第七十八話「信頼」
こんにちは、オロボ46です。
前回登場した旅人レンジャーの大佐ですが......隊長に名称を変更しました。急な変更ですが、ご了承ください。
今回は池の前から始まります。
それでは、どうぞ。
「バカ野郎!!」
「ッ!!」「ッ!!」
湖の前で、隊長はブォエンさんとルイさんに向かって怒鳴った。
「ルイッ!! あれほど不用意に湖に入るなと言ったはずだ!! 元にお前は、湖に住む怪物のエサになるところだったぞ!! 第一、個人的な感情で同行していた旅人を巻き込むなんて言語道断!! 学者になって弛んだのか!!」
「も、申し訳ありませんでした!!」「申し訳ありませんでした!!」
その様子を、自分とリェンさん、ソヨンさんは離れた位置から見ていた。
「なんちゅう鬼軍曹だこと......」
ギロカッ!!
「......ッ!?」
隊長が睨むと、リェンさんの姿勢が一本の木のように直立した。
「......どうしたんですか? お義母さん」
「な......なあ......ソヨン、あの鬼ぐ......隊長さんの目が音を鳴らさなかったかえ!?」
「いえ、よそ見していたんですけど......睨まれたんですか?」
「ああ、なんかこう......ギロッてしてカッって感じな......」
「漫画の擬音ですか」
「いや、本当に音で聞こえたような気がしたんよ!」
確かに、音で聞こえるような勢いだった。
「ユウさんもそう思うやろ!?」
「......それよりも、気になることがあるんですよね」
ソヨンさんは、叱られる二人を見た。
「ルイさんはともかく、ブォエンさんまで怒られる必要はあるんでしょうか......?」
「......」
その理由は聞いたことはある。
湖に潜むタコの怪物を退治した旅人レンジャーは、怪物の死亡確認や残った死体の回収などをしていた。隊長はルイさんに近づき、彼はブォエンさんを呼ぶように命令した。
ルイさんが去った後、リェンさんは隊長に尋ねた。
「どうしてブォエンさんまで呼ぶ必要があるん?」
「それが彼らの要望です」
隊長は冷たい声で答えた。
「要望って......兄弟は一心同体、だから怒られるのも一緒ということなんかえ?」
「それについては私も存じません。彼らの要望ですから」
その後、ルイさんはブォエンさんとソヨンさんを連れてきて、今に至る。
説教が終わった後、隊長は近くにいた旅人レンジャーの一人に声をかけた後、ブォエンさんとルイさんを連れて立ち去った。
声をかけられた旅人レンジャーはこちらに来て敬礼した。
「ユウさん、リェンさん、ソヨンさんでありますね! 二人から話は聞いております! 車をエンストさせたと......」
「もしかして、乗せてもらえますか!?」
「もちろんであります! 隊長からの命令でありますから! それから、レッカー車でソヨンさんの車を運ばせてもらいますが、よろしいでありますか?」
「確かに......助かるんだけどねえ......」
自分たちは、旅人レンジャーの運転するトラックの荷台に乗っていた......他の旅人レンジャーの隊員と共に。
「ちょっとむさ苦しいわあ......」
リェンさんは小さな声で呟いた。
「そうわがまま言わないでくださいよ......これで次の"バンコク"までの旅費が浮くんですよ?」
「そうやけどねえ......みんなうちに見とれているみたいやし......」
「......見ている対象はともかく、他の男性に見られるのは同情します」
周りの隊員の顔を見ると、目線はリェンさんではなくソヨンさんに向けられているのがわかった。
「お尋ねしますが、ブォエンとルイの様子はどうでありましたか?」
突然、目の前の隊員......先ほど同行することを報告した隊員が尋ねてきた。
「え......ええ......」
ソヨンさんは今までのブォエンさんとルイさんの様子を話した。
「そうでありますか! いやあ......あの二人、いきなり旅人レンジャーを辞めたもんで、どうなったのかが気になりまして......」
「......もしかして、理由しっとるかえ?」
リェンさんが話に割り込んでくる。
「ちょ......ちょっとお義母さん!? この場で聞くのはさすがに......」
「ああ、その話だったら隣の彼が知っているであります」
そう言いながら目の前の隊員は、寝ている隣の隊員の肩をつついた。
「ん......? なんだ......?」
その隊員は目を擦っていたが、隣に耳打ちするとこちらをみた。
「ああ......あの二人は......親の仇を取ると言っていたな......」
思わず自分たちは互いに目を合わせてしまった。
「それは......本当なんですか?」
「ああ、なにやら仇の手がかりを手に入れるためだとか......」
「それが学者と関わりがあると?」
「そうとしか考えるしかないだろうな......俺たちはこれ以上知っていることはない......だから、今あいつらがどうしているのかが正直気になっている」
目の前の隊員が頷いた。それと共に、他の隊員がこちらを見た。
「我々は同僚でありながら、二人の事は信頼しているであります! だからこそ、二人が部隊を辞めた理由が気になって気になって眠れないであります! もし何か解れば、連絡をお願いするであります!」
いかがでしたか?
彼らの反応から、二人はかなりの信頼を持っていたようですね。
次回もお楽しみに!




