指定生乳生産者団体制度について!
今年の4月あたりから指定生乳生産者団体制度(以下「指定団体」という。)の廃止について厳しい議論が繰り広げられています。酪農家さんには重要なニュースですね。指定団体の持つ機能が発揮されることで、日本の酪農家は経営を維持できていると言っても過言ではありません。では、指定団体の持つ機能について考えていきましょう。
まず、指定団体には3つの機能があります。
1:乳業メーカーとの対等な価格交渉
2:効率的な集送乳によるコスト削減
3:飲用乳と加工原料乳の需給調整による安定供給
です。
ではこれらの機能が失われるとどのような弊害が生じるでしょうか
まず、流通自由化により酪農家自身が搾った生乳を送乳しなければならないため、無駄な労働力が増え、かつ生産者乳価のコスト割れが懸念される。また、生乳の需給を調整する仲介機関が失われるため、需給調整ができなくなり、乳価の不安定化に繋がる。
離島で酪農を営んでる人や、零細農家にとっては離農の危機になるといえる。自分たちで生乳を送乳しなければならないため、コストが嵩張り、経営にとってマイナスとなるからだ。収入が大幅に減れば、離農するしかない。そしてまた、日本から酪農家が減る。牛乳が減る。牛乳の価格だけが上がる。
指定団体制度の廃止を提言した人たちは、指定団体は存在意義がない、と制度を否定していた。確かに、震災などの不測の事態発生時を除けば、指定団体は必要ないのかもしれない。酪農家が送乳可能だからだ。指定団体はあくまでも送乳を低コストで効率的なものとして酪農家をサポートするための機関である。しかし酪農家は本来ならば、牛乳を売りその収入で生計を立てるべきだが、現実は売った子牛の収入が全収入の大部分を占めている。つまり、現在の酪農家は子牛の売却により生計を立てているため、生乳面での補助はいらないと考えたのだろう。
指定団体は熊本地震で大いに力を発揮した。激しい揺れによって崩れた畜舎から生乳を集荷し、様々な工場への振り分けやクーラーステーションへ一時貯乳した。指定団体がなければ搾乳した乳は全て廃棄されていたのだという。徐々に酪農家が離農していく中で、貴重な牛乳を捨てるなど考えられない。日本は地震列島であり、いつどこで震災が起きるかは誰にもわからない。日本の酪農家のために、指定団体制度は廃止しないでもらいたい。