第六十七話「地下へ」
こんにちは、オロボ46です。
今回は竹林の中から始まります。
それでは、どうぞ。
「ユウ! あいつが足を上げたら踏ん張るんだよ!!」
ジャイアントパンダ......の怪物は二足歩行で右足を上げようとしていた。自分はリェンさんと共にしゃがんで地面の土を掴んだ。
その目の前に熊の怪物が現れる。熊の怪物は動かないこちらを見て手を上げる......
ズシイイイイイイインンンンンンンン......
地面に強烈な揺れを感じた。自分たちは地面に踏ん張っていたのでよかったが、熊の怪物はバランスを崩して後方に倒れた。
「今!! 走るんよ!!」
リェンさんの声に合わせて立ち上がり、熊の怪物の腹を踏みながら走り出す。
「......!! またくるよ!!」
再び地面に踏ん張る。
ズシイクチャイイイイイインンンンンンンン......
その足音の中に、肉が潰れた音が混じっていたような気がする。
「あの怪物は......普段は干物のような姿をして体力を温存している。しかし、水を受けると膨らみ、本来の大きさとなってから移動を始めるんだよ......足は遅いけど、震動だけには気を付けるんだよ!!」
「お義母さん!! ユウ!! 急いで!!」
車の窓からソヨンさんが叫ぶ。自分たちはすぐに車に乗り込むと、リェンさんが双眼鏡を取り出してパンダの怪物を見た。
「......!! また足を上げてる!! みんな、しっかり捕まるんだよ!!」
車の中にいる全員が、座席のどこかを掴んだ。
ズシイイイイイイインンンンンンンン......
車が揺れ、震動が手に伝わってくる。
「よし!! みんな無事やね!! ソヨン!! 距離も離れているからアクセル全快に......」
ズシイイイイイイインンンンンンンン......
......!?「ぬぐっ!?」「うわっ!?」「えっ!?」
自分は座席を掴むことができず、体が浮かび上がり、車の屋根に頭をぶつけてしまう。
「ユウ!? 大丈夫!?」
自分が頭を押さえていると、ソヨンさんがこちらを向いて尋ねた。どうやら他のみんなは踏ん張ることができたらしい。
「おかしい......どうして怪物が一歩踏んだ後のもう一歩が早いのかしら......お義母さん、あの怪物......」
「......」
「......」
リェンさんとブォエンさんは口を開けたまま何も言わずにフロントガラスを眺めていた。ソヨンさんも同じように、フロントガラスに写っているものを見て黙ってしまう。
目の前にパンダの怪物の足元が立ち塞がっていた。自分たちが逃げていたパンダの怪物とは別の怪物......そう、二匹目だ。
「......!!」
突然、ブォエンさんが車の扉を開けて飛び出した。
「ブォエンさん!? 外に出たら危険ですよ!?」
ソヨンさんの叫びを無視して、ブォエンさんは何かを取り出す。
「......!! 一匹目が足を上げたよ!!」
双眼鏡で後ろにいる一匹目を観察するリェンさんの声を聞いて、自分とリェンさんとソヨンさんは衝撃に備えた。
前の座席を掴む自分は、窓からブォエンさんを見た。
ブォエンさんの手にあるのは、タケマルさんから受け取った"スイッチのついた針のようなもの"だった。それをブォエンさんは地面に刺し、スイッチを親指で押した......!
その瞬間、地面に穴が空き、車とブォエンさんはその中へと入って行く。自分は座席をしっかり掴み、屋根に頭をぶつけないようにした。
暗闇の中、光が車の中を照らす。ソヨンさんが車の明かりを着けたようだ。
「......ブォエンさんはどこいったんだい?」
リェンさんが呟くと、突然扉が開いてブォエンさんが入ってきた。
「......す......すみません......か......勝手に飛び出して......」
「それよりもブォエンさん、何が起きたんだい?」
「......こ......これです......」
ブォエンさんはスイッチのついた針のようなものを自分たちに見せ、説明を始めた。
その針は、地面に空間を作り出したり、構造を自由に変える力があるらしい。使い方は、地面に針を刺して空間をイメージしながらボタンを押すだけ。ボタンを押した人物のイメージした通りの空間ができるらしい。
自分は人面サソリのいた洞穴を思い出した。落とし穴の下は、あの人がその道具を使って作ったのだろう......人面サソリのために。
「その道具で穴を作り、うちたちが落ちた後に穴の天井を塞ぐ......よく考えているねえ」
車の外の壁を眺めながらリェンさんが呟く。
「でも、これからどうするんですか? このままじゃあ窒息してしまいますよ?」
ソヨンさんが周りを見渡して呟いた。
「......ちょ......ちょっと待ってください」
ブォエンさんは再び車の外に出て、針を地面に突き刺した。
車の目の前の壁が奥へと移動し、道ができた。
「よしっ! これなら怪物のいない場所まで地下を移動できるねえ!」
ズボッ
謎の音が聞こえて、自分は振り返った。
車の後ろにあったのは......パンダの怪物の手だった。
いかがでしたか?
脱出の糸口が掴めたと思えば......まだまだ危険は去っていないようですね。
次回もお楽しみに!




