第17話 『妹、参戦』
ニューヨーク――
SweetS Memories 本社。
優ちゃんのデスクに、一通の履歴書。
名前:夏海
希望部署:商品開発。
優ちゃんは深くため息をつく。
「本気か……」
◇
会議室。
役員たちがざわつく。
「身内登用ですか?」
「公私混同では?」
冷たい視線。
だが優ちゃんは冷静。
「試験とプレゼンで決める」
「特別扱いはしない」
ドアが開く。
夏海、堂々と入室。
◇
プレゼン開始。
テーマ:
“日本×ニューヨークの融合スイーツ”
彼女が提案したのは――
抹茶ティラミスの再構築。
味噌キャラメルのマカロン。
桜×ベリーの発酵ムース。
斬新。
だがロジックが緻密。
市場分析データ完備。
ターゲット層明確。
役員の空気が変わる。
◇
最後に夏海が言う。
「私は雅を連れ戻しに来た」
「でも気づいた」
「SweetSは、家族のものじゃない」
「世界のもの」
静寂。
優ちゃんは静かに言う。
「合格だ」
◇
数週間後。
夏海、正式に入社。
そして――
商品開発責任者に抜擢。
社内が再びざわつく。
だが初の新作発表会。
《Memory Bloom Series》
発売初日、即完売。
SNSトレンド入り。
株価上昇。
アメリカ市場シェア拡大。
◇
パリ。
雅がニュースを見る。
画面に映る夏海。
堂々とインタビューに答える姿。
「家族だから、遠慮はしません」
雅は苦笑。
「強いな」
隣のエレナが微笑む。
「あなたの家族、素敵ね」
雅は静かに頷く。
◇
ニューヨーク。
小春は復帰準備をしながら言う。
「夏海ちゃん、すごいね」
優ちゃんは腕を組む。
「昔から負けず嫌いなんだ」
だが目は誇らしい。
◇
夜。
夏海、開発室で一人。
スマホを見る。
雅からメッセージ。
『誇りに思う』
夏海、少しだけ涙。
「……まだ帰らせないから」
◇
ラスト。
SweetS Memories、急成長。
夏海、次世代エースに浮上。
雅とエレナの距離、少し縮まる。
そして――
ルイの独立ブランド《R》、ついに動き出す。




