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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ダブル・ビースト・イン・NTR・クリスマス

この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。

あと良い子は絶対真似しないでね。

 そんな、そんなことがあっていいはずがない。

 僕、根戸羅ねとら 玲央れおの前には信じられない光景が広がっていた。

 家に帰ってふと隣の家を見たら幼馴染の、友野ともの 音鳥ねとりが同じクラスの、釜洞かまほら 蓮太れんたと裸でくんずほぐれつしていた。

 まるでこちらに見せつけるように蓮太の上で腰を振る音鳥。幼稚園のころから一緒だったおとなしいお姫様のような雰囲気はそこにはなかった。まるで一匹の獣だった。


 

 この春、僕と音鳥は同じ高校へ進学した。桜満開の校門を通り、入学式を終えた僕らはこれからの生活に胸ふくらませ、自分たちの教室へ向かった。新しいクラスメイトや担任と出会う中でそいつに出会った。

 釜洞 蓮太。

 茶髪にピアス、それでいながら整った顔立ちのその男。30人いるクラスの中でもとびきり目立った存在。僕もいろんな目で目を奪われた。

 そのとき僕は気づいていなかった。隣の幼馴染もまた蓮太を見ていたことに。


 スポーツ万能で秀才、場を盛り上げることに天才的でみんなにやさしい蓮太に比べて、僕はとても平凡だった。スポーツそこそこ、勉強は平凡、友達とクラスの端でのんびり会話するのが日常。強いて違うところを上げるとすれば、男に興味があるってとこかナ。


 そんな僕はクラスの中心に立つ蓮太を見つめることしかできなかった。

 そんな関係に変化が訪れたのは体育祭の日。何の因果かリレーの選手に選ばれた僕は最後から二番目、アンカーである蓮太にバトンを渡すポジションで走ることになった。

 体育祭当日のリレーで僕にバトンがわたってきたとき、僕のクラスは三位だった。バトンを渡された僕は必死に走り、なんとか順位を変えることなく蓮太にバトンを渡せた。アンカーの蓮太はごぼう抜きで一位の座をもぎ取った。

 みんなで蓮太にかけより祝福の胴上げをするとき蓮太が僕に声をかけてくれた。

「すげぇな、お前!」

 社交辞令のような何気ない言葉だったけど僕にはとてもうれしかった。それ以降僕と蓮太は親しくなった。


 一緒にご飯を食べに行ったり、出かけたり。もちろん音鳥を含めた他のみんなも一緒だったけど。そのたびに僕らは親しくなっていったと思う。


 そしてついに僕は自分の思いを打ち明けようと決意した。クリスマスに告白するんだと。

そんな僕の決意を打ち砕くかのようにイブイブの夜、隣の幼馴染の家で二人はまぐわっていた。

 その光景を見た僕がどんなみっともないふるまいをしたかは語らない。一晩中部屋にこもっていると、気が付けば朝になっていた。

 もしかしたら昨日のことは夢だったんじゃないか。そんな淡い期待を抱いて窓を見る。

 幼馴染の家の窓はカーテンが閉められていた。

 とりあえずは現実を確認できないことに安堵すると、突然カーテンが開けられ、中には裸の音鳥がいた。音鳥は床で寝ていた蓮太を抱え起こすと無理やりディープなキスをしてそのままカーテンを閉めた。

 なんてことだ。やっぱり現実だったんだ。

 打ちひしがれた僕は自分のベッドに倒れこむ。


 その後どれくらいたっただろう。二時間か?三時間か?ふと隣の家から音鳥の「いってきます」の声が聞こえた。

 これはチャンスかもしれない。

 頭の中にそんな声が響く。普段なら理性の声がそれを止めるかもしれないが、今の僕の理性は寝取られたショックでぶっ壊れていた。

 僕は窓から出て屋根伝いに音鳥の部屋の窓に近づく。窓に手をかけゆっくり動かす。しめた、鍵が開いてる。

 部屋に入った僕は裸のまま床の上に倒れる蓮太を見つけた。

「うぁ……玲央か?助けに来てくれたのか……?」

 まだ意識のハッキリしていない蓮太が僕に気付いたようだ。

 助ける?なんてことだ。音鳥は蓮太を無理やり連れ込んだのか。こうしちゃいられない。蓮太を連れ帰らないと。

 蓮太を抱え自分の部屋に戻った僕は裸の蓮太に興奮してそのままファックした。

 イブの夜に二人の雄の声が響く。

 その光景を見て音鳥は血の涙を流した。


 そしてクリスマス当日の朝。

 二軒の家の屋根の上で向かい合う雄と雌。片方は僕、根戸羅 玲央だ。そしてもう片方は僕の幼馴染、友野 音鳥だ。

「へぇ、昔からおとなしかった玲央にしちゃ、思い切ったことするね」

 先制攻撃は音鳥だ。そこにかつての優しかった幼馴染はいない。獲物を取られ激怒する一匹の肉食獣がいた。

「そっちこそ。音鳥にあんながっつくタイプだとは驚いたよ。」

 僕も負けちゃいない。今の僕は青虫がさなぎになり蝶へと羽化したどころではない。鷹へと羽化したのだ。そのぐらいパワーにあふれている。


 僕と音鳥は視線をぶつけ、激しく火花を散らせる。現状はこっちが有利だ。なんせ蓮太は僕の部屋にいる。昨日やりすぎて疲れて眠っているところだ。

「いっとくけどね、最初は無理やりだったかもしれないけど最後には蓮太は私を受け入れてくれたよ。人の男取るんじゃないよ。」

「こっちだって最初は泣いてたけど、最後には向こうから腰振ってたよ。今はもう僕のものだ」

 そう、今蓮太の心はこっちにある。

「ふん、おめでたいやつ。蓮太がどうして玲央に近づいたと思ってるの?私に近づくためよ」

「強がりはやめなよ。ならどうして嫌がったのさ」

「ファックしようとしたらビビっただけ。なんなら蓮太に聞いてごらん」

「残念だけど蓮太は今眠ってる。それに僕たち二人は強いきずなで結ばれてる。音鳥の言葉は虚しいだけだよ」


(割愛)


「私は、私はただ玲央に振り向いてほしかっただけ……!でも今は蓮太にも心惹かれてるの!」

 音鳥は今にも泣きだしそうだ。

 まさかずっと隣にいた幼馴染の音鳥にこんな深い心の葛藤があったなんて。

「僕も音鳥のことを嫌いだったわけじゃない。むしろ好きだったかもしれない。男が好きな僕が唯一心惹かれたのが女の子が君だった。そんな自分の心が受け入れられなかった」

 僕自身も胸の内をぶちまける。そこにはもう殺気立った二匹の獣はいない。すれ違ってしまった悲しい幼馴染が二人いるだけだった。

「今更そんなこと言ったってしょうがないよ。二人とももう戻れないところまできちゃった」

 音鳥が諦めたようにつぶやく。

 僕もそれを黙って見つめるしかない。

 僕には好きな人がいて、彼女にも好きな人がいる。それは絶対に覆らない。

 だから僕たち二人は結ばれな…………

 

 いや、本当にそうか?

 僕は頭の中で天才的な閃きが生まれたのを感じた。

 まさに天啓、起死回生の策であった。これなら僕も音鳥も救われる。


「音鳥、それは違う。僕たちは幸せになれる。ハッピーエンドを迎えられる」


 翌日、アフタークリスマスの日。

 そこには三人仲良く街を歩く玲央、音鳥、蓮太の姿があった。

 昨日の夜激しく3Pした三人はお互いの愛を確かめ、三人カップルになることにしたのだ。

 和気あいあいとした三人。蓮太の目に光が宿っていないのを除けばだれが見ても幸せなハッピーエンドであった。

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