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超能力旅人ユウ 七つ目の大陸に最も近い旅人  作者: オロボ46
第一章「力を持ちながらも怪物が溢れる世界でたださまよい続ける冒険者」
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第四話「夢、そして初めての依頼」

 こんにちは、オロボ46です。

前回は初めて外の世界で夜を過ごしたユウ。ところが、サカノさんはまだまだ教えることがあるようで......?


 それでは、どうぞ。

「ユウ、ユウ......」

懐かしい声に起こされて、自分は目を開けた。

「ごめん、ユウ。こんな時間に起こしちゃって......」

目の前にいたのは、博士の助手だった。当たりを見渡すと、いつもの研究所だった。時計を見ると、まだ真夜中であることがわかる。

「もしかして、夢を見ていた所だったかな?」

夢......確かにそんなものを見ていた気がするが、あやふやなので答えなかった。

「ユウ、今日はなんの日か覚えているかい?」

自分は助手の言いたいことが瞬時にわかった。

「そう、今日はユウの十()歳の誕生日だったね。新しい冒険小説を買ってきたよ」

そう言いながら、助手は数冊の冒険小説を渡してくれた。

 自分はその小説を大切に受け取って、さっそく読みたいと助手にねだったが、「さすがに今は真夜中だから、明日よんでね」と言われてしまった。

「ねえ、ユウ......これは少しおかしな質問だけど......君は外の世界を考えたことはあるかい?」 

自分は言っている意味がわからなくて首を降った。


「......いや、やっぱりこの話は忘れてくれ」


 そこで、夢から覚めた。



 当たりを見渡して、ここがいつもの研究所では無いことを思い出すのに少し時間がかかった。そばでは、サカノさんがいびきをかいで寝ていた。

 そうだ、昨日の十五歳の誕生日の日、自分は初めて外の世界で歩き、このおじいさんに色々教えてもらったんだ。

 そう思っていた時、男の人が困った顔をして公園に入ってきた。


 男の人はベンチに座り、頭を抱えて呟いた。

「これからどうすればいいんだ......」

その時、サカノさんがあくびをしながら起き上がった。

「うーん......どうしたんじゃ? サキコ......」

......サキコ?

「あ、いや、すまんのう......寝ぼけて昔の知人と間違ってしまったわい......」

サカノさんがそう言っていると、ベンチに座っていた男がこちらに気がついた。「あの......もしかして、旅人ですか......?」

「ん? ああ、そうですがのう.......」

自分もこっくりと頷いた。

「あの、それでしたら、僕の話を聞いてくれませんか?」




 話の内容はこうだった。

 彼は大事なものをある人に届けるために、昨日にこの街を旅立つことになった。一人では怪物に襲われるので、ある旅人と行動することにした。大切な物は少し重かったので、一旦その人に預けて出発した。

 しかし、その直後に盗賊に襲われて、その人と離ればなれになってしまった。


 なんとかこの街に戻ってこれたが、頼まれた物は旅人に預けたままだった。あの近くには廃墟があったので、旅人はきっとそこに逃げたのだろうが、怪物も住み着いているので、とても危険だと言う。




「お願いです!僕の大事な物を取り返してください!旅人も無事なら()()()()助けてください!」

男の人は頭を下げて言った。

「残念ですが、わしはただの旅芸人。それにこの子は......」

サカノさんはそう言ったものの、自分を見てニヤリと笑った。


「解りました。出来るだけやってみます」




 自分がなぜニヤリとしたのかをサカノさんに聞く前に、サカノさんはボタンが付いている小さな機械を差し出した。

「これを押すとわしの持っている機械が光る。何かあったらこれを押すんじゃ」

自分はなぜサカノさんも行かないのかと聞いた。

「本当はわしも行きたいがもう年でのう......それに今のこの辺の怪物は比較的弱いものばかりじゃから、ユウちゃんの練習相手にはちょうどいいじゃろう」

そう言って、サカノさんは寝床から棒のような物を取り出して投げつけた。

「それは"木製バット"じゃ。この辺の怪物にちょうどええじゃろ」


 サカノさんは一息ついて再び口を開いた。

「いいかのう、ユウちゃん。あの人が言っていた盗賊だけには気をつけるんじゃぞ。身の危険を感じたり、道に迷ったときはすぐにそのボタンを押すんじゃ。それでも危ない時は......解っておるな?」

自分はしっかりと頷いた。

「よし、それじゃあ行ってくるんじゃ。廃墟はここからすぐ北に行ったところにあるからのう。あと、その冒険小説は邪魔になるかもしれないから、一旦置いていくのがいいじゃろう。くれぐれも無理するんじゃないぞ?」


 自分は頷き、リュックを背負う。そしてサカノさんと一旦別れ、街の出口へと向かった。

いかがでしたか?

次回は最初のダンジョン、といった感じでしょうか。

次回もお楽しみに!

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