表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スイーツアカデミー恋愛物語~世界へ駆けろ!目指すは、世界一!  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/84

第17話 『数字と温度差』

ニューヨーク。

SweetS本社オフィス。

巨大スクリーンに映る売上推移。

右肩上がり。

投資家向け資料には、次の文字。

NASDAQ上場準備開始

会議室には緊張と高揚が混ざる。

優ちゃんがプレゼンする。

「来年Q4上場を目指す」

企業価値は今がピーク。

攻めるなら今。

資本を一気に集め、世界同時展開。

ロンドン、ドバイ、ソウル。

一気呵成。

小春は黙って聞いている。

資料をめくる指が止まる。

「……店舗数、倍?」

「3年で」

優ちゃんは迷いなく言う。

「ブランドは“規模”で価値が決まる時代だ」

正論。

でも。

小春は小さく息を吐く。

「味の管理は?」

「標準化チームを作る」

「現場の温度は?」

優ちゃんが一瞬黙る。

夜。

オフィスの窓際。

マンハッタンの夜景。

「不安か?」

優ちゃんが聞く。

小春は正直に答える。

「うん」

「大きくなるのが怖い?」

「違う」

間。

「SweetSが“ただの会社”になるのが怖い」

優ちゃんの目が揺れる。

「会社だよ、もう」

「分かってる」

でも。

小春の中では、SweetSはまだ“工房の延長”。

人の心を救うスイーツ。

量産される商品じゃない。

メキシコ。

ルイは現地スタッフと笑っている。

厨房の温度。

笑い声。

焦げるキャラメルの匂い。

ニュースを見る。

《SweetS 上場準備》

小さく呟く。

「遠くなったな」

でも、どこか違和感も感じる。

ニューヨーク。

上場準備ミーティング。

外部コンサルが言う。

「創業者の物語は“感情”を打ち出すべきです」

「離婚、再起、元夫との再共闘…非常にドラマ性がある」

小春の顔が曇る。

優ちゃんは即答。

「プライベートは出さない」

だが投資家は違う。

「ストーリーは株価を上げる」

空気が冷える。

会議後。

小春が言う。

「利用されたくない」

優ちゃんは静かに返す。

「利用じゃない。戦略だ」

正論と感情。

すれ違いが、はっきり形になる。

その夜。

小春は一人、試作室にこもる。

久しぶりに、一皿だけ作る。

シンプルなショートケーキ。

派手さゼロ。

一口食べる。

涙が出る。

(これが原点)

ラスト。

SweetSは巨大企業へ進む。

でも。

小春の心に、小さな違和感。

優ちゃんは未来を見ている。

小春は“温度”を守りたい。

そして――

メキシコから一本の連絡。

ルイがニューヨークに来る。

理由は、まだ分からない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ