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超能力旅人ユウ 七つ目の大陸に最も近い旅人  作者: オロボ46
第二章「己の力の謎と七つ目の大陸を追い求める旅人」
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第六十二話「無数の傷」

 こんにちは、オロボ46です。

今回はペキンを離れるところから始まります。


 それでは、どうぞ。

 リェンさんの薬屋で男性と別れた翌日、自分たちはソヨンさんの運転する車に乗り込み、ペキンを後にした。

 窓の外の平原が過ぎ去って行く。ソヨンさんの話だと、しばらく平原が続くそうだ。

「双子の学者......彼らは本当に"シャンハイ"にいるんですか?」

ハンドルを握るソヨンさんがリェンさんに訪ねる。

「ああ、二人は昨日ペキンを出発した。あの男性の話だと車で行ったらしいから、今頃はシャンハイにつく頃だろうねえ」

リェンさんは助手席で窓の景色を見ながら、何かをいじっている。

「でも......私たちがついた頃には......」

「心配ないよ。あの男がスマホで二人に連絡してくれてねえ、しばらく待ってくれるみたいだよ」

「そうなんですか......ところで、何をしているんですか?」


 よく見てみると、リェンさんの手には棒のような物があった。

「これを実戦で使うのは久しぶりになるからねえ......ちょっと調整しているんだよ」

「それって、私が数年前に勧めた"物干根(ものほし根)"じゃないですか! 久しぶりってことは最近使わずに旅していたんですか!?」

驚くソヨンさんに、リェンさんは「そうよえ」と軽く返した。

「私が勧めた理由、わかってます? 怪物に襲われた時はどうしていたんですか......」

「使ってないのは実戦だけよえ。ちゃんと練習はしているから、腕は落ちていないんよ」


 自分は、その物干根という武器について尋ねてみた。

「ユウさん、"西遊記"は知っているかえ?」

名前だけは聞いたことがある。かなり有名な話らしいが、自分は実際に見たことがない。

「お坊さんがお供と共に天竺(てんじく)......つまり"インド"に向かうお話だよ。そのお供の中で、猿の妖怪......"孫悟空"が使っていた武器が"如意棒"なんだ。如意棒は持ち主の術で自由に伸び縮みができるんだよ」

その如意棒と物干根の関係は?

「物干根の元になった......洗濯用の物干し竿はねえ、最近の物なら自由に長さを変えれるんよ。それをヒントにして作られたらしいねえ」


 その物干根をよく見てみると、先端に刃物のような物が付いているのが見える。

「これはソヨンが付けてくれたんよ」

リェンさんは少し唇を緩ませながらソヨンさんを見た。

「私が実際に取り付けたわけじゃないの。ただ、買う時に追加でパーツをつけられるから、刃物を頼んだの。いわゆるオプションってやつね。護身用だからこのぐらいがちょうどいいの......」

「ソヨン!! ちょっと止めてくれんかえ!?」

「......!!」

ソヨンさんは速度を落として車を止めた。


 前方に血まみれの小さな人影が見えたからだ。




 ソヨンさんを車に残し、自分とリェンさんは人影に向かって走った。

「......お父さん......お父さん......」

血まみれの人影を近くで見てみると、涙を流している幼い少女だった。

「ねえ、お嬢ちゃん? 大丈夫かえ?」

リェンさんが落ち着いて少女の目線を合わせて話しかけても、少女は「お父さん......」としか繰り返さない。まるで自分たちの存在に気づいていないようだ。

「......!! こりゃ......大変そうだね......」

その少女の胴体には、いくつかの切り口が空いている。

「お嬢ちゃん、痛くないかえ?」

少女は質問には答えない。まるで何かしらのショックが痛みをかき消しているようだ。

「動かしたら危険だねえ......それでも、ここでこの数の傷を治すには......」

リェンさんに傷は自分が治すと伝える。

「......ユウさん、できるんだね?」

自分は頷き、少女の傷に手を当てた。


 はらわたが見える傷や肺に木の枝が貫通する傷ほど疲労することなく、少女の傷は楽に治すことが出来た。




「お嬢ちゃん、傷は治ったよ。もう大丈夫だからねえ」

少女は驚いて体を見て、次にこちらの存在に気づいたように見つめてきた。しかし......

「......お父さん」

再び泣き出してしまった......

「ねえお嬢ちゃん、ちょっと聞くけど......お嬢ちゃんのお父さん......どうしたん? もしかしたら......うちたちが力を貸せるかもしれんよ?」

リェンさんの声を聞いて、少女はゆっくりと指を指した。その方向は、自分たちが向かっている方向だった。


「ユウさん、悪いけどこの子を連れていっていいかえ? せめて、安全な街まで連れていきたいんよ」

自分は問題ないと伝える。もし力が貸せなくても、安全な街まで連れて行くだけならなんとかなるだろう。

「お嬢ちゃん、とりあえず安全なところに行こうねえ」

リェンさんは少女の手を優しく手を差しのべる。


 少女は先ほどと同じ言葉を繰り返しながら泣きつつ、リェンさんの手を握った。

 いかがでしたか?

次回もお楽しみに!!

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