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はじまり
2040年5月。
季節外れの黄砂が窓を曇らせる午後、俺はカップ焼きそばの湯切りに失敗していた。
「あっつ……またかよ……」 フリーター生活も5年目に入った。
バイトは週3、あとは家でYouTubeか、最近はよく寝てる。
人生に“起伏”という文字はなく、代わりに“既読スルー”だけが積み重なる。
そんな俺の部屋に、不釣り合いな音が鳴った。
「ピンポーン」 インターホンの音。こんな時間に? 宅配は何も頼んでない。
Amazonもヨドバシも、何も― ドアを開けると、そこには小さな段ボール箱。
差出人不明。伝票も白紙。宛名だけが、手書きでこう記され ていた。
「未来のあなたへ」
このときの俺はまだ知らなかった。この箱が、“時間”を揺るがすスイッチになることを。
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