第三十一話「十本の橋」
こんにちは、オロボ46です。
今回はシコク地方へと向かい始めるようですが......?
それでは、どうぞ。
ガシャン!!
「ユウちゃん、大丈夫かのう!?」
サカノさんが心配そうに近づいた。自分は大丈夫と伝えながら、倒れた自転車を起こす。
西の橋が封鎖されたため、南の橋からシコク地方を渡り、キュウシュウ地方へと向かうことになった。昨日出会った親切そうな男性によると、次の街まで長距離になるため、少なくとも自転車で行ったほうがいいらしい。
そこで今日、自転車屋でレンタルすることになった......でも、自分は自転車に乗ったことがない......
ガシャン!!
また倒れてしまった。公園の周辺で何度も挑戦するが、どうしてもバランスを崩して倒れてしまう。
「さすがに無理ですよ......タケマルさん......自転車はすぐに乗りこなせるものじゃありませんから」
カリヤさんがため息をつきながら発言した。
「まだわからないじゃないか。私がユウに助けられた時は適切にバットを振っていたが、あの時はサカノさんにもらったばっかりで、それ以前は使ったことがないんだろう?」
タケマルさんに聞かれて、自分は頷いた。
「それってよお、ちょっと違うかもしれないが"火事場の馬鹿力"......みたいなやつじゃねえの? ユウが活躍する時ってよ、だいたい命の危機が訪れた時だろ?」
「......そう言われてみると......確かにそうだな......」
アオヒコさんの言葉に、タケマルさんは納得していた。
結局、自分はアオヒコさんと共にバイクで行くことになった。レンタルでもバイクは自転車よりも高く、レンタル料金を払ってくれたタケマルさんは少し涙目になっていた。
「よしアオヒコくん、トランシーバーはしっかり持っているかのう」
自転車に乗り込んだサカノさんはトランシーバーを片手にこちらを見ていた。
「ああ、俺たちが先行して、何かあれば連絡するんだよな」
そう言いながらアオヒコさんはヘルメットを被っていた。自分もヘルメットを頭に被る。
「運転はできるんですか?」
「ああ、昔に免許を取っているんだ。街の中だって乗り回せるぜ。それじゃあ、先に行くからな」
アオヒコさんがバイクに乗ったので、自分はその後ろに座った。
「ユウ、俺の腰にしっかり捕まれよ? それから曲がるときにバイクが傾くこともあるが、間違っても反対方向に体を傾けるな。俺に合わせて傾けるんだ。いいな?」
自分は頷いて、アオヒコさんの腰に手を回した。
アオヒコさんがアクセルを踏むと、バイクは勢いよく発進した。
シコク地方へ行くためには、九つの島を繋ぐ十本の橋を渡らなければならない。バイクのスピードに慣れてきだしたのは、三つ目の橋を渡りきったころだった。
「どんな気分だ? ユウ!」
アオヒコさんに聞かれて、自分はだんだんスピードに慣れてきたことを伝えた。
「実を言えば、俺も慣れてきたころなんだ! 別のところの橋は渡ったことあるけどよお、その時は緊張しててそれどころじゃなかったんだ」
その声は、どこか楽しそうだった。
「そういえば......ユウ、お前はカゴシマの街に向かっているんだろう?」
うまく頷くことが出来なかったので、自分の能力でそうだと伝えた。
「実は、あそこは俺の故郷なんだ。最初は意味もなくユウたちについて行っていたんだが、シガの街についた時にじいさんから聞いた時、本当に驚いたぜ......」
カゴシマの街と聞いて興味が沸いてきた自分は、アオヒコさんにカゴシマの街に住んでいた思い出を聞いてみた。
「思い出って言われてもなあ......あまりないんだよなあ......」
しばらく沈黙が続いたまま、五つ目の橋を通過した。アオヒコさんは決心をつけたようにため息をついた。
「俺の親父は行方がわかっていない。俺が生まれる前にお袋から去っていったんだ。お袋は俺の面倒はあまり見てくれず、仕事ばっかりしていた。そして俺は、同じ学校のいじめグループに目をつけられていた......だから、俺は旅人になりたかった。旅人になって、これまでのことを忘れたかったんだ。だけど、いきなり外に出たってどうすればわからずに......気づいたら、見知らぬ街で無一文になっていた......」
自分は、初めてアオヒコさんと出会った事を思い出した。
「あの時にユウたちと出会っていなかったら、情けねえ死にかたをしていたところだったぜ......なあユウ、お前がカゴシマの街を目指している理由はよくわからねえけどよお、カゴシマの街についた後はどうするつもりなんだ?」
自分はまだわからないと伝えた。
「......もしよお、カゴシマの街の用事がすんだら......俺と一緒に旅しねえか?」
アオヒコさんと......?
「ああ、俺はまだ一般人と変わらねえ。師匠にも一般人扱いされるほどだからな。だけど、いつかは師匠を見返してやる!! ユウのように超能力は使えねえけどよお、お前を支えることのできる力を持つんだ!! なあユウ! いつかは一緒に世界を駆け巡ろうぜ! そして、あのダムの中の大穴みたいな、この世界の謎を二人で解き明かすんだ!!」
アオヒコさんの生き生きした声を聞いていると、自分もだんだんその気になった。
ドガン!!
「......は?」
突然、大きな音がしたかと思うと、バイクが空に浮かんでいた。
十分な高さを保ったバイクは、夕焼けが照らす中、真下にある橋に向かって急降下を始めた。六つ目の橋を通過し、七つ目の橋を渡り始めた時のことだった。
いかがでしたか?
アオヒコさんの過去が聞こえたと思えば、何か事故を起こしたように見えますが、一体何が起きたのでしょうか......?
次回もお楽しみに!




