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ゲイドラゴンスレイヤー  作者: オタメガネ
ギルド入会編
2/3

(2)ゲイドラゴンスレイヤー試験

大量の身内ネタを含みます。実はこの主人公は僕がモデルだったりします。この作品は同性愛者の方を否定的に見る作品ではありません。

 ギルドマスターに連れられ訓練所にたどり着いた俺とゲイドラゴンスレイヤー3人は、10メートルほどの距離を取って対峙していた。

「それでは天才美少年さん準備はいいですか?」

「ええ、俺はいつでも大丈夫っすよ」

 ギルドマスターに聞かれそれに答える俺。

「えっと、天才美少年さん。武器の準備とかは宜しいのですか?」

「ええ大丈夫っすよ。俺にはこれがあるんでね」

 俺はギルドマスターに見えるように拳を握って見せた。

「うへへへ!!!おいおい、俺たちも舐められたもんだなぁ?俺たち3人を相手に素手で挑もうなんてよォ!!!」

 狼の獣人が大きく笑い続けて激昴した。見れば額に青筋か浮かんでいる。

「いやぁ、別に怒らせるつもりはなかったんすけどね。別に舐めてるつもりでもないし」

 俺は居心地が少し悪くなり頭をポリポリかいた。

「おい、お前らこいつは俺一人にやらせてくんねーか??」

 狼の獣人が他の獣人2人に訊ねると、

「ぶひひ、構わねーぞ。でも殺すなよ?俺たちも後で少し遊びたいからな」

「うほっ!いいぜいいぜ!俺らは見物して楽しませてもらうからよ!!」

 豚の獣人とゴリラの獣人がそれぞれ了承したようだ。

「まあ何人がかりで来てくれても構わないっすよ。結果は変わらないだろうし」

「随分と舐めた口聞いてくれるじゃねえか!!おいギルドマスターさんよぉ!!開始はまだか?」

「そうですね。そろそろ試験を始めましょうか」

 狼の獣人は背中にかけていたバトルアックスを下ろし両手に握り構えた。武芸の型とか何も関係ない。ただ目の前の敵を切り刻み、砕き、潰す、蹂躙するための構えだ。

 俺は少し脚を開いて拳を握り少し引き絞った。

「それでは試験開始です!」

 ギルドマスターの合図と同時に狼の獣人が野生の本能剥き出しでものすごい勢いで俺の方に飛びかかってきた。


 *******************************************


(このガキ随分と舐めた口聞いてくれたじゃねえか。他の2人には悪いがここで俺が両手足をこの斧で切り落として命乞いをさせた上で食い殺してやるぜぇ!!!)

「うへへへ!!!!!!」

 受験者との距離残り1メートル。

 狼の獣人はバトルアックスを高く振りかぶり天才美少年の左肩に全体重を乗せて振り下ろした。

(斧が届くまで0.3秒!!左腕は貰ったぜ!!!)

 すると…

 ものすごい衝撃音と共に狼の獣人の体が自分が突っ込んで行った方向とは真逆の方向に吹き飛んだ。


 *******************************************


 俺の方に飛びかかってきた狼の獣人はものすごい勢いでぶっ飛んで訓練所の壁に激突して、崩れた瓦礫の下敷きになった。

「はぁーーーー!?お、お前!!!何をしたんだ!!」

 豚の獣人がその細い目を大きく開かせ、肩を震わせながら俺の方を指さしてでかい声で吠えた。

 隣でゴリラの獣人も目を見開いて震えている。

「いや、なにって?普通に突っ込んできたから普通にパンチしただけじゃないっすか?」

「はぁ!?普通にパンチしただと!!!あいつの体重は400キロはあるんだぞ!!!それを片手て殴っただけであんな勢いでぶっ飛ばすなんて有り得るわけがねえだろうが!!!」

「いや、有り得る有り得ないってさっき自分の目で見たっすよね?」

「ぐ、んな事有り得るわけねえ!!おいゴリラ!!今度は2人がかりだ!!行くぞ!!」

「え、あ、お、おう!!!」

 豚の獣人がぽかんとしていたゴリラの獣人を正気に戻すと2人同時に俺の方に飛びかかってきた。

「まあ、何しても結果は同じっすよ」

 豚の獣人の方が一瞬早く俺の方に到達し、棘付き鉄球で殴りかかってきた。

 俺は鉄球の動きを見切り、トゲが着いていない部分に左拳を上手く当てて棘鉄球の軌道を逸らして、右足で鳩尾に膝蹴りを放ち豚の獣人を吹き飛ばした。

 続けて飛び込んできたゴリラの獣人のサーベルの斬り下ろしを俺は右手の人差し指と中指で刃を挟み込むようにして止め、左手で掌底を放ちゴリラもぶっ飛ばした。

「ギルドマスターさん試験の結果はどうっすか?」

「いや、まさかこれ程とは…。素晴らしい。素晴らしいですよ天才美少年さん。あなたほどの逸材は今まで見た事はありません」

 ギルドマスターはかなり驚いた様子だ。

「はは、そりゃどーもっす」

「試験はもちろん合格。本来は一番下のランクDからスタートのゲイドラゴンスレイヤーギルドですが天才美少年さんは特別にランクAからスタートですよ。私が下のものには通達しておきます」

「うお、まじっすか?ラッキー」

 退屈な仕事ばかりじゃ飽きるかもしれないしこれはかなり有難い申し出だ。

「では書類の手続きがありますので私についてきてください」

「うっす」

 俺はギルドマスターと訓練所を後にした。

 試験の相手の3人は全員完全に伸びて地に伏していた。

「はは、やっぱ俺結構強いみたいね」

 俺はつい笑みを浮かべてしまった。

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