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スイーツアカデミー恋愛物語~世界へ駆けろ!目指すは、世界一!  作者: 優貴(Yukky)


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第4話 『託された炎』


ニューヨーク・SweetS本社。

緊急役員会。

議題はひとつ。

――小春の産休。

妊娠三ヶ月。

医師からは安静気味の指示。

小春は会議室の中央で立ち上がる。

「しばらく現場から離れます」

ざわめき。

世界展開の中心人物。

SweetSの“顔”。

その不在は大きい。

幹部の一人が口を開く。

「代理は……?」

空気が重くなる。

その時。

優ちゃんが静かに言う。

「決めてある」

視線が集まる。

「SweetS本社 会長兼任社長代理――」

一拍。

「龍星ルイ」

会議室が凍る。

「……俺?」

ルイは目を細める。

Butterfly責任者。

だがSweetS本社は別会社。

しかもトップ代理。

幹部たちは動揺する。

「元世界王者とはいえ、彼はMemories側の人間では?」

「社内外の印象が――」

優ちゃんは淡々と言う。

「今、SweetSに必要なのは“数字屋”でも“広告塔”でもない」

「現場を知る人間だ」

小春が続ける。

「私が一番信頼できる職人」

ルイと目が合う。

そこに元夫婦の曖昧さはない。

ただの信頼。

会議後。

屋上。

ルイは小春に言う。

「本気か?」

「本気」

「俺はお前を支える側だ」

小春は笑う。

「今は任せたいの」

「私が守るべきものは、もう一つ増えたから」

お腹にそっと手を当てる。

ルイは静かに息を吐く。

「……わかった」

「代理だろ?」

「なら、完璧以上をやる」

社内正式発表。

《龍星ルイ

SweetS本社 会長兼任社長代理 就任》

株価は一瞬揺れる。

だがニュースは世界を駆け巡る。

“元世界王者、元CEOの元夫が経営トップに”

話題性は抜群。

初出社の日。

ルイはスーツ姿で現れる。

だが挨拶は短い。

「俺は経営者じゃない」

社員がざわつく。

「職人だ」

「だから現場から見る」

翌日から。

彼は各国店舗を回る。

厨房に立ち、試食し、スタッフと議論。

デスクワークは夜中。

鬼のような働き方。

一方、小春。

自宅で静養。

窓辺で紅茶を飲む。

少し不安な顔。

「会社、大丈夫かな」

優ちゃんが隣に座る。

「大丈夫」

「ルイは、ああ見えて責任に強い」

小春は微笑む。

三人で支える会社。

形は変わった。

でも絆は、強くなっている。

数週間後。

売上報告。

改善傾向。

品質評価アップ。

現場満足度上昇。

幹部が驚く。

「代理就任後、現場の離職率が減っています」

理由は単純。

トップが厨房に立つから。

夜。

ルイは一人、本社オフィスで窓を見つめる。

「俺は、守る側か」

かつて奪う側だった男。

今は支える立場。

それも悪くない。

スマホにメッセージ。

小春から。

“ありがとう”

短い一言。

ルイは小さく笑う。

「早く戻ってこい、会長」

ラスト。

小春、安定期へ。

ルイ、経営の才能を見せ始める。

優ちゃん、Memoriesで巨大買収交渉中。

三人のバランスは、奇跡的に保たれている。

だが――

世界は静かに動いている。

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