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超能力旅人ユウ 七つ目の大陸に最も近い旅人  作者: オロボ46
第二章「己の力の謎と七つ目の大陸を追い求める旅人」
75/80

第七十五話「疾走山道」

 お久しぶりです、オロボ46です。

 随分間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。一週間前から今までのストーリーの確認を兼ねてカクヨムへの転載を初め、下書きが追い付いたのでこちらの連載を再開します。(カクヨムで公開しているのは現段階十九話です)

 今後も間が空くこともあるかもしれませんが、ご了承ください。


 今回はハノイを立ち去ったところからです。

 それでは、どうぞ。

 雨音が聞こえて目を覚ました。ハノイから立ち去り、次の目的地であるシンガポールに向かう途中で、自分は眠気に誘われて眠ってしまったようだ。


 窓を見てみると、雨が降っていた。窓には大量の雫が重力によって下に吸い込まれて行くのが見え、前方の窓はワイパーと呼ばれる棒のようなものが雫を取り除いている。

 周りの木や崖を見ていると、今は山の中を通っていることが理解できた。

「ねえルイさん、他に面白い話ないん?」

「先生......勘弁してくれよ......もうネタ切れなんだよ......」

自分が寝る前、退屈そうにしていたルイさんが今までの思い出話を始めたような気がする。その時はリェンさんは面白くなさそうな顔をしていたが、この様子だと面白かったのだろうか。

 ブォエンさんは口を開けて熟睡しており、ソヨンさんは特に変わらない様子で運転を続けている。

「それにしてもソヨン、もう少しハノイでゆっくりしていてもよかったんじゃあないかえ? うちはショッピングとか楽しみたかったんやけど......」

「忘れたんですか? ユウさんを狙う者はどこからでも我々を見ることが出来るかも知れないんですよ? 一刻も早く目的を果たさないと......」

ソヨンさんがため息をつくと同時に、ブォエンさんの瞼が開いた。


「ねえルイ......なんか......匂わない......?」


 ブォエンさんの言う通り、確かに匂いを感じる。土や木が混じったような匂いだ。

「......確かに匂うが......なんだか嫌な匂いだな......」

「......!! なんやろ......あれ......」

リェンさんが窓の外を指した。

「......!?」「なんだあれ......!?」


 山の斜面を、ネズミの怪物の大群がかけ降りて来る!! それと共に、何かが崩れる音が聞こえ初めて来た......




 突然、車はスピードを上げた。

「ちょちょちょ!? ソヨン!! スピードを出しすぎだよ!?」

「ノロノロ走って巻き込まれる方がいいんですか!!」

自分はカーブミラーを覗いた。後ろの道は土と木が混じった何かに飲み込まれていた。

「......!?」

「なんでいきなり土砂崩れが起きるんだよ!!」


 やがて、前方の道にネズミの怪物の大群が現れた。

「邪魔っ!!」

ソヨンさんの運転する車はネズミの怪物を撥ね飛ばして行く。窓には大量の赤い血液と肉のような何かが付着し、それをワイパーが雫と共に払い退ける。

「......うっぷ」

「あ、兄貴!! これを使え!!」

ルイさんは袋を取りだした。それを受け取ったブォエンさんは袋の中に口を入れて吐いた。


 ......!!

「ソヨン!! 前の道も土砂崩れが!!」

「そんなことわかってます!!」

そう言ってソヨンさんはさらにアクセルを踏み込んだ。

「おいおい......まさか......」

「ユウ!! 力を貸して!!」




 ソヨンさんはハンドルを左に切り、車は崖に向かって落ちた。時々木にぶつかるものの、自分は車の前に見えない壁を張り続けて難を逃れた。




 下りきった先の道に合流し、車は進み続けた。しかし、山の麓まで来たところで車が突然停止した。


 ソヨンさんは車から降り、ボンネットを開いた。

「駄目だわ......エンストしている......」

「なあ、土砂崩れはもう大丈夫か?」

ルイさんも車を降りてソヨンさんに訪ねる。

「ここまで来たら大丈夫でしょう。しかし......困ったことになりました」

「......これは酷いな。丸一日はかかるぜ」

「仕方ありません。今日は野宿する必要がありますね......」


「はあ......こんな時、白馬の王子様が助けに来たらええのにねえ......」

リェンさんは車の中でため息をついた。ブォエンさんはすっかり気を失っている。

 自分は何気なく外を見た。窓には相変わらず、大量の雫が付着している。野宿することになっても、退屈な移動時間とはあまり変わらないような気がする......


「だ......大丈夫ですか!?」


 ソヨンさんの声に、思わず自分も車を降りてしまった。

 車の前に、一人の男が倒れていた。着ている軍服は赤く染まっている。

「......」

「!! この軍服は......!! ユウちゃん!! すぐに治してくれ!!」


 自分は男の傷を、治さなかった。もう既に動かないことがわかったからだ。




「......血の跡が向こうまで続いているな」

そう言いながら、ルイさんは歩き始めた。

「ちょっと待ってください!! 危険ですよ!?」

「ああ、わかっている......だが、こいつが所属している組織に借りがあるんだ」

「だからと言って......!」

ソヨンさんがルイさんを止めようとしていると、先ほどまで気を失っていたブォエンさんが車から降りた。


「!! なぜ......"旅人レンジャー"が......?」

ブォエンさんは男の軍服を見つめ、ルイさんを見た。


 いかがでしたか?

 次回もお楽しみに!

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