第2話 『王冠を奪え』
ニューヨーク――
SweetS Memories 本社・最上階。
緊急役員会。
スクリーンに映るのは、欧州三大スイーツブランドの一角――
Dolce Regale。
長い歴史。
王室御用達。
欧州高級市場の象徴。
その買収交渉が、水面下で進んでいた。
◇
優ちゃんが口を開く。
「敵対的買収ではない」
「完全統合だ」
室内がざわつく。
「資金は?」
夏海が資料をめくる。
「秋大の中欧ファンドが後ろ盾」
ポーランド拠点を軸に資本移動。
為替リスクも計算済み。
◇
数週間後――
世界同時発表。
SweetS Memories、
Dolce Regale買収成功。
市場は騒然。
株価急騰。
“アジア発、欧州制圧”の見出し。
◇
しかし優ちゃんは、さらに爆弾を投下する。
「MemoriesとButterflyを統合する」
完全合併。
ブランド再編。
商品開発ライン一本化。
新体制――
SweetS Global Division 発足。
◇
ニューヨーク本社ホール。
社員総会。
優ちゃんが宣言する。
「商品開発責任者に任命する」
スクリーンに映る顔。
雅。
会場がどよめく。
パリからオンライン中継。
雅は静かに頭を下げる。
「欧州の伝統と、SweetSの革新を融合させる」
「世界基準を、作る」
◇
夏海、副社長として隣に立つ。
「私は市場を動かす」
「雅は味を動かす」
兄妹ではない。
だが戦友。
◇
小春は社長室でニュースを見る。
涙が少し滲む。
「みんな、すごいね」
優ちゃんが後ろから抱き寄せる。
「ここからが本番だ」
◇
パリ。
旧Dolce Regale本店。
雅が厨房に立つ。
壁には歴史あるレシピ。
その横に、SweetSの革新的設計図。
「融合開始だ」
炎が上がる。
◇
一方――
世界三大企業の残る二角が緊急会議。
「SweetSは止めなければならない」
新たな敵が動き出す。
◇
ラスト。
SweetS Global誕生。
雅、世界商品開発責任者就任。
夏海、副社長として実権拡大。
そして。
ルイの《R》が、
“世界一皿10万円”の超限定コースを発表。
頂点争いは、さらに激化。




