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超能力旅人ユウ 七つ目の大陸に最も近い旅人  作者: オロボ46
第二章「己の力の謎と七つ目の大陸を追い求める旅人」
68/80

第六十八話「堂々巡り」

 お久しぶりです。オロボ46です。

前回から一ヶ月以上更新が止まってしまい、申し訳ありません......


 今回は竹林の地下から始まります。

それでは、どうぞ。

「穴を掘って来た......の......?」

車の後方にあるパンダの怪物の手を見て、ソヨンさんは力なく呟いた。

「とにかく、止まっていたら危険だねえ! ソヨン!! 早くアクセルを!!」

リェンさんの言葉に従い、ソヨンさんはアクセルを踏み、車を走らせる。


「......でも、もしももう一匹が穴を掘ったらどうしますか......?」

ソヨンさんはすっかりパンダの怪物に怯えてしまっているようだった。

「その時はまたブォエンさんに道を作ってもらうしかないねえ! ソヨンは気にせずに走ってもらうしかない......」

「......あ......あの......」

後ろで頼りない声が聞こえた。振り替えると、後ろの席でブォエンさんが針の道具をこちらに向けていた。その道具のスイッチは、三分の一しか光っていなかった。


「......こ......これ......あ......あと一回しか......使えなさそう......です......」




 ブォエンさんの説明によると、その道具は三回しか連続で使えず、スイッチが光っていない状態だと押しても反応しないそうだ。時間が立つと、また使えるらしいが......


「......さ......最後に使ってから......一時間経たないと使えないんです......」

ブォエンさんの言葉で、一瞬ソヨンさんが失神しかけた。助手席のリェンさんでさえも顔色が悪くなっている。

「......だ、大丈夫よえ!! 怪物は二匹だけ!! どうせ匂いで場所を特定しているだけだし、行き先に手で塞がれるという最悪な状態には......」


ズボッ


「......ぁぁぁぁあああああああっ!!!」

突然、奥に怪物の手が現れた。ソヨンさんとタイヤの悲鳴と共に車は急停止した。......怪物の手の直前で。




「......最悪な状態が......起きちゃったねえ」

パンダの怪物の手は、探るように動いている。

「......」「......」

「ブォエンさんはともかく、ソヨン、あんたまで黙ってしまうんだね......」

「他にどうすればいいんですか......もしも、こいつが二匹だけじゃなく......」

「他にも怪物がいたら、ブォエンさんの道具が使えない状態で追い詰められてしまう......というんだろ? そんなことない......って言いたいけど......」

それからリェンさんも黙ってしまう。


 その後も沈黙だけが続き、全方の手だけが近づいてくる......




 沈黙が続いたところで、何が起きるというのだろうか? 三人は余計なことを考え過ぎて思考が停止している。だけど、自分にはある作戦を思い浮かべていた。


 最悪な状況まで考えているなら、最悪な状況を基準に想定すればいい。




「......本当に、何が起きても大丈夫なんやね?」

ブォエンさんから笛を浮け取ったリェンさんに対して、自分は頷く。車は前方の怪物の手よりも後ろに下がっている。

「......準備はできました。ブォエンさん、大丈夫ですね?」

「......は......はい......!!」

ソヨンさんの声を聞いて、ブォエンさんは扉を開けて針を地面に突き刺した。前方の怪物の手が空いた穴が緩やかな坂となり、車の後ろにも坂が出来る。


「二人共!! 準備はええね!!」

「行きます!!」自分は頷く。


 ソヨンさんはアクセルを踏み込み、怪物の手に向かって車を走らせる。それに合わせてリェンさんは笛を吹くと、怪物の手は拳を握り、こちらに向かってつきだそうとした。それに合わせて自分は車の前に見えない壁を張った。

 アオヒコさんと共にバイクに乗っていて、爆発で打ち上げられた後に見えない壁を張ろうとした時、自分ではなくバイクの前に見えない壁が張られているのを思い出す。


ガギィン!!


 思った通り、車の前に張られた見えない壁が、怪物の拳を受け止める。その勢いで車は後ろに走って行き......




 後ろにできた坂により、車は地中を飛び出して宙を舞う。怪物の脇もすり抜け、地面に落下し始める。




「ユウ!! もう一回!!」


 ソヨンさんの声に合わせて、自分はもう一度見えない壁を張った。それと同時に座席を掴むのを忘れなかった。

 ......ッ!!

 着地の衝撃を見えない壁に守られながら、車は着地する。それと同時にソヨンさんはアクセルを踏み込んだ。





「......やった!! やったんだねえ!!」

竹林を抜けた時、助手席でリェンさんが双眼鏡で後ろの様子を覗きながら叫ぶ。

「ユウ!! あなたのお陰よ!! 私たちが余計なことを考えているときにも、あなたは冷静に対処して呼び掛けた......あなたがいなかったら......」

ソヨンさんは泣きそうな声で話しかけてきた。自分は頭痛が起きているので、頷くことしかできなかった。

 横でブォエンさんは申し訳なさそうに頭を下げた。

「......すみません。僕が......何も出来なかったせいで......」

そんなことはないはずだ。ブォエンさんが自分の注文した通りに空間を作ってくれなかったら、成功しなかった。そう伝えたかったが、今は頭痛でできない......


「ちょっと待ち! また怪物が足を上げた! ここはまだ揺れる範囲だよ!!」

......え?




 気がつくと、車はすでにシャンハイにたどり着いていた。どうやら、また屋根に頭をぶつけて、気を失ってしまったようだ。

 いかがでしたか?

もう次回分は出来ているので、今回みたいに間が空くことはないと思います。


 次回もお楽しみに!

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