのに気を使ったのか、アイネちゃんが読んだ本のことを聞かせてくれた。


 スイーツレシピ集に載っていたお菓子を作りたいそうなので、部屋の簡易厨房でも出来そうなものをリノアさんと一緒に選んで楽しんで欲しい。



 その後、恒例のお風呂タイム。


 今日は素直に浴室に向かったアイネちゃん。


 二人の楽しいお風呂話が聞こえる、と言いたいところだけれどこの部屋は壁一枚はさむとほとんど音が聞こえない。


 どうも全ての壁や扉に隠蔽された防音付与が施されているようだ。


 空調、食料庫、調理場、浴室、部屋の隅々にまで魔導具が使われていることを考えると、この宿代でもお得なのかもしれない。



 そんなことを考えていたら今日もいつの間にか小部屋のベッドで眠ってしまった。


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