第四十九話「ヘリコプター」
こんにちは、オロボ46です。
間があまり空きませんでしたが、今回から第二章となります。それに会わせてサブタイトルなども変えました。
それでは、どうぞ。
朝日に照される平原。その中を、自分はカリヤさんと共に歩いた。風が吹き始めるころに、少しだけ立ち止まってパーカーのフードを下ろして風を受けてみる。
「......ユウさん、もう見えてきましたよ」
カリヤさんの指す方向を見ると、街が見えた。自分はフードを被り、再び歩き始める。
目の前にある"フクオカの街"......そこからヘリコプターに乗り、"ブザン"まで渡り、目的地である"ペキン"まで歩いて行く......これはカリヤさんの提案だ。
自分がペキンの街まで行くつもりだと、カゴシマの街でカリヤさんに伝えた時、カリヤさんは一緒にフクオカの街まで行かないかと提案してくれた。カリヤさんが言うには、ちょうどそこまで荷物を運ぶ依頼を受けていたため、そのついでに見送りに来てくれることになった。
それにしても、なぜヘリコプターなのだろうか?
フクオカの街のハンバーガー店で、自分はカリヤさんに聞いてみた。
「エヒメの街でフェリーに乗れたのは、フェリーがあそこの海域に出没する怪物に合った装備をしていたからです。フクオカの街とブザンの間にある海域に出没する怪物には、対抗する手段がないんですよ」
そう言いながらカリヤさんはフライドポテトを一本つまみ、口の中に入れる。カリヤさんの前にはフライドポテトの箱が九つもある。
二人だけだということを除けば、ヒョウゴの街の時とほぼ変わっていない。そんな思いをハンバーガーと共に飲み込みながら、自分は飛行機のことをカリヤさんに伝えた
自分が研究所にいたころ、好きだった冒険小説で見たことがあったからだ。その小説はあの人と共にカゴシマの街の洞穴に置いてきてしまったが......
「確かに、昔には飛行機と呼ばれる乗り物がよく飛んでいたらしいですね。しかし、怪物が現れてからは復興を優先させるために飛ばさなくなりました。それが落ち着いた今では飛んでいるところもありますが......かなり高いですよ?」
それを聞いて、自分は首を振った。
その後、自分たちはヘリポートの近くにある銀行に立ち寄った。ここまで使っていたお金は、ブザン以降の街では使えないため、ここで共通の通貨に両替するらしい。
「旅人が街を巡るようになってから、通貨の違いの問題が大きくなりました。それを解決するために、どの街でも使える共通の通貨......"ジー"が現れました」
両替の手続きをしている間、カリヤさんが説明してくれた。
やがて銀行の職員から渡されたのは、今まで使っていた通貨とは違うデザインの通貨である"ジー"......と手帳のようなものだった。
「それは預金通帳。銀行にジーを預ける時に必要になります......少し練習しますか?」
自分はATMと呼ばれる機械で、今さっきもらったジーを預けてみた。何回かやり直しになったものの、なんとかお金を入れることができた。
ヘリポートに来た時、カリヤさんはこちらを見て話しかけてきた。
「ユウさん......くれぐれも詐欺には気をつけてくださいね」
自分はその言葉を肝に命じ、カリヤさんにお礼を伝えた。
「これはサービスですから......」
そこまで言って、カリヤさんは後ろを振り返った。
「......いえ、違うかもしれない......ただ......なんと言うか......言葉で言われるのは嫌っていたけど......やること事態はそんなに嫌いじゃなかった......のかなぁ......」
......
「......すみません、不謹慎なことを言って......とにかく、気をつけてください」
それだけを言って、カリヤさんは歩き始めた......
「あの、ユウさん!」
?
「オオイタの街付近の森では......お世話になりました」
そして、すぐに立ち去った。
......!?
後ろから声が聞こえたので振り替えってみると、老婆が立っていた。着ている服装のせいなのか、あの人よりも少しだけ若く見えるその老婆は、去りゆくカリヤさんを見ながら何かを喋っている......
......全然わからない。
まるで違う言語を言っているようだ......
ヘリコプターを待つ間も、老婆はこちらに向かって喋り続けた。時々、こちらの顔を覗いていたり、色気あるポーズを取っていたりしていたが、何を言いたいのかさっぱりわからない。
その内、ヘリコプターがやって来た。
ヘリコプターに乗り込んで、自分は窓の外を覗いてみる。地面から離れていくのが見えた。一瞬もう後戻りは出来ないような気持ちになるが、後戻りしたところで何もないと気づく。
自分は......旅人として......ペキンに向かうのだから......
キーン
!?
突然、耳鳴りがした。耳に痛みはないが、周りの音が聞こえない......
耳鳴りはすぐに収まった。さっきのは一体なんだったのだろうか......
「あんただよ! あんた!!」
!?
声のする方を向いた。その方向では、違う言語で喋っていた老婆が......
「なんだい! さっきから無視ばっかりしておって......」
自分の知っている言語で話していた......
いかがでしたか?
今回登場した「ジー」という単位ですが、RPGでよくあるお金の単位"G"から取りました。
次回もお楽しみに!




