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世界樹→聖樹に名称改めてます。
「んぅ?」
目を外に向けるとずいぶんと明るい。たぶんお昼は過ぎたころか。部屋には誰もいなかった。あれだけ寝ころんでいた小さな職人たちの一人も見当たらない。私を起こすことなく、帰ってしまったのだろう。
小さいころ、父と祖父が私に何も言わずに出かけて行ってしまったときのような、置いてけぼりにされた時を思い出す。さびしい。
「やっと起きたか」
「アスラン」
「木、植えといたぞ」
「え?もう!?」
「見てみろ」
私は家を飛び出すと、そこには大きな聖樹が生えていた。飛び出した国で見た時と同じくらいに大きくて立派な聖樹がそこにあった。
「すごい……本当に一晩で生えた」
「な?だから言ったろ?簡単だって」
「これなら、この国の人たちも文句言わないね。にしても、こんなに早く生やすなんて」
「俺は仕事が早いんだ」
ふふん、と得意そうに言うアスランの頭を撫でようとして、昨日の出来事を思い出して手を止めた。子どもの姿だからってあんまり気安いのは良くないか。
「お?いいんだぜ。俺の頭撫でてくれても」
「無礼じゃない?」
「いまさらだろ」
アスランが気にしていないようなので、素直に頭を撫でると、嬉しそうに笑って「すごいだろ~。もっと褒めてくれていいんだぞ」というので「すごいすごい」と撫で繰り回した。
そんな私たちの姿を見ていたポン助が、俺も撫でろ!と言わんばかりにワンワン吠えながらグルグルと興奮したように走り回り、頭を体に押し付けてきた。
「ポン助も可愛い可愛い」
「わん」
ワイワイ私たちが、はしゃいでいると「なんじゃこりゃあ!」と男の人たちの声が聞こえた。
ギルドの人たちが、様子を見に来たらしい。
「本当に木が生えてやがる」
「これ、本当に聖樹なんか?」
「聖樹以外に光る木が他にあるかってんだ!」
「おい!俺たちが用意した家はどうした!」
「ちょ、ちょっと、勝手に家に入ろうとしないでください!」
ギルドの人たちは、やってきたかと思うと私の家に勝手に入ろうとしたりしたので、慌てて止めた。さすがに家の中に無断に入ろうとしないで欲しい。
「前の家はどうしたんだ」
「人の手を借りて建て直してもらったんです」
「勝手に変えたの?困るよ~」
「いや、でも好きにしていいって言われたんです。壊してもなにしてもいいって」
「そんなの建前だって分かるだろ~?普通に建築ギルドに頼んで直してもらうの。お嬢ちゃんは常識がないなぁ」
なんだそれ。つまり直してもらうの前提の家を渡してきたってことか。
「そんなの知りません。それより約束通り、聖樹生やしましたから。これで文句ないですよね?」
「困るよ」
「は?」
「勝手に聖樹生やされても」
「どういうことですか?」
「指定した場所に生やしてほしかったのに、どうして勝手に生やしちゃうかなぁ。これやり直せないの?困ったなぁ。ボスに報告しないと」
男が困ったように言っていたが、こっちとしては聞いてない話ばかりされて、意味が分からない。アスランをちら、と見ると肩をすくめて「さぁ?」って感じの表情をされた。
ギルドの人たちは、私を無視して話し合っている。
なんだか面倒なことになってしまったらしい。




