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超能力旅人ユウ 七つ目の大陸に最も近い旅人  作者: オロボ46
第一章「力を持ちながらも怪物が溢れる世界でたださまよい続ける冒険者」
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第四十話「無線機」

 こんにちは、オロボ46です。

今回はオオイタの街の外から始まります。


 それでは、どうぞ。

 翌日、自分とアオヒコさんとタケマルさん、そしてカリヤさんは白衣の男と共に平原を歩いていた。

「目撃証言があった場所は、街から()にある平原の池付近だ。しかし、昨日は西()に向かってしまうとは......」

「なんかこいつの方向音痴が気になるんだよなあ......」

白衣の男の話に挟み込む形でアオヒコさんが呟いた。その左手には方位磁石が、そして右手にはクラッカーが握られていた。

「それだからこそ、君たちには僕と共にその場所に向かっているんだろう?」

「わかっているけどよお......じいさん......大丈夫かな......」

「きっと大丈夫だ! サカノさんたちならやってくれる!」

そう呟きながらタケマルさんは後ろを振り返り、森を眺めていた。


 サカノさんは今、その森で待機している。




 白衣の男が提案した作戦は以下のようだった。

 自分たちがウサギの怪物を追いかけ、森へ追い込む。森の入り口には捕獲用の檻が(ひも)で吊られており、その下に落とし穴がある。怪物が落とし穴に引っ掛かったのを見て、待機していたサカノさんが紐を下ろして捕獲する......という作戦だ。


「なんか古典的なんだよなあ......本当に成功するのかよ?」

アオヒコさんはまだ心配なのか、繰り返し白衣の男に聞いていた。

「何度も言っているだろう? こういう古典的な罠こそ、効果は保証されているものさ」

会話している二人の横で、カリヤさんが手をあげた。

「......確認してもよろしいですか? あたしたちはこのクラッカーを鳴らして怪物を追い詰めればいいんですね?」

「ええ、怪物を見つけたら所定の位置についてもらう。その後、怪物が向かったらクラッカーを鳴らして怪物の進行方向を変えて追い詰めていくんだ」

クラッカーはアオヒコさんやカリヤさんだけでなく、自分やタケマルさんの手にも握られている。


「......!! いた......!」

白衣の男が指した方向には、小さな池と、写真で見たウサギの怪物の姿があった。異様な八本足も写真のままだ。

「さて......位置を確認しておこう......タケマルくん......地図を出してくれるかい?」

白衣の男は小声で指示をした。タケマルさんは口を開けるのを堪えて、黙ったまま地図を広げた。その地図は、目撃者が用意してくれたものらしい。

「確かその目撃者ってよお......街で暮らしている一般人なんだろ? よく外の世界を歩いているよなあ......」

先ほどから続くアオヒコさんの質問に、白衣の男はうんざりした表情を見せた。

「君は本当に質問が多いな......普段は街の中で写真を撮っている人だが、旅人に護衛してもらいながら外の世界で写真を撮っていたらしいんだ。さて、それぞれの位置につくとしよう......いいかい? ()()()()()()()()()()()()()?()




 白衣の男やアオヒコさんたちと別れ、自分は所定の位置に立った。クラッカーを右手で握りながら、左手に持つボタンの付いた小さい機械を見つめる。


 この機械はトウキョウの街でサカノさんにもらった機械だ。依頼で廃墟に向かう時にもらったが結局使わなかった。あの時はボタンを押すとサカノさんの持つ機械が光るとしか教えてもらっていなかったが、後日サカノさんに詳しく教えてもらうと、無線機を改造したものらしく、別の無線機からの通信を受けることができるらしい。


 自分は口を動かさず言葉を伝えることができる代わりに、他の人間のように口から声を出すことができない。そのため、この機械を持って森の入り口が見える場所に立っている。白衣の男、カリヤさん、アオヒコさん、タケマルさんと来て、最後に自分がクラッカーを鳴らせば森の中に向かって走るはずだ......




「ユウ!! そっちに向かったぞ!!」

無線機からタケマルさんの声が聞こえた。自分は無線機をポケットに入れて、森の方向を見て立った。そして、クラッカーを構えながらタケマルさんがいるはずの方向を見る。そういえば、ウサギの怪物はあの八本足でどうやって走ってくるのだろうか......


 そう考えてしまい、集中力が乱れてしまったのがいけなかった。視線の先から何かが見えたと思い瞬きすると、その何かとの距離は瞬時に二分の一になった。自分は反射的にクラッカーの(ひも)を引っ張ってしまう。


パンッ!!


 音に反応したウサギの怪物は急に進路を変えて森の中へ走っていった。

 自分はもしも白衣の男の忠告を聞かず、目の前に来てから引っ張った時のことを考えて......いたらサカノさんのことを忘れかけようとしたので、すぐに機械のボタンを押した。




「うふふふ......」

「なあユウ!! すごいスピードだったよなあ!! あの怪物!!」

サカノさんから怪物を捕獲したという連絡を受けて、自分は他の仲間と合流して森を目指していた。アオヒコさんと共に、ウサギの怪物の情報を交換しあっている。

「うふふふ......」

「私も長いこと旅をしてきたが、あれほどの怪物は見たことはなかったなあ。まだまだ世界には私の知らないことばかりだ!!」

タケマルさんも興奮するように語っている。

「うふふふのふふふ......!」

「......さっきから変な笑い声がすると思ったら、あんたか」

白衣の男はアオヒコさんの言葉を無視してとにかく不気味に笑い続けていた。

「そっとしておきましょう。彼はこれからのことを考えて興奮しているんですから」

カリヤさんがアオヒコさんにそう言った時には、森の中に入っていた。


 森の中でサカノさんの姿を見つける。サカノさんのそばにはそこそこの大きさの穴があり、その中にはウサギの怪物が檻の中で必死に足を動かしているのが見えた。

「わしもこの怪物には驚かされました。もし反応が遅れていたら、逃がしていたところでしょう」

「うふふふ......」

サカノさんの言葉を無視して、白衣の男は檻の中の怪物を見つめた。しかし、彼の顔色は一瞬で青くなった。


 ウサギの怪物は、穴を掘っていた。それも、もう逃げ道が完成していたころだ。


 逃げ道の進行方向にいたカリヤさんがすぐに怪物を止めようと手を伸ばした。しかし、ウサギの怪物はカリヤさんの細い腕の上を走り始めた。八本の足でありながらもバランスを崩すことなく進み......


「ぐっ!?」


 カリヤさんの顔面に強烈な蹴りを入れた。カリヤさんはそのまま後ろに倒れていく。その後ろには、鋭く尖っている木の枝が......


 カリヤさんの右胸に木の枝が刺さった。その木の枝から、血液が流れている。

 いかがでしたか?

次回もお楽しみに!

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