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「とにかくこのことはギルド長に報告をしなくてはいけない」
「はあ」
「一緒に付いてくるように」
「わかりました」
納得はしてない。
が、ここでグチグチ言っても、どうしようもないので、大人しく付いていくことにした。ギルドの人たちは全員「話が違う」としきりに主張している。そう言われても、生やせとしか言われてないと思うんだけど。それに生やしちゃったものは仕方ないし。私のせいじゃないし。
『実際、聖樹の植えなおしって出来るもんなの?』
彼らの後ろをついていきながら、隣を歩くアスランにこっそりと聞いてみると、あっさりと頷かれた。出来るんだ。
「出来る」
「へぇ」
意外……でもないか。実際、私の裏庭に生えていたやつは、そのまんまにしておいて、ここにもう一本生やしてるんだから……ってあれ?
「そういえば、私のいた国にも生えていたよね?あれはそのまんま?」
「ああ」
「生やせる本数ってあるの?」
「上限はない」
「ないんだ」
「ただ、生やしすぎると俺も忘れるからな。聖樹としての力が失うこともある」
上限はないけど、あまり数を増やすとよくないのかな。
「それって詳しく聞いてもいいもの?」
「あとで話す」
「わかった」
「おい。なに後ろで、こそこそ話してる」
「すみません。ちょっと朝から疲れちゃってるみたいで」
「その年齢で夫に逃げられるなんて、大変だな」
「はぁ。まぁ」
あはは。と笑ってごまかす。アスランを私の子どもと勘違いしているみたいだけど、神様ですと正直に紹介するわけにもいかないので、笑うしか出来ない。
そのあと、ギルド長の元に行き、聖樹が生えたことを説明すると、「う~ん」と、腕組をして、なにやら悩んでいる。
「場所を変えることは出来ないのか」
「出来ないです」
「本当に生やすなんてなぁ」
「生やしたらいけませんでしたか」
「まさか本当に聖樹を生やせるなんて思っていなかったこちらが悪い」
おお。ギルド長は、話が出来る。
そうそう。そもそもそっちが馬鹿にしたように本当に生やせるものなら生やしてみろって言ったんだから、生やしただけなんだよね。
「時間も場所も指定してなかったからなぁ」
「まさか私もこんなすぐに生やせるとは思っていませんでしたからね。すみません」
「お嬢ちゃんは、どうやって聖樹を生やしたんだ」
「すみません。私が生やしたわけではなくて、その神様が……」
聖樹がどうやって生えたか。
そんなの私も知らない。私が生やしたわけではなくて、神様が生やしたんだし。
私も寝ている間に勝手に生えていたことを伝えると「なるほどな。お嬢ちゃんはお守り屋?っていうのをやってるんだったか」と、なんだか納得したように頷かれた。




