第4話 『王を呑み込む』
世界を揺らした三王同盟。
その中心にいたのが――
フランス発・老舗高級ブランド
Maison Étoile。
そして、アメリカ最大手
Grand Monarch Confectionery。
SweetSを包囲するはずだった二大巨頭。
だが――
戦場は“味”だけではなかった。
◇
ニューヨーク。
秋大が極秘会議を開く。
「敵は連合した瞬間、脆くなる」
理由は単純。
企業文化が違う。
利益構造も違う。
理念も違う。
連合は美しいが、脆い。
秋大は静かに告げる。
「分断して、飲み込む」
◇
第一手。
Grand Monarchの株を水面下で取得。
為替差益を利用し、短期投資ファンド経由で影響力拡大。
取締役会にSweetS側の人材が入り込む。
同時に、夏海が動く。
「共同開発を提案」
Grand Monarchの量産技術を評価しつつ、
高級ライン再建プランを提示。
敵対から協調へ。
◇
数週間後――
Grand Monarch Confectionery、買収合意。
世界が騒然。
アメリカ市場、完全掌握。
◇
だが本丸はフランス。
Maison Étoileは最後まで抵抗。
「SweetSは伝統を理解しない」
記者会見で強気の発言。
雅がパリ本店へ直接赴く。
歴史ある厨房。
壁に並ぶ創業時のレシピ。
雅は静かに言う。
「壊さない」
「進化させる」
伝統レシピを再現し、その上で改良案を提示。
味見した老職人が、黙る。
そして一言。
「……理解している」
◇
最終交渉。
優ちゃん、小春、秋大、雅。
四人がオンラインで並ぶ。
提示した条件は――
完全買収。
だがブランド名と歴史は保持。
職人も守る。
沈黙の後。
Maison Étoile、買収受諾。
◇
世界ニュース速報。
SweetS Global、
三大スイーツ企業完全制覇。
市場シェア世界一。
株価、史上最高値更新。
◇
ニューヨーク本社。
社員総立ち。
夏海が小さく拳を握る。
「副社長、やりましたね」
優ちゃんは微笑む。
「ここからが本当の経営だ」
小春は静かに言う。
「守る覚悟も、王の条件」
◇
パリ。
雅は旧Maison Étoile本店の窓から街を見る。
エレナが隣に立つ。
「あなた、本当に世界を変えたわ」
雅は小さく笑う。
「みんなでだ」
◇
だが――
ラストシーン。
ルイの《R》。
世界的批評家が記事を書く。
“SweetSは巨大になりすぎた”
“次に崩れるのは内側か?”
静かに、不穏な影。




