ヒーローは飛んで来るもんだろ?
拝啓お父様、お母様。そちらはまだ肌寒い頃かと存じますが、いかがお過ごしですか?
俺は今、上空3万メートルからノーロープバンジーをしております。
「こんちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
なんだこれ!
え、普通異世界召還とかってどっかの部屋の一室とか失敗しても草原とかじゃ無いの?!床が光ったらここにいんだけどさあ!
ねえなんで今俺空飛んでんの?
え、てかこれヤバくない?このままだと俺地面とランデブーだよ?!俺そんな重い(物理的に)愛受け止めらんないよ?!
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやば「ねえねえお兄さん、なんでそんな所にいるのー?」いやばいやばいやばいやばいやばいやば…
・・・?何か今誰かの声が聞こえた気がする。
「気がするじゃなくて聞こえたんだよー」
うん・・・うん?
「YOUどなた?」
「MEはね〜精霊さんなんだよ?」
「あー・・・。マジで?」
「マジで」
うん、助けを斯おう
この精霊さんに、助けを斯おう。大丈夫さ、きっと助けてくれるよ
「良いよ〜助けてあげるよ〜」
ほら、この精霊さんもこう言って…
「俺、声に出てた?」
「全然?ひたすらセッパ詰まった顔してたけど」
マジか・・・
「うん、超面白い顔してたー」
決定、こいつ心読めてるわ
「読めてるよー」
「じゃ、助けてくだざい」
心の中で土下座までしましたよ。ええしましたとも!
「OK!じゃあ仮契約ね!」
といって彼女?はいきなり俺の頬にキスを…ってはい?
「んじゃいきまーす『ストームウインド』ぉ!ってあれ?やっぱ[仮]じゃだめかー。ごめーん速度押さえきれなかったーもう地面まで20フェルくらいだし頑張って受け身取ってねー」
「ってうぇ?!ま・じ・か・よ!こん畜生め〜〜〜〜!!」
どごっ……「なんだなんだ?!」「おい!なんか空から降って来たぞ!!」「敵襲か?!」
「うっふぇうっふぇ…あーってぇ〜あんの野郎!って・・・えっと、何この状態…なんで俺囲まれてんの?」
すると俺を囲んでいた衛兵?の中から他の人たちより豪華な鎧を来ている人が来て
「おい!貴様何者だ!いったい何処から来た!!」
「えーっと・・・とりあえず言うんで槍をおさめてくれませんか?・・・」
「「「・・・・・」」」
無言の視線が痛い!!
もうほんと何から何まで全部言うんでゆるしてぇ〜
そのまま俺がひたすらアタフタすること5分。
「・・・はあ。こい、詰め所で詳しい話を聞く」
「分かりました!」
よかった〜とりあえずYOUしけーDeath!とかになんなくて…
あ、そろそろ立たないとだめだよな…
「ってうお「大丈夫?」んああ、ありがとう…ってお前、まだいたのか」
件の精霊さん(笑)が俺の体を支えてくれていた
「ひどい!」
「ははっ冗談だよ。ありがとな、ついでに歩けるように何かさっきみたいにかけてくんないか?さっきの衝撃で足がぷるっぷるでさ…」
「仕方ないな〜終わったら本契約してもらうからねー」
「?よくわからんけど分かった!おわったら契約な」
おお、大分よくなった!ってあれ?豪華な鎧のおじさん、そんなに震えて。どったの?
「お、おい…お前契約者……なのか?」
「そーだよー!この子は私のマスターなんだよー」
「………も、申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!!」
「えっと…あの、どうしたんですか?いきなり」
「まさか精霊使いどのだったとはいざ知らず。とんだご無礼を…」
え?精霊使いってなに??ドユコト???
ボソボソ「精霊使いっていうのは私みたいな精霊を使役する人、つまり今のYOUって事さ!」ボソボソ
あーそうゆうことね!ってちょっとこの人いつまで土下座してる気なの?!何かいや!よくわかんないけどなんかいや!!あと鎧土下座とか器用ですね!
「あ、あのとりあえず頭を上げてください!」
「で、ですが…」
「気にしてませんから!全然気にしてませんから!!とにかくまずは詰め所に行きましょう」
「は、はい!わかりました、こ、こちらです」
はー…どうすっかな〜このあと
結局俺の話術(ここ重要)でなんとか打ち解ける事が出来た
「は〜んで、制御に失敗してして落っこちて来た、っと」
「はい、いや〜参りましたよ全く」
結局適当に魔法の制御ミスってことにした。ちょっと悪い事したかな?
「災難だったなー坊主」
「ええ、それでここって何処なんですか?」
「ここか?ここはユラシアーネ大陸の南端、エルドシア王国のさらに端っこ。ウルシア町だぜ坊主」
うん、超〜世界の果てな気がする。
・・・ちょっとカマかけてみようかな?
「げ、めっちゃ端っこじゃないですか…」
「なんだ坊主、どっか行く予定でもあんのか?だったらこの町から船が出てるが」
「いや、予定と言うほどの物じゃないんですけど・・・そろそろ一回実家に帰らないとと思っていまして…」
うそだけどね、きっと実家があるのは次元の向こう側的なとこだから多分無理だけどね!
「何だじゃあここからなら東西北全部に船が出てるから、それで帰ったらどうだ?」
おお、これはこの世界が象の上に乗っかってるんじゃなく自転する惑星って事でいいのか?
「それは助かります!ちなみに幾らくらいかかりますかね?」
「ん?あ〜そうさなー最低でも大金貨500枚は確実にかかるわな・・・そーいえばお前さん、荷物はどうしたんだ?見た感じ、手ぶらに見えるが…」
うし来た!これで身分証の話に移れるな
「あー…飛んで行っちゃったんですよねー全部」
「全部?てことは身分証も・・・」
「すいません、バックごと遥か彼方です」
「あーまあ、町に入るのは別に身分証はいらねえからいいんだけどよ。船に乗るのに使うんだよなー」
「どっかで手っ取り早く身分証を作れませんかね〜?」
「・・・お前さん、金は持ってるか?」
「・・・ぜんぶ、飛んで行きました…」
「だよなー……まあしかたねえか。おい坊主!金出してやるからギルドに登録して依頼受けて稼げ、それが一番手っ取り早い」
「え、良いんですか?」
「ばかやろう、未来の大精霊使い殿に恩打ったと思えば安いもんだ!その代わり、偉くなってくれよ〜」
ああ、この人超いい人だ…人望厚そうだなー
あと、ギルドってどれだろー・・・。冒険者系なんだろうなーけどまあ…
「もちろんですよ!こう、世界中に轟くまでに成ってみせますとも!!」
「期待してるぞーこの野郎〜……んじゃ改めて、ようこそウルシア町へ」
んでその後冒険者ギルド(民営)で登録する時に精霊使いって言ったら80年ぶりだ〜とかでちょっと騒がれたけど他はとくに何も無く登録を済ませて受けたのが、コレ
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Fクエスト[グリーンボア10体討伐]
5日後までにグリーンボアの牙を10本納品
※納品する牙は全て右の牙にする事
報酬;800リグル
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なんでいきなり討伐系なのかと言うと精霊さん?ちゃん?が「お兄さんが私と本契約すれば多分竜ぐらい倒せると思う」と言っていたのと、…この世界で俺が今どの位の強さなのかが単に知りたいってのもある。
「じゃあ契約するから血、頂戴?」
「きゅ、吸血ですか…」
「ちがうちがう!一滴だけくれれば十分だから、ほれ」
「この手の中に落とせば、良いのか?」
「うん、間違っても頭に掛けないでよ〜?」
「はいはい、わかってますよー」
っと、刃物もって無いじゃん…
「はあ、しかたないなー指出して。」
「あ…やさしく、してね?」
「するよ!するからそんな言い方しないでよ!きもちわるいなーも〜」
ぐ、心がズキリと痛むぜ………ハイハイわかってますよ指でしょ、薬指で良いよねつかわないし。出す!出すからそんな冷めた目で睨まないで!!
スパッ………ポタタ「ハイかんりょー。」
「んで、YOUってのもあれだし。お名前教えて下さいな?」
「どんなのがいい〜?」
「え、もしかして名前こっちが付ける系?」
「ん、付ける系」
自信が無い…昔猫に白滝と付けたときの周りの微妙な笑顔は忘れない・・・
「じゃあとりあえず[精霊ちゃん]で」
「と、とりあえず。だよね?」
「も、もちろん!」
「「・・・・」」
「「ふ、不安だ」」
「あ、あれかな?グリーンボアって」
草原に出るとそこには緑色をした…1m2くらい?の猪が草を食べている姿がちらほらと見て取れた。
「…何故に緑・・・」
「ほら、地平線の向こうにうっすらと山が見えるでしょ。あそこには肉食の翼竜が居て、繁殖期にはこっちの方まで来るんだけど…あいつら目が悪いからボアは草原の色で迷彩してんの」
ワイバーン…近いうちに回収手段を考えて狩りに行こう(じゅる)
「あ、とりあえず一匹目は俺がGO出すまでは待機。あと俺の両手に殺傷力のある風を篭手みたいに纏わせてくれ」
「ほいよー。色はおまけね、次からは色無しで行くから〜」
「おお、緑の風。いいね〜、俺好みだよ」
さてと、残念ながら今は番い以上でしかいないようなので・・・
「先手で1体、右の個体を殺ってくれ。狙いは頸動脈と頸骨の神経、俺が出てから3コールで攻撃開始だ。…行くぞ!」
俺が走り出して残り20Mぐらいで“左の”が気づくがそれと同時に“右の”が血を噴き出しながら倒れる、さすがに風の刃は凄まじい程の隠密性だ。
いきなり片割れが倒れて左のが動揺で固まる。その隙に側面に回り込み拳を引っ掻くように流しつつ衝撃は背骨へと流し神経を圧迫する村本流古武術無手系奥義、裂き崩しをあてる。
あてた所が体の真ん中よりだった為か後ろ足から相手は崩れ落ちたのでこちらの頸動脈も手刀で切る。それより…この篭手型魔法?すごいな・・・本来あの技の流した方は軽く裂傷ができればいいかな?程度の物なんだけど、これはまるでチェーンソーで削ったみたいに肉が抉れてる。まあ篭手に毒を仕込む前提の技だから深さ本当は関係ないんだけど・・・え、ひきよう?それは野菜の星の超人の事を言うんだよ?この技は間・違・え・て・ちょーっとだけ配合が違うO・K・U・S・U・R・I♡を、な〜ぜ〜か篭手に仕込んで傷付ける時にう・っ・か・り・付けっちゃっただけなんDA!イヤー、グウゼンッテコワイネー(ハハハハハ)
…と、秘伝書に書いてあった。いや本当だよ?何で表現がこんなんなんだとか色々あるだろうけどそれは前師範がお茶目だっただけだから!私、ウソツカナーイ。
「で?前の師範ってどんな人なの〜?」
「え?俺だけど」
「やっぱお前か!!なんとなくそんな気はしてたよ!何で?ねえ何でそんなまじめそうな顔しといて中身自由奔放なの?!てかそれ以前に何でボア相手に奥義使ったの!!瞬殺だったじゃん!4コールめにはもう終ってたじゃん!!ねえ何でなの?!?!?!」
「え?殺りたかったから殺った、後悔はしていな「こんの狂戦士がぁ!」スッパーーーン…い」
「すべて魔物が怖かった〜とか、無我夢中だった〜とかが「いや無我夢中で奥義とかwww」だまらっしゃい!」
「あと、素が出てるぞ?」
「え?何の事カナ〜マスター?」
「うん、俺自分と身長が±15cm以内の人が好きなんだ。あとなんかその上目遣いはあざとい」
「つまり?」
「元々素に近い感じの猫かぶりだったけど俺には無駄だから素でいこうぜ?」
「ありゃ、ばれてた?」
「ついでに、その“空飛ぶ小人ちゃん”的な姿が本性じゃない事も分かってたよ?」
「いや、これも一応本性なんだよー?デフォルメ形態だから3割くらい力しか使えないけど」
「じゃあ本当の姿になって?」
「ふふーん、私の本名が分かれば。なってあげるよー?」
「ん?良いぞ。んーと…ウインディーネ=ウルフィオナ=スウィーシー、属性;風、階級;属性王?!ってまじか!」
「え、ま、ままさかアンタ。[解析]持ち?!だけどあれは消失したはずじゃ…」
へーコレって解析って言うのか、何か見てたら分かった時はビックリしたなー。けどまああれば助かるだろう!今みたいに!!
そのあと、ウインディーネ・・・長いし“ウル”でいいや、が本当の姿(ムチムチ清純系お嬢様風)になってからはもーひどかった。ウルに証明部位+皮のはぎ取り+魔石摘出+結界維持+俺への多重付与[速度、隠密、風剣]を並列処理してもらいつつどっちが多く狩れるかを競っていたら100体狩っていた(僅差で俺敗北、最後の広範囲魔法は恐ろしかった)まあボアはまだ1000体以上いるんだけどね。
そんでそれをギルド(冒険者と商業ギルドをはしご)で売ったら大金貨5枚+大金貨2枚(路地裏で話しかけて来た親切な2人組が豪華なアクセサリーと一緒にくれたんだ!やさしいね!だけどごめんよ、そんな心温まる場面は書くとR-18していしなきゃいけないんだって。なんでだろうね?)+大金貨3枚(再び商業へ行ってアクセ売ったらこれからも御贔屓にってタダでギルドカードくれた。だから服を数着とタオル、テント&ランタンと異次元バックって言う一杯入るバックをすすめられ2割値切ってかった。だから本当はもうちょい有ったんだけどねー…高かった)
さて、合計大金貨10枚を携え今俺は一体何をしているかと言うと。武器選んでます、いやさすがに金あんのに何時迄も無手は無いよ。
いま俺はひじょーに、悩んでる。
「うーん、細剣にするか小杖にするか。はたまた作ってもらうか…うーん」
かれこれ3時間である。理由は簡単、俺が完璧にスピードファイターだから。小杖に魔法の刃を纏わせて斬るべきか、元から細剣使うべきか……短剣は・・・無いな。無手に風の刃の方が威力が高い。…ナックルガードをちょっと改造すれば・・・いや、いざって時に投げ技が出来ないのは避けるべきだし俺はまだ手全体を使わないと流破は無理だし、縛りプレイは好きじゃない。
うん、やっぱりアレが良い。地球じゃまだ技術が確立してなかったから使えなかったけど魔法ならきっと出来る、いや出来ているのを見た。作って貰おう今すぐに!
3日後、ついにソレは完成した。早かった理由は俺が頑張ったから、足りない物を全部言わせそのまま商業ギルドで買って来て作ってもらった。まあ向こうに作って欲しいもの言ったら変な顔されたけど
ちなみに防具は魔物の素材で出来ていて着ても年中温度が一定と言う摩訶不思議素材で出来ている黒のロングコート(そう!今居る世界はファンタジー!!)対物、対魔、対呪効果が付いてる優れもの!値段は聞くな。
その持ち手は小杖より長く太い、上下にはそれぞれ厚み5cm程の円盤が取り付けられていて下の方の円盤には槍の石突を彷彿とさせる円錐状の物が付いており上の円盤は上にポッカリと穴が開いており剣などは刺さっていない。その本来中世では作られる事などあり得ないはずの、妙にSFじみているソレの名前は。
「ビー○サーベルだ!!」
「びー○さーべる?ってなにそれ??」
「(…はこの世界では通じないので、)簡単に言うと魔法で斬る事を前提に作ってある魔法剣だよ」
「?普通のとは違うの??」
「(この世界では)普通魔法剣って言うのはあくまでも補助として使われているだろ?」
「まあ確かに、だから魔法金属なんてのも出来た訳だし」
魔法金属、それは魔物の外装(角とか爪とかそこら辺も)と金属とかを魔力の親和性を利用して魔力で溶かしてインゴットにすると言う魔力量まかせの力技で、下手するとどんな金属よりも魔力消費量を抑えられるイロモノ系。欠点はどうしてもトレントの最上位種、アースエンシェントノバトレントと言うお前ソレトレントの名前じゃないだろ、龍の名前だろって感じの巨地、大陸ほどの大きさがある(獣人とエルフはここで住んでます)に消費量で勝てない所と。植物系だけは魔金(略)にする事が出来ない事理由は不明。そんな奴
「そ、だけどそれはあくまで金属で斬る為の技術。こっちは魔法を収縮させて切る。マジックアローと似た様なもんだよ、ただ質量がちがうだけ。」
正直この剣は燃費が悪い、多分属性王クラスでやっと物になるかどうか
なので次の提案はある意味必須になる。
「なあ、ウルは水の属性王と面識あるの?」
「?マブだけど?」
うーん、言い方が微妙に古い気がしないでもない・・・
「連絡とってくんない?契約を結びたいんだ」
「・・・・!、わたしはただの使い捨てだったのね!!ひどい男!最低!鬼畜!ひも!えーっとー、おたんこなす?」
「最後くらい決めろよ・・・てか今足りないのは回復力と親和性なんだよ。ほら、やってみようぜ!合成魔法で雷属性!!」
「えーまあいいけどさー・・・『ヘーイ!ウイナっち〜!暇〜?ちょとこっち来れる?え、あんたも好きだよねー…!!まじで!ありがとー楽しみに待ってるねー』・・・こ、これないってよ?」
「うそつけ、いま楽しみに待ってるっつってたろうが」
「1時間かかるって」
「何でまた?用事か?」
「いんや、あの子スウィーツに目がなくて今並んでんだって」
「あー!そうゆうことね!俺の分無かったらひと口頂戴?」
「ん?ああ、それ多分大丈夫。あの子きっとホールで5つぐらい買ってくるから」
「おー、そりゃ楽しみ。…ちょっとだけこの朧桜の試し切りしようぜ!」
「そうね、まだ朧桜がどの位魔力使うか分かんないし。そんなもの友達に見せらんないわ」
「んじゃ、いっちょやりますか!」
この世界にステータス画面は無いです。
ギルドカードがクレジットカード
単位は違っても長さは同じ
世界観は他の作品と同じ感じ
また合いましょう?






