30 討伐
小川に沿って下流へと進む。
王女は渡した槍で襲ってくる魔物と積極的に戦ってくれる。
休息を取ると少しずつ語り出した。
継承権には興味が無かったから冒険者になろうと思った
ふたりの兄たちからは冒険者として一人前になるまで応援すると言われていた
ダンジョンのボスを倒せたら認めると言われて挑戦したらこのざまだ
「王家の子女に伝わる乙女の純潔の誓いを知っているか」
「王族でも乙女でも純潔でも無いから知らん」
王女が突然剣を抜いて俺の前にひざまずいた。
我が名はヴァニシア
騎士として我が主人への永遠の忠誠を
乙女の純潔に掛けて
ロイ殿の伴侶として生涯を共にすることを誓う
伴侶?
「純潔の乙女は初めて肌を見せた殿方に全てを捧げるものなのだ」
臭かったから洗っただけだし。
「理由はどうあれ私の全てをその目に焼き付けたことに変わりはない」
汚れてたから洗っただけだし。
「男なら責任を取れ、いや取ってくれ、取ってください何でもするから」
そういうの間に合ってますから。
「側室でも一向にかまわん」
少しはかまえよ。
予定通りに結界突破、森を抜けて地図にある村を目指した。
村から街まで急いで馬を飛ばせば三日。
途中、馬が潰れそうになったら休憩するを繰り返して街へと急ぐ。
街まであと少し、騎士の鎧に着替えないのかと聞くと、
「騎士姿に憧れてあんなのを着ていたが今の装備の方があってる」
これから王子と対峙するなら姫騎士姿じゃなきゃ駄目だろと言っても、
「アレを討つためなら見た目なんかこだわってられない」とごねるので、無理矢理脱がして鎧を着せて姫騎士姿に戻す。
街に入って屋敷を目指す。
門番に昨日から王都の討伐隊が来ていると聞いて急ぐ。
道路封鎖された屋敷の周りには討伐隊が溢れかえっている。
表門の近くのひときわ目立つ部隊は王子を囲む直属騎士団。
屋敷を攻めあぐねて痺れを切らし直接門前まで来た王子は、
「王女暗殺の大罪人を討伐する」などと喚いている。
なんか小物っぽいなと見てたら、王女の馬が進みだした。
首飾りをかかげる姫騎士がゆっくりと進むと部隊が道を開けていく。
王女と対面した王子は生還を歓迎する素振りを見せるが、槍を突き付けられて腰を抜かして漏らす。
命乞いする王子、馬から降りた王女はゆっくり近づいていき剣を一閃させ首を刎ねる。
討伐隊隊長に首を渡して王女は叫ぶ。
「この首を継承権放棄の証とするから王都に持って帰れ」
「この首の主が何をしたかを知っている者、それでも私に罪があると言うならいつでもここに来い」
撤退する討伐隊を仁王立ちで見送る元王女。
ここに来られたらと困ると言いながら剣の鞘で元王女の頭を叩く。
表門が開いて出迎えてくれる仲間たち。
元王女を伴って屋敷へと向かう。




