表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スイーツアカデミー恋愛物語~世界へ駆けろ!目指すは、世界一!  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/84

第9話 『最強のライバル、現る』

全国製菓学生大会――開幕。

会場は、都内最大級のコンベンションホール。

甘い香りと、緊張が混ざった空気。

各地の代表校が並ぶ。

その中でも、ひときわ注目を集めるチームがあった。

「見ろよ……あれ」

「去年の優勝校だ」

現れたのは、名門・フランス帰りのエリートが揃う強豪校。

その中心に立つのは――

高身長、整った顔立ち、余裕の笑み。

「久しぶりだな、ルイ」

ルイの足が止まる。

「……神崎」

神崎蒼かんざき あおい

昨年の全国王者。

そして――

ルイが“一ミリ差”で敗れた相手。

「まさか同じ舞台に戻ってくるとは思わなかったよ」

余裕のある声。

「しかも、ペア?」

視線が小春に向く。

値踏みするような目。

小春の背筋がぞくりとする。

「君が新しい相棒か」

にこりと笑う。

でも、その笑顔は冷たい。

「大丈夫? ルイは完璧主義だから」

「少しでもズレると、容赦ないよ?」

小春は、ぎゅっと拳を握る。

「大丈夫です」

神崎が目を細める。

「へえ?」

「わたし、ズレても立て直せるので」

一瞬、空気が止まる。

ルイが横目で小春を見る。

神崎はふっと笑う。

「面白い子だ」

でもその目は、完全に“敵”だった。

控室。

ルイは無言。

小春は思い切って言う。

「怖いですか」

「……あいつは強い」

即答。

「技術も、メンタルも」

「でも」

小春は続ける。

「ルイくんも強いです」

「完璧じゃなくても、勝つって言いましたよね」

ルイは一瞬だけ目を閉じる。

思い出す。

あの日の一ミリ。

拡大された断面。

観客のざわめき。

「……ああ」

目を開ける。

そこに迷いはない。

第一競技開始。

テーマは――「革命」。

制限時間三時間。

神崎チームの動きは圧巻だった。

流れるような連携。

精密な飴細工。

観客席から感嘆の声。

「やっぱり王者……」

一方、小春とルイ。

「飴の温度、あと三度上げる」

「はい!」

呼吸は合っている。

でも、神崎の完成度は別格。

残り十五分。

神崎がこちらを見る。

余裕の笑み。

「また一ミリ、ズレるなよ?」

挑発。

ルイの手が一瞬止まる。

その瞬間――

小春が言う。

「大丈夫です」

強い声。

「わたしたち、ズレても戻せますから」

ルイの視線が小春に向く。

震えてない。

真っ直ぐだ。

「……ああ」

短い返事。

でも、もう手は止まらない。

完成。

神崎チームは芸術作品のような一皿。

隙がない。

対する小春たちの皿は、

荒々しさと、温かさが混ざった構成。

完璧ではない。

でも――生きている。

審査が始まる。

緊張。

沈黙。

神崎が小さく笑う。

「楽しませてくれよ、ルイ」

ルイは視線を外さない。

「今度は、逃げない」

結果は、まだ出ない。

第一競技は接戦。

審査員たちの表情は読めない。

全国大会は、想像以上に過酷。

そして明らかになる。

神崎はただのライバルではない。

ルイにとっての“壁”。

小春にとっての“試練”。

甘さだけじゃ勝てない。

情熱だけでも足りない。

でも——

二人には、もう一つある。

“再生”を知っている強さ。

全国の舞台で、

本当の戦いが始まる。

――つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ