第四十六話「なぜ」
こんにちは、オロボ46です。
前回に引き続き、今回も洞穴の中から始まります。
それでは、どうぞ。
ゴキッ!!
「ギャアッ!?」
高さは少し低かったためか、自分はなんとか着地することができた。しかし......
「さっき、骨の折れる音がしたぞ!? みんな大丈夫か!?」
「私は大丈夫です」
自分もタケマルさんに大丈夫だと伝えた。
「アオヒコ!! 君は......」
「......ぐ......ぃ......」
タケマルさんが懐中電灯の光をアオヒコさんに向けると、アオヒコさんは右足を押さえて苦痛の表情を浮かべていた。
「ユウ!! すぐに彼の治療を!!」
自分は頷き、アオヒコさんの右足に手を近づけようとした。
「サキコぉ......しばらくお腹を透かせてすまなかったのう......」
サカノさんの声が洞穴の中に響いた。
「......!?」
タケマルさんが上に向けた懐中電灯の光は、上からこちらを覗き混んでいるサカノさんの顔を照らした。
「......今まですみませんでした」
そう言い残してサカノさんは顔を引っ込めた。
「ふざけんじゃね......いっ......!!」
アオヒコさんは立ち上がろうとしたが、すぐにしゃがみこんだ。まだ治療は完全には終わってないため、痛みでしゃがみこんだんだろう。
「......くそっ、あのジジイめ!」
それでもアオヒコさんは再び立ち上がろうとしたのを止めたのはカリヤさんだった。
「落ち着いて! とにかくまずは骨折した足をなんとかしないと......」
ドスン
「!?」「!?」「!?」!?
ドスン
「ま、まさか......」
震える手で、タケマルさんは音のした方角を懐中電灯の光で照らした。
「ワアァ......ヒサイブディノォ......ゴバンダアァ......」
目の前に現れたのは、サソリの怪物......のような怪物だった。逆さまの少女の顔が、サソリの怪物よりも異様に大きい口と合体している。
人面サソリの怪物は、その大きな口で笑顔を使った。
「イィダアダアギィマアズ......」
カリヤさんはすぐに矢をボウガンに装填し、引き金を引いた。矢は懐中電灯の光の中を進み、怪物の目に向かっていた。
しかし、矢は怪物に刺さることなく、地面に落ちた。人面サソリの怪物は、ゆっくりと瞼を開けている。
「とにかく逃げるぞ!!!」
タケマルさんは懐中電灯をこちらに渡すと、まだ骨折が治っていないアオヒコさんを背負い、怪物とは逆方向に向かって走り始めた。自分とカリヤさんも共に後を追う。
「ネエ......マッデヨオオォ......」
後ろから人面サソリの怪物が足音を立てて追いかけてくる。先頭を走る自分は振り向いて怪物を燃やしたくなるが、後ろに懐中電灯を向けると前が見えなくなる恐れがあった。
「ハア、ハア、くそっ! 元気がいい怪物だな!」
「タケマルさん! 前にもあの怪物と出会った時に、死体をうまく使って逃げ出したって言ってましたよね!?」
「確かに言った!! しかし、あの時は死体があったからこそ助かったんだ! 今回は骸骨以外死体は見当たらない!!」
確かに、懐中電灯が照らす道には骸骨が錯乱している......
......なぜ、自分はよそ見をしてしまったのだろう。
自分は骸骨に躓いてしまった。そのまま地面に向かって倒れると、後ろのカリヤさん達が乗り掛かる感覚があった。
急いで立たなければ......しかし、カリヤさんたちの体重で身動きが出来ない。
「......うああああああああ!!?」
アオヒコさんの悲鳴が響いた。
「アオヒコ!?」
「そんな......」
タケマルさんとカリヤさんが退いてくれて、自分は立ち上がり、後ろを振り向いた。
人面サソリの怪物がハサミでアオヒコさんを摘まみ、口を大きく開けていた。
「ユウ!! 何をするつもりだ!?」
自分は人面サソリの怪物を睨みながら走った。
「......ナンカアヅイナァ......マァ......イイヤァ......」
怪物は燃え上がることもなく、大きな口でアオヒコさんを噛み千切ろうとした。
「ぁ......ぁぁ......ユウ......助けて......」
自分はなんとかアオヒコさんの右肩を掴んだ。
「ユウ!! よせ!! 早く逃げるんだ!!」
タケマルさんの言葉を無視し、自分はアオヒコさんを引っ張った。しかし、怪物の力は強く、なかなか引き寄せることが出来ない。
怪物の歯が、アオヒコさんの体に触れそうになった。
「ユウ......俺......死にたくねえ......世界を......巡りた......い......」
「ギィヤアアアアアア!?」
突然、怪物の口の中に人型の炎が現れたかと思うと、怪物は自分たちを投げ飛ばした。
「アヅイ......アヅイヨウ......アヅイヨオオオオオオオオオオオオ!!!」
人面サソリの怪物は目から水を飛ばしながら、自分たちとは反対方向に逃げて行った。
「......」「......」
タケマルさんとカリヤさんは呆然としながら怪物の後ろ姿を見ていた。自分は一息つき、アオヒコさんの骨折の治療を......
......なぜ、あの時自分はよそ見をしてしまったのだろう。
......なぜ、あの時自分はよそ見をしてしまったのだろう。
......なぜ、あの時自分はよそ見をしてしまったのだろう。
なぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろうなぜあの時自分はよそ見をしてしまったのだろう
あの時転んだことを何回も考えても、右半身しかないアオヒコさんは動かなかった。
......
......次回もお楽しみに。




