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超能力旅人ユウ 七つ目の大陸に最も近い旅人  作者: オロボ46
第一章「力を持ちながらも怪物が溢れる世界でたださまよい続ける冒険者」
19/80

第十九話「カゴシマの街」

 こんにちは、オロボ46です。

今回は前回の翌日から始まります。

それでは、どうぞ。

「そうだったのですか......ユウを助けて頂いて、ありがとうございました」

殺し屋ホテルマンの襲撃から翌日、813号室でサカノさんはタケマルさんと話をしていた。アオヒコさんは寝坊で慌てながら812号室で着替えをしている。

「いえいえ、私の命の恩人ですから、助けるのは当然ですよ!! といってもたまたま()()()()()()()だけですけどね! はっはっはっは!!」

二人の会話を聞きながら、自分はホテルのロビーから持ってきた新聞紙を見ていた。




 一番新しい新聞には、殺し屋ホテルマンのその後が載っていた。彼はトイレで発見されており、ゴムホースで首を吊っていたらしい。

 ポケットには遺書と呼ばれる手紙が入っており、その内容は"自分の首の骨が折れる音を聞きたかった"らしい。

 彼に関してはホテルの従業員ではないこと以外何もわからず、筆跡も本人の物かわからないまま、警察は自殺と断定したらしい。


 昨晩、タケマルさんは殺し屋ホテルマンの首を縛った後、動かなくなった殺し屋を抱えてトイレに向かった。あの遺書もタケマルさんが書いたものだろう。

 しかし、街に潜む殺し屋は正体を知られたら街に住むことが出来なくなる。これは推測だが、正体を悟られない為に自分の情報はほとんど伝えてないだろう。 だから、あの遺書も本人が書いたものかはよくわからないままであったのだ。


 次に気になったのは、自分たちが向かっている"カゴシマの街"に関する1ヶ月前の記事だった。

 カゴシマの街の周辺に出没する怪物が旅人の間で噂になっているらしい。その怪物は人間の姿で旅人に近づいて洞穴に誘いだし、そこで食い殺すことから、かなりの知能を持つ怪物ということになる。

 かつてほとんどの旅人はこの話をおとぎ話としか信じていなかったが、たまたま洞穴に通りかかった旅人が特徴がよく似ている怪物を複数の死体と共に目撃したことから、この噂が事実だという意見が増えた。

 発見から数週間、命知らずの旅人たちが噂を確かめる為にその洞穴に入って行き、そのまま行方不明となっていた......




 新聞を閉じて自分はため息をついた。カゴシマの街の名前を見て感じたのだが、外の世界に出てから、自分は研究所の助手の言葉に従ってカゴシマの街に向かっている。しかし、その後どうするかは考えていない。


"ユウ......最後に......一つ......聞いてくれ......"カゴシマ"という街に......僕の......知り合いがいる......"


 助手はこう言い残している。しかし、その知り合いのところに行って何をするのだろうか? その知り合いに面倒を見てもらえという意味なら、それは出来ないということになる。殺し屋に狙われている自分がその知り合いと共に暮らすと、その知り合いの命にも関わるからだ。だからといってそれ以降も旅を続けるとしても、目標がない。怪物の溢れる世界を、ただ宛もなくさ迷い続けるだけだ。


 ......現に今、目的を見失っている時点でさ迷っているが。




「な......なんて言いましたのう? 最近耳も遠くなった自覚はありませんが......」

サカノさんの言葉で彼らの方を向く。

「もう一度言います! 私も旅に同行させていただきたい!!」

タケマルさんは改まった姿勢で叫んだ。

「なぜ......ですかのう......?」

「あの子......ユウの力になりたいんです! ユウは私の命を救ってくれた! この恩は一生忘れられないのです!!」

「それなら、昨晩ユウちゃんを助けたので......」

「あれではまだ恩を返し切れておりません!! 私はとても臆病で、身の危険を感じるとすぐに逃げ出します!! だから私に任せなくても大丈夫です! ただ、ユウがカゴシマの街にたどり着くまで見届け、少しでも助けになりたいのです!」

「そこまで言うなら......」

サカノさんは迷惑そうな顔をしていた。


「ふう! じいさん、ユウ、待たせたな......ってあれ!?」

813号室に入ってきたアオヒコさんはタケマルさんを見て驚いた。

「おお! アオヒコ!! 勝手ながら私も旅に同行させてもらうぞ!」

「え!? マジで!?」

アオヒコさんはまるで知り合いのようにタケマルさんと会話していた。自分は気になったのでアオヒコさんに聞いてみた。

「昨日コインランドリーでじいさんを待っていた時に話しただろう? 銭湯で面白いおっさんと話したって! そいつだよ!」

そう言ってアオヒコさんはタケマルさんとの会話に戻った。




「さて、そろそろ出発するかのう」

ホテルの外でサカノさんは自分とアオヒコさん、そしてタケマルさんに言った。

「サカノさん、失礼ですが......次の目的地はどこになっていますか?」

タケマルさんが質問をする。

「"ヒョウゴの街"へ向かうつもりじゃが......どうしましたかな?」


「ヒョウゴの街ですか!! それなら都合がいい! 実は私の知り合いで用心棒をしている女性がいるのです。彼女なら、この旅の力になるはずですよ!!」

 いかがでしたか?

タケマルさんが仲間になりましたが、また新たな仲間の存在があるみたいですね......


 次回もお楽しみに!

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