第五話 少しくらいはラノベっぽい展開も
朝、ダーキルが日課のおねしょ占いをしていると、眠そうな顔をした新魔王が庭へ降りてきた。
新魔王が大きなくしゃみをすると、ダーキルの股間と布団に集まっていた蝶たちが、お祭りのセレモニーのように色鮮やかに飛び立っていく。
「おはおーございます、新魔王様。今日も絶好のレ〇プ日和と出ています」
「お前、いい加減に何とかならないのか、その寝小便は。朝の空気を吸おうと庭へ出れば、お前が布団を干している。昼飯を食って散歩しようと外へ出れば、お前が布団を干している。寝る前に窓から外を見れば、魔王城のてっぺんでお前が布団を干している。いったい何の嫌がらせなんだ」
「嫌がらせのつもりはないのですが」
「小便をしたくなったらトイレへ行け。それだけのことが何故出来ない」
「ダーキルだって、ちゃんとトイレに行っています。でも、お布団に入ると何故かおしっこをしたくなってしまうのです」
「そうは言ったって、寝る前にもトイレに行っているんだろう」
「はい。寝る前にトイレに行きまして、さあ寝ようとお布団に入るとおねしょをしてしまい、お布団を干しに外へ出るのです」
「おかしいだろ。どんだけのスピードで尿が生産されているんだよ」
「ダーキルはお水をたくさん飲むので、おしっこが近いのです」
「それなら飲む水の量を減らせばいい」
「ダーキルはおしっこをたくさんするので、お水をたくさん飲むのです」
「それなら出す尿の量を減らせばいい」
「お水が先か、おしっこが先か……難しい問題ですね」
「いっそ、その口と尿道をホースで繫げてやろうか」
呆れ顔の新魔王は、異世界ポケットから大きな荷物を取り出した。
「トイレが間に合わないのならこれをはけ」
「わあ、可愛いドロワーズです。少し丈が短いようですが、これをはいて俺にレ〇プされろということですか?」
「違う。これは俺のいた世界でオムツと呼ばれるものだ」
説明するより見せた方が早いだろうと、新魔王を色のついた水を、開いたオムツにこぼしてみせた。
水はオムツに吸収されて、しかも表面はサラサラのままである。
「すごい、魔法のようです!」
「これをはいていれば、夜中に寝小便をしても布団を汚すことはないだろう。そもそもエルフの娘に使わせようと思っていたのだ。多めに渡しておくから、足りなくなったら俺に言ってくれ」
ダーキルにオムツを投げ付けた新魔王は、布団干しが終わり次第に魔王の間に来るようにと命令をした。
玉座に腰を掛け、コーラを飲みながら待っていると、扉がノックされてダーキルが入ってくる。
「遅いぞ。いつまで待たせ――ぶはっ!」
新魔王は飲みかけていたコーラを勢いよく噴き出してしまった。
部屋に入ってきたダーキルの下半身が、オムツをはいただけの姿だったのだ。
「ちょ、おま、下! 下! なんでオムツで来てんだよ!」
「可愛いので、このままでも良いかなと。せっかく新魔王様に頂いたものですし」
「そういうもんじゃない! ちゃんと上からスカートをはいて来い!」
魔王の間を追い出されたダーキルは、数分後、いつものスカートをはいて戻ってきた。
「まったく驚かせやがって」
「これが、そんなに恥ずかしいものですか」
ダーキルはスカートを両手でつまんで、はいているオムツをさらけ出した。
「めくるなーっ! お前には羞恥心というものがないのか!」
「何をおっしゃいます、恥ずかしいから気持ちいいんじゃないですか」
「余計にタチが悪い! だいたいお前はだな、普段から……」
新魔王がお説教をしようとすると、ダーキルはお腹を両手で抑えて、小さく体を震わせた。
「ううっ」
「おいどうした、具合でも悪いのか」
「いえ、新魔王様からいただいたオムツの性能を試してみようかなと」
「試すなーっ! トイレへ行って来い! 走れ!」
「そう申されましても、もう限界なので……あっ♡ んぅ♡」
「信じられねえ! こいつ本当にやりやがった!」
「ああ、新魔王様……ダーキルの恥ずかしいところを見ないでくださいっ……」
「お前が見せつけてるんじゃん! 正々堂々と漏らしてんじゃん!」
魔王の間に甘い香りが漂ってくると、新魔王は部屋を走り回って窓を全開にした。
おしっこを出し切ったダーキルは、満足そうに頬を紅潮させている。
「ふぅ……ダーキル、初めての快感でした。いつでもどこでもおしっこが出来るなんて、オムツは素晴らしいアイテムですね」
「間違っているから! そういう使い方じゃないから!」
「スッキリしたところで、お話をお伺いしたいと思います」
「はあ……で、次のハーレム候補は見つかったのか」
「お任せください、新魔王様。リクエスト通りの活きの良い美少女を見つけましたので、現在情報収集に当たっております。ですが、その前に一つ困ったことがありまして……そちらが解決されないと、ダーキルはお仕事を継続することができそうにないのです」
ダーキルはそう言って、一枚の手紙を新魔王に渡した。
≪魔王ムシュトワル殿≫
「誰だ、魔王ムシュトワルって」
「新魔王様が倒した前魔王、ダーキルのお父さんのことですね」
「あ、忘れてた。そういや生き返らせなくてもいいのか? お前の父親だろう」
「いつでも生き返らせることができるのなら、いつでもいいかなと。いたらいたで、面倒くさいですし」
「リアルな娘の反応って感じだな」
魔王ムシュトワルに同情しつつ、新魔王は手紙を読み進めた。
≪先達ての約定に従い、蒼と紅の月が交わる時までに、ダーキル姫を我が妃として連れて来られたし。なお僅かな時間でも違えた場合には、一族郎党皆殺しにした上、力ずくでダーキル姫を奪わせて頂く。 ハイエンダール伯爵≫
「たしかハイエンダールって、俺が異世界に来たときに人違いされたやつだよな」
「異界にまで名を轟かす、最強最悪の吸血鬼です。その力は魔王ムシュトワルの比ではありません」
「そいつが、お前を嫁に欲しいって?」
訝しがる新魔王に、ダーキルが事情を説明する。
かつてこの魔王城はハイエンダール伯爵の襲撃を受けた。殺戮を快楽とするハイエンダールは、魔王ムシュトワルをなぶり殺しにしようとしたが、幼かったダーキルの姿を見て一目惚れをし、成長したダーキルを妃にすることを条件に見逃されたのだという。
「その約定に記された時間が本日なわけです。どうにかしないと、ダーキルがハイエンダールの妃になってしまいますよ。新魔王様が大嫌いな、寝取られレ〇プをされてしまいます」
「寝取られるも何も、お前は俺の恋人でも何でもないだろう」
「ダーキルが他の男にレ〇プされても良いというのですか?」
「えー。そう言われてもなー。どうしよっかなー」
新魔王がからかうように言うと、ダーキルは真剣な表情で新魔王に詰め寄った。
「ハイエンダールは残忍で恐ろしい男です。単なるレ〇プでは済まされないでしょう。指を一本ずつ切り落とされ、生皮を剥がされ、あらゆる苦痛と絶望を味わわされることになると思います。ハイエンダールの城に連れ込まれた少女たちは、誰一人として生きて帰ることが出来ません。ダーキルは痛いのはイヤです。嫌いな相手にレ〇プされるのもイヤです。新魔王様、どうかダーキルを助けてください」
「いや、普通にお願いされるとリアクションに困るのだが。まあ、いいけど」
「ダーキルを助けて頂けるのですか?」
「助けるという訳ではないが、お前がいなくなると魔王城の管理に影響が出てしまうからな。さっそく出発するが、お前も一緒に行くのか」
「はい、お供いたします!」
新魔王は、手紙に付着した魔力からハイエンダールの居場所を特定すると、瞬時に空間転移を行った。
「だからと言って、会話もせずに殺してしまうのはいかがなものかと思います」
ダーキルは不服そうにため息をついた。
ハイエンダールの屋敷、謁見の間にある豪奢な椅子には、新魔王と目を合わせることもなく灰と化したハイエンダールが、さらさらと白い煙を上げている。地面に転がったグラスから血のようなワインが零れて、ハイエンダールの灰に滲み渡っていた。
「ここまで来ると、さすがにハイエンダールが哀れに思えてきます」
「お前が助けてくれと言ったんだろ。なんで敵に同情してんだよ」
「新魔王様は盛り上げ方というものが分からないのですか。ここは恐怖に怯えるダーキルを庇いつつ、そこそこ苦戦した上でハイエンダールを倒し、戦いで昂ったテンションそのままにダーキルをレ〇プする流れではありませんか」
「そんな流れは知るか!」
「はあ……ようやくライトノベルっぽい展開になったのに、これでは読者が付いてきませんよ」
「読者の都合など考えていられるか。最近お前、ネット小説に影響されすぎだぞ」
言い合いをする二人の周りで、ハイエンダールに誘拐されて来たらしい十数人の少女たちが唖然としている。
「せっかくダーキルが台本を用意して来ましたのに、徹夜の苦労が台無しです。責任を取ってください」
「ああ、わかった、わかった! いったん生き返らせて、そこそこ戦ってから倒せばいいんだろう?」
「違います、新魔王様。屋敷の入口からやり直すのです」
「うわ、めんどくせえ」
ダーキルの要望で屋敷の外に戻った新魔王は、ハイエンダールの屋敷に仕掛けられた罠を乗り越えて、再び謁見の間に戻ってきた。
「やっとここまで辿り着きましたね。数々の卑劣な罠が待ち構えていましたが、新魔王様が身を挺してダーキルを守ってくださいました。強大な魔物たちとの戦いの中で、二人の絆はより強いものになっています」
「なんだよこの茶番は。というかあの罠、お前、絶対に自分で避けられたよな」
「か弱いダーキルに、そんなことが出来るはずもありません。ところで生物は死の危険に際したとき、子孫を残そうと本能的に興奮するそうですが」
ダーキルは新魔王の股間部分をじーっと凝視した。
「まだ大きくなっていませんね」
「なるわけねーだろ! さっさと終わらせるぞ!」
新魔王が指を鳴らすと、灰になっていたハイエンダールが瞬時に復活した。黄金色の髪をした長身の青年が、新魔王を同じく黒いマントを羽織っている。
「何者だ、貴様は! どうやってこの屋敷に侵入した!」
新魔王はダーキルから渡された台本に目を通す。
「ええと……クックック、戦いのあとはどうにも血がたぎる。ダーキルよ、その身を俺に捧げるのだ」
「新魔王様、違います。今は12ページ目のここからです」
「……魔王ムシュトワルの使いの者です。ハイエンダール伯爵、約束通りダーキル姫をお連れいたしました」
「おおっ、なんと美しい! 比類なき闇の宝石と謳われ、天上の神々ですら一目で地獄に堕とされるという美と悪の化身、あのダーキル姫が、ついに我が物となるのか! これ以上の喜びは存在しえないだろう!」
ハイエンダールは満面の笑みで、仰々しく両手を広げる。それを見たダーキルが、新魔王の横で「ふふん」とドヤ顔をしていた。
「……お前、あいつにこれを言わせたかっただけじゃないのか」
「はて、何のことでしょう。この後はハイエンダールに苦戦をしつつ、ダーキルが『私のために新魔王様が傷つくのは耐えられません』と泣き叫んだところで、真の力を発揮するような流れでお願いします」
新魔王は「付き合ってられん」と、台本をダーキルに突き返した。
ハイエンダールは一歩ずつ幸福を嚙みしめるように玉座の段差を降りてくると、ダーキルの隣にいる新魔王を、ゴミを見るかのように一瞥する。
「使いの者よ、ご苦労だった。しかしこのハイエンダールの屋敷に、男が足を踏み入れることは決して許されぬ。本来であれば永遠に続く苦しみを与えてやる所だが、今の私は機嫌が良い。褒美として楽に殺してや――」
「うるさい、お前が死ね」
新魔王の一言で、ハイエンダールは絶命の声を上げるまでもなく灰と化した。
「こういうキザなキャラは嫌いなんだ。帰るぞダーキル、もう要件は済んだだろう」
「そうですね、良い気晴らしになりました。レ〇プには至りませんでしたが、新魔王様とデートもできましたし、ダーキルは満足です」
「デートじゃねえよ」
「それにしても新魔王様はお強いですね。あのハイエンダールをまったく相手にしないどころか、生死まで自在に操ってしまうとは」
「俺が考えた7大チート能力の一つ『生殺与奪』だ。自分が殺した相手を自由に生き返らせることが出来るという設定だが、別に自分が殺した相手でなくても生き返らせることが出来るぞ」
「では、この屋敷に散らばっている多数の骸を、同時に生き返らせることも?」
「簡単、簡単。ほらこの通り」
新魔王が指を鳴らすと、ハイエンダールに殺された女性たちが、傷一つない体で生き返った。
「お見事です、新魔王様。しかしハイエンダールまで一緒に復活してしまいましたね。まとめて生き返らせようとしたので、うっかり混じってしまったのでしょう」
狼狽えているハイエンダールを見ながら、ダーキルは新魔王に尋ねる。
「たしかに新魔王様はお強いのですが、殺す以外のことは出来ないのですか。例えばハイエンダールを無力化して、最弱にした上で永遠の命を与えてしまうとか」
できるに決まっている、と新魔王が右手を掲げる。
「かっ……体が動かぬ! 力が失われて……いったいどうしたというのだ!」
「だそうですよ、皆さん。復讐をしたいなら今のうちです」
事情を理解した女たちが、枝や硝子片を持ってハイエンダールに集まっていく。
「この後どうなるのでしょうね。ダーキル、こわくて見ていられません」
「何を白々しい」
その時、新魔王の肩がポンと叩かれた。新魔王が振り返ると、全身がツギハギだらけのゾンビ少女が立っている。思わず悲鳴を上げた新魔王は、隣にいたダーキルに抱きついた。
「あ、すいません。驚かせてしまいましたか」
ゾンビ少女は申し訳なさそうに頭を下げた。
「アンデッド系のモンスターかと思いましたが、どうやら違うようですね」
ダーキルの言葉に、ゾンビ少女は「はい」と頷いた。
「このような姿になってはいますが、これでも人間なのです」
そこでようやく新魔王は、ダーキルに抱きついていることに気がついて、慌てて飛び退いた。
「レ〇プされるかと思いました。ダーキル、大興奮です」
ダーキルは垂れてきた鼻血をハンカチで拭うと、少女に向かって「グッジョブです」と親指を上げる。
少女の名はノーラといった。ハイエンダールの実験によって不死の呪いを掛けられてしまい、死にたくても死ぬことが出来ないのだという。ハイエンダールを一瞬で葬った新魔王の力で、自分を殺して欲しいと懇願した。
「私をこの苦しみから救っていただけませんか。集中をしていれば、人間の姿を保っていられるのですが、少し気を抜けばこの通り」
ノーラが右手を突き出すと、ツギハギのあった部分が崩れて、地面に手首が落ちた。それを見た新魔王がまた悲鳴を上げて、隣にいるダーキルに抱きつく。
「死ぬことはできないのに、痛みばかりは鮮明に感じるのです」
「あそこにいるハイエンダールに頼んで、元に戻してもらえばいいではないか!」
新魔王の言葉に、ノーラは首を振った。
「私を不死にした後、ハイエンダールは私を殺す研究をしていました。しかし研究は上手く行かず、私は捨て置かれたのです。こうして苦しみ続けるのであれば、いっそのこと……」
「新魔王様、どうにかしてノーラさんを助けてあげましょう。ダーキル、今までにない義憤にかられています。ノーラさんにはありがとうという言葉では感謝を伝えきれません」
どくどくと流れる鼻血を抑えながらダーキルが言った。新魔王は再びダーキルに抱きついていたことに気づき、またも悲鳴を上げて飛び退いた。
「ま、まあ、やってみるか。殺してやればいいのだな」
新魔王は思いつく限りの攻撃でノーラに攻撃をした。しかしどれだけ細かい肉片にしようと、灰と化そうとも、ノーラは見る間に復活してしまう。
「くっ、馬鹿な!」
「ごめんなさい。やっぱり無理ですよね」
ノーラは申し訳なさそうに俯いた。
「お陰さまでハイエンダールの束縛から逃れることは出来ました。私は私を殺してくれる人を探しに、旅に出ようかと思います」
「待て! 俺に出来ないことが、他の誰かに出来るはずもない。こうなっては意地だ。お前は俺が責任を持って殺してやる」
「ほ、本当ですか?」
「魔王城にはいくらでも空き部屋があるからな。なに、すぐに解決出来るはずだ。とりあえず、お前が感じている痛みや苦痛を取り除いておこう」
新魔王が魔法をかけると、ノーラは驚いたように自分の手足を動かした。
「うそ、痛みがありません!」
「ふっふっふ、新魔王様にかかればこんなものだ」
「右手を外しても、胴体を真っ二つにしても痛くない!」
「いきなりグロ画像になるなぁぁぁーっ!」
「二度ならず三度までも抱きつかれては、ダーキルも耐えることができません!」
続けざまにダーキルが鼻血を吹き出し、あたりは血みどろの凄惨な状況と化した。
ハイエンダールの屋敷から戻った新魔王は、ぐったりと玉座に寄りかかる。ゾンビ少女のノーラは、103号室に入居させられることになった。
「チート能力の新魔王様でも出来ないことがあるのですね。ノーラさんを殺すことなんて、訳が無いことだと思っていましたが」
「消滅させるだけなら容易いことだが、それは死を与えることとは意味が違うのだ。この世界に存在する何かしらの魔法で、殺してやることが出来ればいいのだが」
「ところで、ノーラさんはレ〇プしないのですか。ゾンビ状態とはいえ、ノーラさんもかなりの美少女です。おっぱいも大きいですし」
「いや、無理だろ。手とか取れるし、腹から内臓とか出てくるんだぞ」
「世の中にはそういう趣味の方もいらっしゃるのでは」
「レベルが高すぎる。しかしレ〇プ出来ないのであれば、レ〇プ出来るようにすれば良い。無事にノーラを殺すことができれば、俺の力で生き返らせることができるだろう。綺麗な体にしてから、我が餌食としてやるつもりだ」
「なんという鬼畜な発想……殺して貰えるとばかりに喜んでいるゾンビ少女を、有ろうことか元に戻してレ〇プしてしまおうとは。新魔王様の恐ろしさに、ダーキルはおしっこを漏らしてしまいました」
「こんなところで漏らしてんじゃねえ!」
「でも大丈夫です、ダーキルはオムツをはいています」
「なら良……くねえよ! お前を嫁にしたいと言っていたハイエンダールが可哀想になってきたわ」
「ダーキルはお姫様ですので、みんなの夢を壊すような言動はいたしません。本当のダーキルをお見せするのは、新魔王様だけです♡」
「ノーセンキューだ」
★
――新魔王の鬼畜凌辱ハーレムメモ――
【101号室 ドロシー(オークの姫)】
コンソメポテチが大のお気に入りだ。一回のおやつで、スーパーのお菓子コーナーにあるコンソメ味をすべて食べつくかのような勢いである。食べているところは本当に幸せそうなので、ポテチのCMにはもってこいだと思う。釣られて俺も最近は、おやつにコンソメポテチを食べることが多くなった。
【102号室 名前不明(エルフの少女)】
部屋にテレビを置いて、子供向け番組を見せてみる。赤ちゃんのような状態なので、こういったものに効果があるかもしれない。並んで番組を見ていると、意外と面白いので困る。体操のお兄さんとお姉さんの陽キャラ感ってすごいよな。俺にはとても無理だと思う。
【103号室 ノーラ(ゾンビ少女)】
着替えを用意したのだが、元のボロ切れが気に入っているらしい。「新魔王様ってあんなに強いのに、私の姿が怖いのですか」と尋ねられた。怖いというか、単にグロ耐性がないだけだ。じきに見慣れれば、怖くもなんともなくなるはずだ。




