表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超能力旅人ユウ 七つ目の大陸に最も近い旅人  作者: オロボ46
第一章「力を持ちながらも怪物が溢れる世界でたださまよい続ける冒険者」
16/80

第十六話「超能力と呼ばれる力」

 こんにちは、オロボ46です。

今回はシガの街にたどり着くところから始まります。


 それでは、どうぞ。

「ようやく、ついたのう......」

シガの街を前にして、サカノさんはため息をついた。

「あのログハウスの時は本当に疲れたからなあ......ところでさ」

アオヒコさんがこちらを見て微笑んだ。

「ユウ、超能力の秘密を教えてくれよー」

あの時から、自分の持つ特殊な力のことをアオヒコさんは"超能力"と言っていた。

「なあ、教えてくれよー」

「これこれ、ユウちゃんも困っているじゃろう」

「だってよー、あの怪物の牙を触れずに食い止めたし、俺の怪我を手で触れただけで治したんだぜ? どうやってそんな力を手に入れたのか気になるじゃねーかよ」

......


 確かに、自分はどうやってこの力を手に入れたのだろうか。


 今まで気にしなかったけど、アオヒコさんの疑問は自分の疑問となった。自分の記憶の中で最も古いのは、研究所へ連れられた時だ。今の自分は、研究所に連れられたのは自分に特別な力があるからと考えているので、多分その前から持っていると考えられる。


"大丈夫? お母さんが治してあげる"


 あの時に一緒だった大人は、自分のように口を開けずに伝えた。そして、手を近づけただけで傷を治した。あの大人の言葉通りだとすると、この力は親から受け継いだものなのだろうか......?


「なあ、教えてくれよー」

「しつこいやつじゃのう......」

そんな二人の会話を聞きながら、シガの街へと入っていった。




 依頼された工具箱を届け、報酬を受け取ったあと、自分たちはもう日常的に利用している銭湯の前を訪れていた。

「さて、ようやく街についたからまずはひとっ風呂とするかのう」

「まったく、あのログハウスの件で血が服についちまったぜ......」

アオヒコさんは黒い服についている血痕を見て言った。

「風呂から上がったら、寝床を確保してからコインランドリーで洗おうとするかのう。と言っても、学ランを洗うのはちと一苦労じゃが......」

そう答えながら、サカノさんは銭湯の中へ入ろうとした。

「あれ? おいユウ、そっち女風呂だぜ?」

赤い暖簾の扉を開けようとすると、アオヒコさんが肩をつかんだ。

「お前......まさか覗きにいくのか? あははは!! それはやめとけよ! 結構ひどい目に会わされるぜ! ()()()の俺だってそうだったからよ!」

......?

「アオヒコくん......すまぬが......」

「なあ、じいさんからも言ってやれよ!」

サカノさんは少し困った顔をした後、アオヒコさんを見て言った。

「......アオヒコくん、まだまだ観察力が足りないようじゃのう」

「へ?」

「ユウちゃんをよく見てみなさい。なるべく失礼のないようにじゃ」

アオヒコさんはこちらの体をジロジロと観察し、フードを取って顔まで見た。


「ま......まさか......ユウ......お前......女だったのか!?」


 こくりと頷く。

「マ......マジかよ......」

アオヒコさんはあり得ないと言わんばかりの表情でうなだれた。

「そういう訳じゃ。しかし、少し残念じゃな......お前さんなら薄々感づいておったかと思っておったんじゃが......」

「だってよ!! 元々声が出ないから仕方ないけど、全然喋らないし......じいさんが"ちゃん"付けで呼ぶのは違和感あったけどよ......年の違いかと思って......」

「そういえば、アオヒコくん......先ほど、()()()と言っておったな......前に女風呂を覗いたことがあるのかのう?」

「......」

アオヒコさんはそれ以上答えなかった。




 銭湯から上がり、自分たちは公園へと向かった。

「ひとまず、今夜の寝床の確保をするかのう」

サカノさんがそう言っていた時、アオヒコさんが悩んだような表情だった。

「ガキのころから気になっていたんだがよ、公園で旅人が寝るのって結構変わっているよなあ......」

「そうじゃな......昔は宿で休む旅人が多かったが、宿泊代を節約するために無断で公園に野宿する旅人が増えてのう......今は公園に野宿するスペースを用意している街がほとんどじゃな」

「へー、まあ野宿の方が安上がりだしな......あ?」

アオヒコさんは、公園で行われている光景を見て呆然とした。




ガガガガガガガガ


 公園が柵で囲まれていた。その内側では変わった形の車が多数動いており、何らかの作業をしていた。

「こんな時に工事中かよ......じいさん、他の場所で野宿することはできねえの?」

アオヒコさんはサカノさんに助けを求めるように言った。

「許可されていないところで勝手に野宿なんかをしたら警察に取っ捕まるじゃろうなあ......かといって街の外で野宿をするのはもう疲れたじゃろうし......そういえば、工具箱の運搬の報酬が以外と多めじゃのう......」

そう呟きながらサカノさんは近くの建物を見た。


 その建物は、ホテルと呼ばれる宿だった。

 いかがでしたか?

どうやらアオヒコさんは、十一話からユウのことを男と間違えていたようですね。


 次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=498348171&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ