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スイーツアカデミー恋愛物語~世界へ駆けろ!目指すは、世界一!  作者: 優貴(Yukky)


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第4話 『焦げついた真実』

東京。

《Lumière》の厨房。

記者たちが店の前に張りついている。

《離婚危機》

《世界一夫婦、崩壊》

噂はもう、隠せる段階じゃない。

ルイは一枚の封筒を握っていた。

差出人は――

あの“写真の女性”。

名前は、美咲。

大会スポンサー企業の広報担当。

あの夜、同席していた人物。

封筒の中身は、USBメモリ。

震える指で、再生する。

映像。

ホテルのラウンジ。

自分と美咲。

距離が近いカット。

だが、次の瞬間。

別角度の映像が映る。

ルイが明確に距離を取っている。

手を振りほどいている。

そして――

美咲が、わざと腕を絡める瞬間。

さらに別の音声。

「奥さんとの“理想像”が邪魔なんです」

スポンサー契約更新のためのスキャンダル。

完璧な夫婦像を崩すことで、話題を作る。

仕組まれていた。

だが――

最後の場面。

酔った自分。

拒みきれなかった一瞬。

完全な無実ではない。

隙を作ったのは、自分。

ルイは拳を握る。

怒りよりも、後悔。

小春に言った言葉が蘇る。

「一度だけだ」

あれが、致命傷だった。

説明しなかった。

守ろうとしなかった。

プライドが、邪魔をした。

海辺のカフェ。

小春は優ちゃんと静かにケーキを仕上げている。

そこへ、ニュース速報。

《Lumièreオーナー龍星ルイ、緊急記者会見》

小春の手が止まる。

東京。

無数のカメラ。

ルイは一人で立つ。

氷の天才は、今日は氷じゃない。

「今回の報道について、事実を話します」

会場が静まる。

「写真は事実です」

ざわめき。

「ですが、意図的に仕組まれたものでもあります」

映像を公開。

会場がどよめく。

スポンサー企業の関与。

美咲の発言。

すべて明るみに出る。

だがルイは続ける。

「しかし」

声が低くなる。

「隙を作ったのは、俺です」

沈黙。

「妻を傷つけたのは、俺です」

言い訳しない。

守らない。

ただ事実を背負う。

「彼女が離れると決めたなら、受け入れます」

記者が問う。

「復縁の可能性は?」

ルイは一瞬、目を閉じる。

浮かぶのは、海辺で泣く小春。

「可能性を語れる立場じゃない」

「でも」

顔を上げる。

「俺は、まだ愛しています」

フラッシュが炸裂する。

海辺。

小春はその映像を最後まで見ていた。

優ちゃんが静かに言う。

「……どう思う?」

小春は答えられない。

罠だった。

でも。

隙はあった。

嘘はあった。

信頼は、揺れた。

胸の奥に、小さな熱が戻りかける。

でもすぐに冷える。

(信じて、また傷ついたら?)

夜。

カフェの外。

ルイが立っている。

会見直後、そのまま来た。

スーツのまま。

疲れ切った顔。

優ちゃんが先に出る。

「全部話したね」

「ああ」

「それでも彼女が戻らなかったら?」

ルイは迷わない。

「それでも待つ」

真っ直ぐ。

嘘はない。

優ちゃんは小さく息を吐く。

「……やっかいだな」

本気だと、わかるから。

扉が開く。

小春が出てくる。

視線が合う。

波の音だけが響く。

「聞いた」

それだけ。

ルイは頷く。

「遅かった」

小春の声は静か。

「守ってほしかったのは、後からじゃない」

ルイの喉が詰まる。

正論。

痛いほど。

「……ごめん」

小春は目を逸らす。

「今はまだ、無理」

完全拒絶ではない。

でも、許しでもない。

その曖昧さが、いちばん苦しい。

ラスト。

夜の海。

三人の影。

揺れる関係。

再生は、簡単じゃない。

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