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第四話  新魔王とダーキル姫②


 ピピピ、と電子音が鳴ると、ダーキルは名残惜しそうにパソコンのマウスから手を離した。

 エルフの至宝『神の御使い』である少女をさらってきた褒美に、約束通り一日一時間だけ、新魔王のパソコンを使わせてもらえることになったのだ。


 ダーキルは最後に残ったコーラを飲み干すと、「けぷ」と喉を鳴らした。


「ダーキル、パソコンが気に入りました! とても面白いです!」

「そうだろう。ネット環境も無しに異世界転生など、俺には考えられんな」

「ダーキルが集めたエッチな画像は、『だーきるのふおるだ』に保存しておきますね」

「おい、勝手にフォルダを作るんじゃない。削除だ、削除」

「あっ、消しちゃダメですよ! ダーキルが頑張って集めたのです!」

「あいたた、髪を引っ張るな!」

「逆の立場になって考えてみてください! 一人遊びも我慢して、必死に集めたんですよ! 一度も使うこともなく削除されてしまうなんて、悲しすぎると思いませんか!」

「わ、わかったわかった! 隅っこに置いておいてやるから、離れろ!」

「中は見ちゃらめぇですからね?」

「誰が見るか。見なくてもだいたい分かるわ」

「それにしても、『あ』って入れただけで『レイプ』と変換されるなんて、パソコンって凄いですね」

「まあ、俺のパソコンだからな」



「新魔王様、その爆弾みたいなモノは何ですか」

「これはビデオカメラだ」

「びでおかめら?」

「説明するより、使ってみせた方が早いな。ダーキル、そこに立っていろ」

「はい。……何やら新魔王様が、ダーキルの周りを歩いています」

「こうして撮影したデータを、パソコンに移して再生すると――」

「あっ! ダーキルがパソコンの中に入ってしまいました!」

「このように、動画を簡単に保存することが出来る。お前がパソコンで見ていたエロ動画も、同じように撮影されているのだ」

「す、凄いです! ダーキルにも使わせてください!」

「いいだろう――というより、これはお前に使わせる為に取り寄せたのだ」

「ダーキルは察しましたよ。新魔王様によるレイプシーンを、ダーキルに撮影させようというのですね」

「うむ、その通りだ。録画をしておけば、後でゆっくりと鑑賞することが出来るからな」


「これさえあれば、新魔王様によるダーキル処女レイプシーンも、永遠に楽しむことが出来ます」

「だから、お前はハーレム要員ではないと何度も言っているだろうが」

「血走った顔でダーキルに襲いかかる新魔王様を、余すところなく撮影しちゃいますよ!」

「お前が撮影すんのかよ! レイプ被害者視点の動画なんて誰得だよ!」

「ダーキル得です。死ぬまでおかずに困りません」

「最悪だよ! 死ぬまでおかずにされる身にもなってみろよ!」

「それなら、新魔王様もビデオカメラを用意して、お互いに撮影し合えば良いのです」

「いやダメだろ。お互いにカメラを持っているのが見えてしまっては、興が殺がれるというものだ」

「では、シーンごとにカメラを交換しながら進めていきませんか? シナリオはダーキルが用意いたしますので」

「それならまあ、なんとか見れる出来に……って、やらねーよ!?」

「残念です。このまま何気なく、レイプ撮影会の流れに持って行こうとしたのですが……」

「何気なくそんなことにはならねーよ!」


「……というより、前々から言いたかったのだが」

「はい、なんでしょう」

「もし、お前の望み通り、俺がお前をレイプしたとして――」

「してくれるんですか!?」

「仮の話だ! 俺のズボンから手を離せ!」

「すいません、つい興奮してしまいました」

「なぜ脱がしにかかった!」

「新魔王様の気が変わらないうちに、レイプされてしまおうかと」

「だから、それはもうレイプとは言わないだろう!?」

「はて、どういうことでしょう」


「されたくないからレイプなわけで、合意の上であれば、それは『和姦』というものだ。ただのセックスに過ぎん」

「合意の上でレイプすればいいじゃないですか」

「合意したらレイプじゃないんだよ!」

「????」

「そこで不思議そうな顔をされてもだな……いいか、まずはレイプの定義を確認しろ。レイプされたくない相手から、無理やりレイプされるからこそレイプなのだ」

「でもダーキルは、新魔王様以外にレイプされたくないです」

「いや、その……だから……えっ?」

「逆に新魔王様は、ダーキルが他の男にレイプされてもいいのですか?」

「何故、そんな話になる」


「想像してみてください。ダーキルが知らない男に捕らえられて、新魔王様の目の前でレイプされてしまうシーンを。『ううっ……ひっく……新魔王様にレイプされるために守ってきた処女なのに、他の男にレイプされてしまいました……!』」

「セリフが有り得ないだろ」

「哀れなダーキルは、せめてレイプをしているのが新魔王様だという妄想に逃げ込もうとします。しかし新魔王様が目の前にいるので、妄想に逃げることが出来ません。屈辱に涙を流しながら、新魔王様の名前を呼び続け、やがて瞳からは光が失われていくのです……はぁはぁ……」

「興奮してんじゃねえよ」

「見て下さい、想像しただけでレイプ目になってきました」

「器用だな、おい」


「それとも新魔王様は、こういった寝取られシチュエーションがお好きなのですか?」

「レイプ目のまま普通に喋るな、気味が悪い」

「すいません、ちょっと待ってくださいね……ごしごし。これでどうです?」

「まだ片方がレイプ目だ」

「こっちですか?」

「逆だ、逆。……ああ、元に戻ったぞ」

「それで、新魔王様の寝取られ属性についてですが」

「最も理解できない性癖の一つだな。想像しただけで吐きそうになる」

「それを聞いて、ダーキルは安心いたしました。新魔王様が望まれるなら、寝取られレイプも受け入れなければならないかと覚悟をしていたのですが」

「受け入れようとか言っている時点で、それもレイプではないからな?」

「むー……レイプは奥が深いです。ダーキルはどうすれば、新魔王様にレイプして頂けるのでしょう」

「俺の知ったことか。だが少なくとも、レイプをされたいと言っている間はレイプされることは無いだろうな。何故なら俺は、レイプされまいと抵抗する美少女の表情をコレクションしたいからだ」

「……ち、近寄らないでください! こっちに来ないでください!」

「なんだよ急に」

「ダーキルは新魔王様にレイプされたくないです! 絶対にレイプされたくないです!」

「目をハートマークにしながら言われても説得力がない」

「するなよ!? 絶対にレイプするなよ!?」

「しねーよ!」



「まったく、なんで話が横にずれたんだ」

「ダーキルの下着も横にずらしましょうか」

「やかましい。ビデオカメラの使い方を説明するぞ」

「はーい」

「電源スイッチを押したら、ここの赤いボタンを押せ。RECというマークが出たら、撮影中ということになる」

「どれですか?」

「ここのスイッチを――って、顔が近いぞ。離れろ」

「近づかないと、よく見れないではないですか」

「それはそうなんだが……」

「どこのスイッチですか?」

「なぜ、俺の頬に頬を擦り寄せてくる」

「ちょっと見づらくて……どうぞ気にせず、説明を続けてください」

「右上のマークは電池残量、右下の数字は録画可能時間だが――」

「……くんくん」

「俺のチート能力によってどちらも無限に使えるようになっている」

「……はぁはぁ」

「おい、聞いているのか?」

「はい、今夜のおかずゲットです」

「意味が分からないんだが」

「こっちの話です。ではさっそく、撮影に行きましょう」

「撮影といっても、今はオークとレイプ目のエルフ娘しかおらんぞ」

「練習も大事ですよ。いざ本番となって撮影に手間取っては、新魔王様に怒られてしまいます」

「まあ、それもそうか。ちょうどこれから飯の時間だから、適当に練習をするといい」

「はーい」



「というわけで、101号室です。新魔王様は、ドロシーさんの食事を両手いっぱいに抱えています」

「ドロシー、飯の時間だぞ。開けてくれ」

「はーい、ご苦労さまだっちゃ。入ってけろ~」

「新魔王様は、料理もチート能力です。見てください、お腹を空かせたドロシーさんの、物欲し気な表情を! オークの青少年たちが見たら、行き場のない大量の子種が昇天すること間違いありません!」

「オデ、新魔王様の料理が大好きだっちゃ! こんなに美味しいもの、今まで食べたことないとよ!」

「まあ、この世界にある食材ではないからな。さっさと食――」

「新魔王様、お待ちください」

「なんだよ」

「貴重なオークのお姫様の欲情顔を、しっかり撮影したいと思いまして」

「欲情顔と言っても、食欲なわけだが」

「性奴隷ならぬ食奴隷ですね」

「こっちが一方的に養ってるだけじゃねえか!」

「まだ食べちゃダメだっちゃ? オデ、お腹が空いたけろ……」

「見て下さい、お預けを食っているドロシーさんの表情を。獣としての本能と、高貴なる王族としてのプライドの狭間で、涙目になっています」

「俺はレイプされる寸前の美少女の表情が見たいわけであって、飯を食う寸前のオークの表情など見たくはないのだが」

「その筋に売れば、かなりのお金になりますよ」

「夕飯時のグルメリポートかよ。可哀そうだから、さっさと食わせてやれ」

「失礼いたしました、ドロシーさん。それでは新魔王様の手料理を、存分にお楽しみください」

「いただきますだっちゃー♪」

「おやつはコンソメ味のポテトチップスだ。コンソメパウダー5倍だぞ、5倍」

「デュヒヒー!? オデ、コンソメ大好物だっちゃー!」

「ドロシーさん、絶頂昇天アヘ顔ダブルポテチです!」



「続いてやって参りました、102号室。新魔王様が持っているのは、元いた世界から取り寄せてきたという『ほ乳瓶』です」

「エルフの娘は放心状態だからな。こうでもしないと、何も口にしないのだ」

「食事と寝かしつけは新魔王様の担当、着替えとお風呂はダーキルの担当ですね」

「おいエルフ娘、飯の時間だぞ」

「……」

「相変わらず、反応はありません。新魔王様が地面に座って、エルフ娘を膝の上に仰向けにしました」

「ほら、飲むんだ。この新魔王様が、直々にくれてやるのだからな」

「先端を強引に桜色の唇に押し込んで、中から白い液体を流し込んで行きます」

「妙な言い方をするな」

「……(んっんっ)」

「少しずつですが、ミルクの量が減ってますね」

「ふふ、ちょっとしたコツをつかんでな。頭の後ろを軽く持ち上げて、同時にミルクを押し込むと反応するのだ。そら、見てみろ」

「……(んくんく)」

「お見事です! レイプ目ほ乳瓶というのも、なかなかにマニアックですね」

「おいダーキル、あんまり近づくなよ。エルフ娘が怖がるからな」

「失礼いたしました。ここはズーム機能を駆使しましょう」

「ククク……この瞳に再び光が宿り、恐怖と絶望に染まる時が実に楽しみだ」

「料理に子育てと、新魔王様は良いパパになりますね」

「何か言ったか?」

「いいえ、何でもありませんよ、パパ」

「誰がパパだ」



「撮影した動画は、『だーきるのふおるだ』に保存しておきました」

「あんなもの保存してどうするんだ」

「練習です、練習。それにもしかしたら、何か使い道が出てくるかもしれませんし」

「練習が済んだのなら、さっさと次のハーレム要員を捜してこい。自分の仕事を忘れるのではないぞ」

「ダーキルがビデオカメラを得たことで、さらわれる前の状況も撮影して来られますからね」

「おお、それはいいな! 是非とも頼む!」

「ふと思ったのですが、新魔王様もダーキルと一緒に、美少女を捜しに行かれてはどうなのです?」

「そうしたいのは山々なのだが、他にやりたいことがあってな。もう少し落ち着いたら、出向いても良いかと思っている」

「やりたいこと?」

「まあ、じきに分かることだ」


「そうですか。それでは、ダーキルは行って参ります」

「ちょっと待った。次はレイプ目じゃない美少女を連れてこいよ。反応がなくては、撮影しても面白くないからな」

「心得ております。今度はリアクション重視で捜して参りますね」

「頼んだぞ。レイプは抵抗されるほど燃えるからな」



-----現在のハーレム状況-----

【101号室 ドロシー(オークの姫)】

少し太ったかもしれない。


【102号室 名前不明(エルフの少女)】

少し手が動いた……ような気がした。

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