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超能力旅人ユウ 七つ目の大陸に最も近い旅人  作者: オロボ46
第一章「力を持ちながらも怪物が溢れる世界でたださまよい続ける冒険者」
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第四十一話「楽しそうな夢」

 こんにちは、オロボ46です。

今回は森の中から始まります。


 それでは、どうぞ。

 右胸が木の枝に刺さったカリヤさんは、目を見開いたまま、口を開けて酸素を取り込もうとしていた。

「カリヤ!! まさか肺に刺さったのか!?」

タケマルさんが呼び掛けるものの、カリヤさんは口を動かすことしかしなかった。声が出ないのだろう。

「ああ......せっかく考えた作戦だったのに......」

「おい!! 怪物フェチ野郎!! 少しは空気詠めよ!!」

カリヤさんを無視して落とし穴の前でうなだれる白衣の男に、アオヒコさんは怒鳴った。

「空気詠めって言ったって......空気を詠んでいないのは君たちじゃないか」

そう白衣の男が言った瞬間、アオヒコさんは白衣の男の胸ぐらを掴んだ。

「お前人の命よりも怪物のほうが大事なのかよ!! ああ!?」

「ああそうだよ。僕は怪物の力の研究に長年注いでいたんだ。それに、どう見たって助かるはずがないじゃないか......」

「助からない? そんなはずはねえ!」

そう言ってアオヒコさんは白衣の男を殴った。と同時に、タケマルさんが顔を上げた。

「そうだ!! 確かに助からないと決まったわけではない!! サカノさん! カリヤを持ち上げてください!!」

「は!? そんなことをしたら、傷口が空いて大量出血してしまいますぞ!!」

「それはわかっています!! しかし彼女なら傷口を塞ぐことができます!!」


 その言葉を聞いて、自分は自分自信の力のことを忘れていたことに気づいた。




 タケマルさんとサカノさんはカリヤさんの肩と腕を支え、カリヤさんの体を木の枝から抜き上げ始めた。カリヤさんは悲痛の表情を見せたが、二人は構わず作業を続ける。

 カリヤさんと木の枝が離れた。右胸の傷口から赤い血が吹き出す。

 二人はすぐに近くの木に立て掛ける。自分はすぐにカリヤさんの右胸に手を触れて傷を治そうとした。


 ......!!

「ま......まさか......君は......!!」

白衣の男の声が聞こえて、少し気が散りそうになった。その上、激しい頭痛が襲ってきたが、まだ緩めるわけにはいかない......




「やった!! 師匠の傷口が塞がったぜ!! さすがユウ!!」

頭を押さえながらカリヤさんの体を見ると、アオヒコさんの言葉が間違いではないことがわかった。

「カリヤは気を失ったみたいだ。しかし、麻酔もなしでよく耐えてくれたものだ......」

タケマルさんはカリヤさんの顔を見て微笑んだ。

「やっぱり......そうだ......やっぱり......うふふふ......」


ドサッ


 白衣の男が地面に倒れた。

「......ッチ、こいつ謝ることもせずに勝手に気節しやがったぜ」

アオヒコさんは白衣の男の耳たぶを掴んで「おーい、起きろー」と言った。

「これこれアオヒコくん......目の前で信じられないことが起きたんじゃ。気を失っても仕方ないじゃろう」

サカノさんは落ち着いた声でアオヒコさんを止めた。しかし、その声にはアオヒコさんに同情するようにも聞こえる。

「しかしサカノさん、どうします? カリヤとその男だけでなく、ユウも歩かせるわけにはいかないと思いますが......」

タケマルさんは森の中を見渡しながらサカノさんに話しかけた。

「ええ......三人の状態が回復するまで待つしかないでしょうな......一応、野宿の準備はしているので、気長に待ちましょう......」




 カリヤさんが目を覚ましたのは、日が暮れ初めていたころだった。

「......!! あれ......? あたし......死んだんじゃあ......」

カリヤさんは右胸を見て困惑していたが、こちらを見て納得したような表情をした。タケマルさんはしゃがみこみ、説明をしようとした。

「カリヤ、実は......」

「......わかっています......あの怪物には逃げられているんですよね」

そう言いながらカリヤさんは再びこちらを向いた。


「あの......ユウさん」

......?

「......」

なぜかカリヤさんは周りをキョロキョロしていた。

「......いえ、なんでもありません」

?




 辺りが暗闇に包まれても、白衣の男が目覚めることはなかった。そのため、森の中で焚き火を起こすことにした。

「はあ......こいつ......いつまで寝ているんだ......?」

アオヒコさんはまだ目覚めない白衣の男に対して完全に呆れているようだ。

「仕方ないと言っているじゃろう......それにユウちゃんも、まだ動くのにはしんどいじゃろう?」

自分はある程度落ち着いているものの、まだ頭痛が続くので、頷いておくことにした。

「すみませんでした......あたしのせいで......」

カリヤさんは自分の責任を感じているのか、申し訳なさそうに謝った。

「いやいや、大丈夫だ! あの怪物の凄さを感じることができたからな! しかし、あれほどの素早さを持ちながら、人間の腕の上を走ることができるとは......」

「何もくよくよすることはないんだぜ! 師匠!!」

タケマルさんとアオヒコさんに励まされても、カリヤさんはまだ納得できない様子で俯いていた。


「いえ......あたしは......弟子の前で情けない姿を見せてしまいました......これじゃあ師匠失格ですよね......」


 そこまで言って、カリヤさんは急に顔を上げた。

「......って、あたしは師匠じゃないって何度言ったらわかるの!? いい加減にしてよ!!」

「おー!? 自分で認めたのにー?」

「タケマルさんもからかうのを止めなさい!!」

恥ずかしがるカリヤさんに、みんなは一斉に笑った。




 自分はふと白衣の男の顔を見た。


 何か楽しそうな夢を見ているような笑みを浮かべている。この場の雰囲気に合わないような、不気味な笑みだった。

 いかがでしたか?

次回もお楽しみに!

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