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31 誓いと誤解


 中広間に来た一同。


 一斉に抱きついてくるアイネちゃん、リノアさん、アリシエラ。


 リノアさんの頭をぽんぽん、アリシエラのネコミミを引っ張り、アイネちゃんを抱き上げて、セシエリアさんに一礼してからソファーへ。


 俺の膝の上で嬉しそうなアイネちゃん、近くに座ったリノアさんとアリシエラ、お茶を用意しているセシエリアさん、少し離れたところに突っ立っている元王女。



 お茶の準備を終えたセシエリアさんが俺の肩に手を置く。


 元王女を見たアイネちゃん「あのお姉さんは」


「自己紹介もしないし、誰だろな」と、とぼける。


 直立不動で自己紹介を始める元王女。


「我が名はヴァニシア、訳あって姓は捨てた」

「命の恩人であるロイ殿に生涯の忠誠とこの身を捧げることを誓う」

「行く宛も帰る場所も無いこの身体だがここに置いてもらって好きに使ってくれれば嬉しい」



 しばしの静寂を破ったのはアリシエラ。


「ご主人さま、どんだけハーレム好きなんですか」


「ハーレムとは何か」首を傾げるヴァニシアをセシエリアさんが席に付かせる。


 経緯を説明する俺。



 ちょっかいをかけてくるお偉いさんを黙らせるために

 ダンジョンに潜った行方不明の王女を探しに行ったら

 アレが落ちてたんで連れてきた

 屋敷を囲んでいた連中の中で一番偉そうなのの首をアレが刎ねた

 勝手について来たけどどうしよう



「勝手について来たのでは無いぞ、やるべきことをやれと言われたのでやったまでだ」


「やったの?」きょとんとした顔のアイネちゃん。


「ああ、ロイ殿とは全てを曝け出しあった間柄だからな、生涯を共に過ごさねばならない」



 空気が固まる。



 セシエリアさんがカップを落としたのをきっかけに、一斉に動く一同。


 アイネちゃんの耳を塞いで俺を睨むリノアさん。


「ハーレム……」うっとりとつぶやくアリシエラ。


 割れたカップを片付ける手に動揺が隠せないセシエリアさん。


 勝ち誇ったように仁王立ちしているヴァニシアに「ちゃんと説明しろ」と言った。



 転移で飛ばされてからは生きることに必死だった

 ひどく汚れていた私を見兼ねてロイ殿が身体を洗ってくれた

 乙女は最初にこの身を任せた殿方と生涯添い遂げなければならない

 私はもう王族では無いが乙女の純潔の誓いは守り抜くぞ



「純潔……」とつぶやいたリノアさんの手が力なく落ちる。


「なにやったの」と好奇の視線を周囲に送るアイネちゃん。


「やっちゃったんですねぇ」何度もうなずくアリシエラ。


 ようやくカップを片付け終わってぺたんとソファーに座ったセシエリアさん、アリシエラの飲みかけのお茶をすする。



「めちゃくちゃ汚くてすごく臭かったから川で洗っただけで、あとは何もしてない」


「そんなに臭かったか、あそこまで汚れると自分では分からないものだな」笑うヴァニシア。


 突然立ち上がったセシエリアさん、抵抗するヴァニシアを連れて部屋を出て行く。



 リノアさんの手をとって「信じてください」と切実に訴える。


「次はリノアさんを毒牙に」つぶやいたアリシエラが、板状の魔導具を手に取る。


「毒牙ってなに」俺とリノアさんを交互に見比べるアイネちゃん。


「まだ臭かったんですかね」アリシエラが俺に板状の魔導具を手渡す。


「新開発の簡易型邸内確認魔導具です」自慢気なアリシエラ。


 板には簡単な邸内見取り図といくつかの光点。


 オレンジ点滅と赤い光点が大浴場にいた。



 少し落ち着いて来た一同に、じっくりと説明する。


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