第七十話「リメイク」
こんにちは、オロボ46です。
今回はシャンハイを立ち去ったところから始まります。
それでは、どうぞ。
翌日、自分たちは車に乗り込んでシャンハイを後にした。
「さて......次はどこに向かうんだったかねえ......」
リェンさんが地図を広げながら呟く。
「今向かっているのは"ホンコン"ですね。今後は気候も変わってくるので、それに向けての準備をしないと......」
ソヨンさんの言葉を聞いて、自分は気候のことを思い出す。オセアニア大陸はかなり南にあるため、こことは大きく気温が違うだろう。
「そういえばよ、ユウのそのパーカー......そろそろ替えた方がいいんじゃないか?」
......!!
「言われて見たらそうだねえ......結構灰色になってきているし、それに袖が裂けているじゃないか」
......この袖はペキン付近の遺跡で殺し屋に切られた時に裂けてしまった。それでも、自分はこのパーカーを替えたくなかった。
「......そんなに思い出深い服かえ?」
すぐに頷く。するとブォエンさんが何かを思い付いたように手を叩いた。
「......ルイ、それだったら......」
「......そうか!! その手があったか! なあユウちゃん、リメイクするってのはどうだ?」
リメイク......? 首を傾げていると、ソヨンさんが説明を始めてくれた。
「簡単に言えば、作り直すってこと。使わなくなった服を使ってバックとかアクセサリーとかにするのよ」
「ユウさんはどんな感じがええかえ?」
自分は、出来れば身につけるものがいいと伝える。
「身につけるものねえ......せっかくフードがついているんだから、それを生かせるものがええねえ......」
「だったら、こういうのはどうだ!? なあ兄貴、......というの!」
「......いいんじゃない?」
そう会話している内に、ホンコンが見えてきた。
「......」
「それじゃあ、私は先にブォエンさんと共に買い出しに行ってきます」
「ああ! こっちの方はうちとルイさんに任せとき!」
ホンコンの公園でリェンさんがそう言うと、ソヨンさんとブォエンさんは立ち去った。
「それじゃあユウちゃん、それを俺たちに渡してくれるか?」
自分はパーカーを脱ぎ、ルイさんに渡す。その後、パーカーはリェンさんとルイさんの手によって姿を変えていく......
出来上がった物を自分が試着してみる。かつてパーカーだった物は、フードの付いた短いマント......"ケープ"に変わっていた。裂けてしまった袖は、アームウォーマーになって、今は自分のリュックサックの中に入っている。
「うんうん! かなり似合っているよ!! 手間かけた甲斐があったねえ!」
リェンさんは満足そうに頷いている。
「そのフード付きケープなら、砂漠などでも影を作れる。アームウォーマーは薄着を来ている時に使うといいぜ。肌を露出していたら虫に食われたり日焼けしちまうからな」
ルイさんの説明を聞きながら、自分はケープを着た状態で動いてみた。今まで着ていたパーカーよりも動きやすく、少し涼しい気がした。
「よし、それじゃあ兄貴たちに連絡するか!」
そう言いながらルイさんはスマホを操作し、耳に当てた。スマホから呼び出し音が流れたまま、少し時間が立つ。
「おかしいな......兄貴が電話に出ないことは滅多にないはずだが」
......?
「どこかにスマホを落としているんじゃないのかえ? せっかくだから、先に服の方を買いに行こうかねえ」
「......そうだな、きっと兄貴たちもそこに向かっている頃だろう」
公園を立ち去るリェンさんとルイさんを追いかけて、自分は歩き始めた。
一瞬、聞きなれた叫び声が聞こえたような気配を否定して......
「なあ、これうちに似合って......」
「似合ってない」似合ってない。
「......二人そろって否定せんでいいのにねえ」
服屋の試着室で、リェンさんの頬が膨れた。
「先生......いくらなんでもミニスカートはないだろ......個人的な趣味ならともかく、そんな格好じゃあ虫に食われるぞ?」
「うちは冗談のつもりで言ったのにねえ。せめてお世辞でも言ってくれればいいのに......」
そう言ってリェンさんはカーテンを閉めて、着替え終わると不機嫌なまま立ち去ってしまった。
「ちょっと真面目に言い過ぎたか? まあすぐに戻ってくるだろう。それじゃあ次はユウちゃんの番だな」
ルイさんの言葉を聞いて、自分は選んだ半袖Tシャツを手に試着室に入った。
「おい! こんな事を繰り返しても意味ないだろ!?」
服を脱ぎかけて、慌てて手を止めた。試着室の外を覗くと、服屋の入り口が見える。その先には......ルイさんが倒れている!!
「そうかい? 人質を取って実験体から来てもらう......最高な作成だろ?」
「こんな回りくどいことしなくても、実験体だけを拐えばいいだろう!?」
......
「わかっていないな。実験体の力は未知数だ。君ももう少し頭を使いたまえ」
「そういうところがまどろっこしいんだよ!! パッて襲ってパッと殺っちまえばいいだろ!?」
......今、自分は倒れているルイさんのそばにいる二人の殺し屋の目の前にいる。
「はあ......これだから素人は」
「何だよ!? 喧嘩でも売る気かあ!? このガリ勉野郎!!」
......
「......」「......」
二人の殺し屋と目が合った気がした。
しかし、もう自分はルイさんを引きずって移動し、二人が微かに見えるところまで来ていた。二人が言い争いしている間に......
いかがでしたか?
ルイさんはなんとか救出しましたが......なぜ二人の前で倒れていたのでしょうか?
そして、ソヨンさんとブォエンさん、リェンさんはどこに行ってしまったのでしょうか?
次回もお楽しみに!




