第三十六話「図書館ではお静かに」
こんにちは、オロボ46です。
今回はエヒメの街から始まります。
それでは、どうぞ。
「今三時か......中途半端じゃのう......」
コンビニでの買い出しを済ませたサカノさんは腕に着けた時計を見ていた。
「執拗に追いかけてくる殺し屋たちに狙われていると言っても、人通りのある場所で襲うことはありません。我々が固まっていれば安全でしょう! ただ問題は、レンタルしていた自転車とバイクを紛失したせいで、追加料金がかかってしまったことですがね......」
タケマルさんは財布の中身を除きながら話している。
「......確か、アオヒコくんとカリヤさんは雑貨屋に行っているのでしたな」
「ええ、アオヒコがいろんな道具を見て研究したいとねだっていましたよ。カリヤもいい弟子を持ったものだ!」
......カリヤさんが聞いていたらまた怒りそうだ。
「フーム、わしらも少し羽を伸ばすとしましょうかのう。タケマルさんはどこか行きたい場所とかありますかのう?」
「私はどこでもいいですよ! でも、できればお金を使わないところがいいですね」
「ユウちゃんはどこか言ってみたい場所はあるかのう?」
自分は、例えばどんなところがあるのか聞いてみた。
「そうじゃのう......アオヒコくんたちが行っている雑貨屋には、旅に役に立つ道具などがそろっている。そこでいろんな道具を見てみるのもいいかもしれん......」
「......そういえばユウ、君は冒険小説が好きだったろう?」
自分は頷いた。冒険小説は研究所で暮らしていた時から愛読している。
「それなら"図書館"はどうだ? あそこには小説はもちろん、歴史など様々な読み物を読むことができるぞ!」
その言葉を聞いた瞬間、自分は胸の高鳴りを感じた。
自分とサカノさん、そしてタケマルさんは図書館へと入った。中は非常に静かで、独特の雰囲気を感じる。
本棚がたくさん並んでいる場所があった。本棚から本を取り出している人もいれば、椅子に座って熱心に読んでいる人もいる。
「さてユウちゃん、好きな本が見つけたら戻ってくるんじゃぞ」
サカノさんは椅子に腰かけて、周りに迷惑にならないように小声で話した。
「それじゃあ......私も......本を選んできます......」
そう言ってタケマルさんは席を立った。その声は、なぜかいつもよりも小さかった。
その後、自分も本を探しに席を立った。
......?
ある本の表紙に、自分は違和感を持った。その本は世界の様々な地域について書かれた本で、表紙は世界地図が載っている。
世界地図なら小説の中で見たことがある。違和感を持ったのは、あるはずのない大陸があったからだ。
「フム......小説にあるはずのない大陸かのう......」
椅子で待っていたサカノさんにその本を見せてみた。
「ああ、そうか......ユウちゃんの愛読している冒険小説は、世界に怪物が溢れ始める前に書かれたものじゃったのう」
サカノさんはなぜか懐かしそうな表情をしていた。
「サカノさん......ユウ......どうしましたか......?」
タケマルさんも本を選んできたようだった。
「ちょうどよかった。タケマルさん、ユウちゃんに"ムー大陸"のことを教えてやってくれませんかのう?」
「ムー大陸......確かに......ユウに旅人として知ってもらいたいですね......」
タケマルさんは自分の隣に座って、説明してくれた。
「私たちがいるのがこの日本だ......その南東にあるのがムー大陸......七つ目の大陸と呼ぶ者もいる。このムー大陸は遥か太古に沈んでしまったという伝説の存在であったが......怪物が発見され始める数年前に......世界各地で発生した大規模な地震と共に突然現れたんだ。当時人々は地震でパニック状態だったため......現れた瞬間を目撃した人はいなかったらしい」
自分はダムで目撃した大穴のことを思いだし、それとは関係あるのかを聞いてみた。
「ああ......その大穴も大規模な地震と共に現れたんだ。そして......その数年後に怪物が世界各地で現れ、新たな大陸の調査に構っている暇はなかったんだ!」
......だんだんタケマルさんの声が大きくなっている気がする。
「なんとか一部の街の復興も進み、旅人という職業をもつ人間が現れ始めたころ......ムー大陸の調査を行う勇気ある旅人が現れた。だが、ムー大陸は怪物の巣窟となっており、ほとんどの旅人は命を落としていった。しかし、数多くの謎は旅人たちを魅了した! 怪物が現れた原因はムー大陸にあるという仮説を確かめるために、命知らずの旅人はそこへ旅だって行く!! 私はまだ挑む勇気はないが、いつかは行って謎を解明させてみせる!!! それが旅人たちの挑むべき大きな目標であるからだ!!!」
......周りの人々の視線が、一斉にタケマルさんを見た。
「......また......やってしまった......」
タケマルさんは口に手を当てて、静かに呟いた。
いかがでしたか?
次回もお楽しみに!




