アイリスの手紙 『黒雨弐型及びその鞘について』
親愛なるゼロ様、ご依頼を承りました。黒雨弐型及び鞘の機能をまとめた紙を同梱いたしましたのでご確認を。
『黒雨弐型』
魔鉱含有率77%、魔石含有率3%、その他一般的金属20%の割合で作成された極東式の刀。非常に高い魔力の伝導率を誇り魔術の補助道具としても機能します。ただし、大部分が魔鉱によって作られているため魔力を通さない場合、切れ味は通常の剣よりも一段落ちるものとなります。また、魔石による意思の具現化の能力も極小範囲、短時間のみ使用可能。範囲は刀の間合い、時間は引き起こす事象にもよりますが数秒から数分となり、尚これらの魔石による事象は魔力によっても多少変化することが確認されています。
『鞘』
内部が純粋な魔鉱で覆われており、ゼロ様の低い魔力貯蔵量を補うために作成しました。ゼロ様が体内で生成され、溢れた魔力は黒雨弐型を通して鞘に蓄えられ、刀身に充填することが可能です。また、鞘自体もかなり頑丈に作りましたので打撃武器としても活用いただけます。鐺の先端に発射機構を備えました。威力は低いですが電磁投射砲として機能します。接近が困難な場合に活用ください。ただし連射が可能なのは3発までとなっておりますのでご注意を。また、鐺の発射機構は閃光、ワイヤーフック、バイオネット、麻酔弾なども使用可能です。これらも弾数は少ないのでご注意を。
これはあまり現実的ではないのですが、もしゼロ様の『剣』の魔術の異常が治られた場合、レールガンの機構を活用して鉄針を超高速で発射することも可能です。
黒雨弐型、鞘共に一点物かつ設計図は焼却済み、材料の魔石は数が非常に限られているため、くれぐれも紛失なさらないようにご注意ください。
追記
たまにでいいので、私にも会いに来てくださいませんか?もちろん2人きりでお願いします。ビアンカは追い払っておきます。ご検討の程よろしくお願いします。
-アイリス・アイゼン・シグマス
(殴り書きされたような筆跡)