表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超能力旅人ユウ 七つ目の大陸に最も近い旅人  作者: オロボ46
第一章「力を持ちながらも怪物が溢れる世界でたださまよい続ける冒険者」
13/80

第十三話「空から落ちてきたもの」

 こんにちは、オロボ46です。

今回は前回の翌朝から始まります。


 それでは、どうぞ。

『ラジオ体操第一!!』


 ラジオから放たれた一言で、自分は目が覚めた。辺りを見渡すと、三~四人の人々が公園に集まっていた。その中に、サカノさんの姿もあった。

「おおユウちゃん、よかったら一緒にラジオ体操でもせんかのう?」

サカノさんたちはラジオから音楽に合わせて体を大きく動かしている。

「なんだよ朝っぱらから......」

アオヒコさんもラジオの音で目が覚めたようだった。

「アオヒコくんもどうかのう?」

「ラジオ体操? しねーよ。だいたい街の公園でラジオ流したら近所迷惑じゃね?」

「なに、心配はいらん。ここの公園の毎朝六時半にはラジオ体操のイベントがあるんじゃ。今日はたまたま公園のラジオが壊れておったから、わしのを提供したんじゃ」

そう言いながらサカノさんは周りの人々と共に跳び跳ねていた。




 自分とサカノさん、そしてアオヒコさんはナガノの街を後にした。

「さて、昨日わしはラジオを直してもらうついでに、服の洗濯と共にある依頼を受けておる。アオヒコくん、"あれ"はちゃんと持ってきているかのう?」

「ああ、ちゃんと持ってきているぜ。工具箱だろ?」

そう言いながらアオヒコさんは背中のリュックサックを持ち直した。そのリュックサックにはずっしりとした工具箱が入っている。

「それを"シガの街"まで送り届ける予定となっておる。だからまた西に向かって進むんじゃ。しかし......雨が降る前に雨風をし脱げる場所を見つけたいのじゃが......」

サカノさんは空の様子を心配しているようだった。

「心配したって仕方ねえだろ? 雨ガッパはあるんだし、大丈夫だろ」

「それはいいんじゃが、問題は寝るところじゃよ......」

「そんなもん、その時に考えてとにかく先に進もうぜ」

そう言ってアオヒコさんは早足で歩いていった。自分は青いリュックサックを持ち直して、サカノさんと共に後に続いた。




 森の中を歩いていると、先を先行していたアオヒコさんが歩みを止めた。


カサカサ......


 横の茂みが微かに揺れている。

「......」

「ユウちゃん、アオヒコくん、用心するんじゃ」

揺れている茂みから目をそらさないようにしながら、自分は武器である木製バットを構えた。アオヒコさんは同じようにバットを構えたが、そのバットには釘のような物が刺さっていた。


ぴょこん


 茂みから出てきたのは、小さなウサギだった。

「なんだあ......ウサギかあ......」

アオヒコさんは気が緩んだように


カサカサ......


 しかし、茂みの揺れはそれだけでは収まらなかった。


チュウルル......


 次に茂みから飛び出したのは、明らかにウサギよりも大きい生き物だった。

「うわああ!?」

「これはありがちな展開じゃな!!」

ネズミの怪物はウサギの胴体にしっかりと牙を食い込み、その骨を噛みきった。そして、少しだけ肉を食べた後、こちらを見た。

「二人とも、どうやら囲まれていたようじゃのう」

「は!?」

サカノさんの言葉を聞いて振り替えると、そこには二匹のネズミの怪物がいた。

「あわせて三匹......ここは、一人で一匹ずつ倒すことにするかのう」

「は? え? 一人で!?」

アオヒコさんが戸惑っている間に、サカノさんは笛と棒のような武器を取り出した。"警棒"という名前だとサカノさんが説明してくれたのは昨晩だ。


チュルィィ!!


 目の前にいたネズミの怪物が飛びかかってくる。自分は前と同じように顔面に向かってバットを降り下ろす。

 顔面に打撃を食らったネズミの怪物は方向感覚を失い、足取りが不安定になった。今回は容赦なく、続けて顔面に何度も打撃を加える。野宿した時に、怪物の素材は旅人にとって利益になることを知ったからだ。




 ネズミの怪物が動かなくなった時、横を見るともう一匹の怪物も倒れていた。後ろを振り向くと、アオヒコさんが三匹目ネズミの怪物相手に苦戦していた。

「う、うわああ!? く、来るなあ!!」

アオヒコさんは釘の刺さったバットをひたすら振り回していた。それをサカノさんが冷静に観察していた。

 自分は、アオヒコさんを助けないのかと声に出さずにサカノさんに聞いた。

「この若者がどのぐらい戦えるのかを見ておったがのう......まあ、そろそろ手助けするとするかのう」

サカノさんは笛を吹いた。するとアオヒコさんに飛びかかろうとしていたネズミの怪物はバランスを崩し、頭を地面に思いっきりぶつけてしまった。

「アオヒコくん、もう手を出さなくてええぞい」

そう言ってサカノさんはナイフを取り出しながら怪物に近より、首筋にさした。




「アオヒコくん......戦うことはまだ慣れてないのかのう?」

サカノさんは怪物の皮を剥ぎ取りながら聞いた。

「あ......ああ......」

アオヒコさんは息を切らしながら言った。

「そうか......まあ、無理せんでいい。アオヒコくんは工具箱をしっかりと持っていってくれんかのう」

「ああ......わかってる......」


ポツ......ポツ......


 何かが上から降ってきた感覚があった。上を見ると、暗い雲から水の粒が少しずつ落ちてきていた。


 どうやら、これが雨と呼ばれる天気らしい。

 いかがでしたか?

雨が降ってきたようですね。三人は雨ガッパを持っているようですが、サカノさんは野宿の事を心配していましたね......


 次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=498348171&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ