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ぼくの住む町
6歳の頃から
横浜の外れにある
この町にぼくは26年間住んでいる。
なんでも
どこを掘っても泉が湧き出ると言われている町だ。
ぼくの最初の思い出は
水色の家だった。
腹が痛いほど笑ったときも
くしゃみやあくびをするときも
友達と服に泥や草叢の色をつけたり
公園でかくれんぼや鬼ごっこ
どろけいや野球
サッカーやバスケをやっていたときも
なんだか分からないけれど
死にたくなるほど辛いときも
そうでもないときも
最後は
いつもこの
水色の家に帰った。
水色の家には
大好きなお父さんやお母さんやお姉ちゃんがいた。
お父さんはお仕事中で
家に居る時間は短かった。
ぼくはよく
行ったところがないところに
行くことが好きな少年だった。
今では
行ったところに
新しい何かが建っている。
リノベーションもされている。
思い出の場所やお店は
今でも残っていたり
閉店したりしている。
ぼくは
この町と人が好きだ。
23歳の時に、東京で一人暮らしをして
失敗して帰ってきてから
それから
時が経てば経つほど
愛しくなる。
ぼくには、夢がある。
たとえ、この町を離れても。
たとえ、来世のぼくになったとしても
たとえ、あの世にいっても
ぼくはこの町と共に、在る。
凛と澄んで
それから在る。




