第18話 『長兄、降臨』
ニューヨーク・JFK空港。
一人の男が到着ロビーに現れる。
長身。落ち着いた眼差し。
シンプルなスーツ。無駄のない動き。
優ちゃんの兄――
秋大。
ポーランドを拠点に、欧州投資ファンドを率いる実力者。
目的はただ一つ。
「SweetSの本質を見に来た」
◇
SweetS Memories 本社。
優ちゃんの前に立つ秋大。
「久しぶりだな」
優ちゃんは苦笑。
「監査か?」
秋大は首を横に振る。
「視察だ」
「家族の会社が世界企業になった。確認する義務がある」
空気が張りつめる。
◇
会議室。
秋大は無言で資料をめくる。
売上。
株価推移。
ブランド買収履歴。
SweetS Butterflyとの連携構造。
質問は鋭い。
「成長率は持続可能か」
「リスクヘッジは?」
「Memoriesの独立性は十分か?」
役員たちが圧倒される。
◇
そこへ夏海が入室。
「お兄ちゃん、怖い」
秋大はわずかに笑う。
「お前が責任者か」
夏海は堂々とプレゼン。
最新ヒット商品の戦略説明。
欧州市場展開案。
秋大の目がわずかに柔らぐ。
「なるほど」
◇
夜。
小春も同席したディナー。
秋大は静かに言う。
「SweetSは家族経営の枠を超えた」
「だが強みも、弱みも、家族だ」
優ちゃんが問う。
「投資家目線でどう見る?」
秋大は答える。
「合格点だ」
「だが――本社とMemoriesの成長曲線に差が出始めている」
小春の表情が引き締まる。
◇
パリ。
雅にも連絡が入る。
「秋大が動いた?」
エレナが尋ねる。
雅は頷く。
「兄弟が揃うと、何かが起きる」
◇
翌日。
秋大は本社屋上で優ちゃんと二人きり。
「ポーランドに欧州統括拠点を置け」
突然の提案。
「中欧は伸びる」
「俺がバックにつく」
優ちゃんの目が見開く。
巨大な布石。
◇
ラスト。
秋大、投資支援を示唆。
SweetS欧州再編計画が動く。
兄弟三人が世界をまたいで交差する。
そして――
ルイの《R》、パリで極秘試食会開催の噂。
世界がさらに加速する。




