第10話 『逆転の一手』
ニューヨーク市場、開場前。
世界が注目していた。
欧州最大手
Lumière Holdings による
SweetS敵対的買収。
だが――
その裏で、静かに動いていた者がいる。
優ちゃん。
そしてMemories財務チーム。
◇
SweetS本社・極秘会議。
ルイが腕を組む。
「本気か?」
優ちゃんは淡々と資料を示す。
Lumièreの内部財務。
過剰投資。
欧州店舗の収益低下。
株主の不満。
「弱点は、ある」
小春が静かに言う。
「攻められる前に、攻める」
全員が息を呑む。
「逆に――買う」
◇
市場が開く直前。
Memoriesと複数投資ファンドが動く。
Lumière株を大量取得。
水面下で筆頭株主に迫る。
欧州メディアがざわつく。
“買収側が買われる?”
◇
パリ本社。
Lumière代表が報告を受ける。
「不可能だ!」
だが現実。
株価が急騰。
市場は混乱。
SweetS・Memories連合が
公開買付けを正式発表。
◇
ニューヨーク。
オンライン緊急会見。
壇上に立つのは小春。
隣に優ちゃん。
後方にルイ。
小春は静かに宣言する。
「SweetSは、守るために戦います」
「そして本日」
「Lumière Holdingsの過半数株式取得に成功しました」
一瞬の沈黙。
そして世界が揺れる。
買収成功。
敵対企業、吸収。
◇
株価は爆発的上昇。
SNSトレンド。
“SweetS最強”
“逆転劇”
“若き経営陣の奇跡”
Butterflyチームは歓声。
雅は呆然。
「兄貴……すげぇ」
◇
ルイが静かに言う。
「これで敵なしだな」
優ちゃんは首を振る。
「慢心するな」
だが、目は誇らしい。
◇
病院の定期検診帰り。
小春は空を見上げる。
守った。
会社も、仲間も、未来も。
優ちゃんが言う。
「世界一、見えてきたな」
小春は微笑む。
「まだ途中」
お腹を撫でる。
「この子が生まれる頃には、もっと大きくなってるかな」
◇
ラスト。
パリ。
Lumière旧本社。
新しい看板が掲げられる。
《SweetS Europe》
そして。
ルイの元に一通のメール。
差出人――元Lumière幹部。
件名:
“あなたの弱点を知っている”
敵なし?
本当に?
物語は、さらに大きく動く。




